- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784106101731
作品紹介・あらすじ
自閉症を疑わせる第11代垂仁帝の皇子、虚弱体質への劣等感から東大寺大仏を建立した第45代聖武帝、菅原道真の怨霊を恐れ神経症となった第60代醍醐帝、今様の歌いすぎで慢性喉頭炎を患った第77代後白河帝、徳川幕府との確執より痔疾に悩まされた第108代後水尾帝…。古代から今上天皇まで125代、その血脈はいかにして受け継がれてきたのか。病歴、死因はもちろん、后妃の数、あるいは精神医学までも徹底的に診断する。
感想・レビュー・書評
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古代から現代まで、歴代天皇の姿を「病」という視点から探る。
一 疫病調伏のための「大王」ー飛鳥・奈良時代
二 怨霊の祟りに置き換えられた病魔ー平安時代
三 肖像画に如実に顕れた健康状態ー鎌倉~安土桃山時代
四 幕藩体制の下でー江戸時代
五 現代医学と生活習慣病ー明治・大正・昭和
六 病録の章
主要参考文献有り。歴代天皇一二五代のカルテ一覧表有り。
前作の「徳川将軍家十五代のカルテ」からパワーアップ!
なんと歴代天皇が対象です。但し、古代は伝説上の人物であり、
史料が乏しい時代もあるので、全員というわけではありません。
それでもまぁ、よく調べたなぁ~といった内容です。
また、天皇周辺の著名人についても「病」を探っています。
乏しい史料から探り出して、医師の立場と経験から病を推測する
手法は、なかなかのものです。
それにしても、疱瘡やマラリア三日熱の猛威の凄まじさよ。
加えて、その世の権力者からの圧力と、閉ざされた環境で、
心身共に疲労困憊、病に至るというのは、本当に気の毒。
そして、近代の天皇のリアルタイムな死への病の進行は、生々しい。
医療行為が、調伏から薬、漢方、洋医学、現代医学への
変遷も垣間見られ、興味深く読みました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
面白かったです。
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残る史料から、歴代天皇の病歴や死因を明らかにする。戦国時代以前の話は、史料の乏しさや医学自体の不明瞭さもあって、推理の域を出ないが、近世以降はかなり詳しくて信憑性ある話が読める。リアルタイムの記憶が残る昭和天皇崩御にあたっては、病の経過や、それに立ち向かう医師団の奮闘が生々しく綴られている。
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[ 内容 ]
自閉症を疑わせる第11代垂仁帝の皇子、虚弱体質への劣等感から東大寺大仏を建立した第45代聖武帝、菅原道真の怨霊を恐れ神経症となった第60代醍醐帝、今様の歌いすぎで慢性喉頭炎を患った第77代後白河帝、徳川幕府との確執より痔疾に悩まされた第108代後水尾帝…。
古代から今上天皇まで125代、その血脈はいかにして受け継がれてきたのか。
病歴、死因はもちろん、后妃の数、あるいは精神医学までも徹底的に診断する。
[ 目次 ]
1 疫病調伏のための「大王」―飛鳥・奈良時代
2 怨霊の祟りに置き換えられた病魔―平安時代
3 肖像画に如実に顕れた健康状態―鎌倉~安土桃山時代
4 幕藩体制の下で―江戸時代
5 現代医学と生活習慣病―明治・大正・昭和
6 病録の章
歴代天皇一二五代カルテ一覧表
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[ 参考となる書評 ] -
歴代、といっても全天皇について書かれている訳ではなく。
歴史的に重要であったり、病理学的に興味深そうな天皇をチョイスしているんですが。
史料も乏しく、推測でしか述べられない天皇をわざわざ選ぶ必要はないのではないのかと思います。
天皇のエピソードから性格を推測し、その性格の人がなりがちな病気が死因ではと述べるだけでは、新書にしても物足りない気がします。
もっと人数を絞って、掘り下げて書いた方が面白かったのでは。(2009年12月6日読了) -
おもしろいです。興味津々 -
今まで歴史上で知られている全ての天皇の病の歴史、死因などをひたすらに書き連ねた超絶的にマニアックな一冊。
これを面白いと言える人とは良い友達になれそうです。 -
平成19年4月9日読了
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六国史等のわずかな記述から診断しなくてはいけないので、かなり推測が多くなっています。
また、皇后(中宮)から生まれた天皇と、女御など武家でいう側室から生まれた天皇、どちらが身体壮健で長命かという比較をするときに、平家滅亡時に入水した安徳天皇や事故死した四条天皇を含めて平均年齢を算出しているのは、意図がつかめませんでした。
軽い読み物としては楽しめるので、暇つぶしに手に取ってみても良いかもしれません。
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昔は物の怪と片付けられていたが、今の病気と照らし合わせると納得できるところがたくさんあります。