観光都市 江戸の誕生 (新潮新書 122)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106101229

作品紹介・あらすじ

従来、観光地としてイメージされることがあまりなかった江戸。一〇〇万前後の人口を抱え、参勤交代などで絶えず住人が入れ替わった江戸は、一大観光都市だった。将軍吉宗は都市化に伴って減少した憩いの場を江戸市民に提供した。寺社は霊験よりも見世物で参拝客争奪戦を繰り広げ、大名はお国自慢の神仏を江戸屋敷に勧請し賽銭を集め、苦しい財政の足しにした。歌舞伎や落語、時代小説だけではわからない、大江戸観光事情をあきらかにする。

感想・レビュー・書評

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  • 江戸、楽しそう‼︎
    ある意味豊かでいいですな〜
    著者の写真、眼光が鋭すぎて怖いわ‼︎

  • 2005.6.20.初、並、帯なし。
    2013.2.5.津BF.

  • 期待してなかったのだけど、面白かった。日本橋〜深川界隈のお大尽を取り込んだ成田講は、江戸のフリーメーソンだぬ(笑)

    神社仏閣というのは、やはりお金の匂いがするものだけど、出張開帳に代表される事例は、現代に通ずる宣伝やイベント感を彷彿とさせる。したたかなんである。

    昨年、浅草伝法院の庭園公開で、江戸の商家が寄進した額が展示されていたけど、まさしくこれだよね。

    江戸の庶民のマクロ経済。流行りものが好きなのは、今も昔も変わらじ。

    kindleで購入。

  • 吉宗による観光振興政策や、財政困難の解決法として”出開帳”を行っていた地方の寺社とその会場となった寺社の周辺で繰り広げられる見世物や飲食店との経済相乗効果など、当時の日記等の資料を交えながら、大都市江戸の観光事情をわかりやすく解説する。




    現在も人気を集める成田山新勝寺が全国区に飛躍していく様子は興味深い。

    成田村の領主であった佐倉藩の歴代藩主の帰依を受け勢力を拡大していった新勝寺が、本堂の建立に際して抱えた膨大な借金を返済する手段として、江戸深川で出開帳を行い大成功を収めたことから始まった。

    やがて、佐倉藩主稲葉氏、将軍綱吉の生母桂昌院や、歌舞伎界、花柳界、紀伊国屋文左衛門ら大商人からの強力なバックアップを得て、”成田ブランド”を確立していく。

    開帳に合わせた初代市川団十郎による舞台は、現代のメディアミックスに通じるものがある。




    日本人のレジャー行動の特徴は、買い物と飲食が必ず付随することであるという。なるほど日本各地の観光地が猥雑なわけだ。

    日本人の商魂の逞しさの原点を見た気がする。

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著者プロフィール

歴史家。1965年、千葉県生まれ。早稲田大学教育学部卒業、同大学院文学研究科博士後期課程満期退学(文学博士)。JR東日本「大人の休日倶楽部」など生涯学習講座の講師を務める。おもな著書に『江戸の間取り』『大名格差』『徳川幕府の資金繰り』『維新直後の日本』『大名廃業』(彩図社)、『15の街道からよむ日本史』(日本ビジネス文庫)、『東京・横浜 激動の幕末明治』(有隣新書)、『徳川時代の古都』(潮新書)などがある。

「2024年 『江戸時代はアンダーグラウンド』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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