政治とカネ: 海部俊樹回顧録 (新潮新書 394)

著者 :
  • 新潮社
3.07
  • (5)
  • (16)
  • (30)
  • (11)
  • (5)
本棚登録 : 207
感想 : 35
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106103940

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 面白かった。海部氏も政治家である以上、真実をすべて語っているとは思えないが、わりと率直に自分の思いを述べていたと思う。特に、三木内閣誕生から海部内閣退陣までのくだりは、政治ドキュメントとして興味深かった。

  •  昭和を知る、ということで読んでみました。
     日本の政治家の回顧録というと書くに書けない話ばかりで伏せられる名前と煮え切らない表現のオンパレード、という通念を覆す一冊です。
     海部氏の人となりそのままに書かれた本で、非常に率直な表現で書かれています。
     リクルート疑惑があったときにリ社から未公開株を貰っていない中で一番当選回数が多く…という基準で選ばれた人ですしもともとクリーンで売った自民党としては傍流派閥の三木派出身の方ですから、権力とかカネのイメージはありませんでした。
     その人が回顧録のタイトルに選んだのが「政治とカネ」。自民党がいかにカネで汚れていたかがわかります。
     海部氏自らが他の派閥や当時の社会党にカネを運んでいた、と。
     田中角栄氏や小澤一郎氏について書かれた部分を他の本とつきあわせてみると昭和史が立体的に浮かんできます。
     

  • 帯には「この話、墓場まで持っていくのはやめた。永田町激震!元総理が全て書いた」。

    まず感想ですが、政治家って「政治」ばっかりやってて、政策とか二の次なんだなぁ・・・ってこと。

    話の内容はほとんど権力争いのことばかり。

    海部さんは三木さんを尊敬していて、ご本人がおっしゃるには比較的きれいな政治家だったようです。まあ一般国民の印象もそんな感じですよね。

    本の中には名前入りでいろんな政治家のことが書かれています。

    小沢さんなんてぼろぼろですね。小沢一郎のどうしようもない性癖とか、小沢一郎にはほとほと疲れたとか。彼は何かを作り上げると壊そうとする癖があると。確かに今も民主党を壊そうとしてますね。あれ、性癖なのか。

    まあしかし、しょうもないなぁ・・・。日本の中枢ってこんな程度なのか・・・。予想はしていたけれど、こういう風に暴露されると夢も希望もないですな。といっても、大した暴露話はないですよ。想像してた範囲内です。

  • 率直だけど、それだけって感じ。

  • 激動の昭和から平成へ。お疲れ様を込めて、星4つ。でも、もうちょっと頑張って欲しかった。当時も金権政治で大変だったろうけど、今の政治もぐちゃぐちゃですもん。

  • 同郷をいうことと、その歴史観から親しみを抱いていた海部俊樹元首相の回想録。自民党から新進党、自由党を経て再び自民党への復帰。そして先の衆議院選挙での初の落選から引退へ。弱小派閥から、リクルート事件のスキャンダルによる混乱の中、火中の栗を拾う思いでの首相指名、そしてイラク戦争の勃発など波乱に富んだ政治生活のあれこれを淡々と美化することもなく綴っている。カネの流れや小沢一郎らの信じがたい裏切りなど、生々しい話が満載。面白い。

  • 元首相の回顧録というかエッセイみたいなもの。

    「率直に書いているな」というのが読後の印象です。
    当然、本当に墓場にもっていかなければならない話し(国防に関することや、他人に関する評価のはなし)は書かれていませんが、それを抜きにしても面白いところがあります。

    特に、小沢一郎のことについては、どこが壊し屋なのかということをきちんと書いています。嫌いなんだろうなーと思ってしまいます。

    本来であれば本格的な回顧録を書くべきなのでしょう。また、冷戦崩壊という世界史の転換点にわが国の宰相をした方なので、その方が良いのではないかと思います。

  • いかにも薄っぺらい。
    本音で語っているのだろうけれど、これで戦後日本の政治研究に寄与出来たかと言えばはなはだ疑問。
    結局何がやりたかったのか、ものを言いたければ数を取るしかないと、しみじみと感じた、かれの哲学の無さが実感出来る。

  • “自民党はこの総選挙で、わずか二日間で80億円投入したと噂されたが、それは事実だった。(中略)それが良いか悪いかと問われれば、悪いに決まっている。”(本書P140)

    面白い。政治の世界は相変わらずどろどろだな。

    ---気になった言葉---
    自分が金やダイヤでないことはわかっている。でも、銀なら銀、銅なら銅でいい、いくら粉々になってもたえず本質を失わず、俺なりの石でいよう。大衆の中に入り、訴え、「きれいで、わかりやすい政治」を実直にやっていこう。それより他に、日本の政治が瑞々しく蘇える道はない。(P30)
    (これらバラマキの額が)庶民感覚と大きく離れていることは、私自身が十分承知している。承知の上でそうせざるを得ないのが、自民党政治だったのだ。(P61)
    間違っても四島返還をニ島返還にすり替えてはならない。日本は、苦しくても悔しくても歯を食いしばって、四島でなければダメだと主張し続けなければならない。(P130)
    自民党はこの総選挙で、わずか二日間で80億円投入したと噂されたが、それは事実だった。(中略)それが良いか悪いかと問われれば、悪いに決まっている。しかし、私には現実主義者の一面もあり必要悪と割り切った。そこがあなたの限界だ、と言われてしまえば返す言葉もないのだが…(P140)
    小沢幹事長は、辞める必要がない場面で逃げた。小沢一郎という政治家の「どうしようもない性癖」を、私が目の当たりにした最初の時だった。(P141)
    あの「壊し屋」に関わるとほとほと疲れる - 三度、小沢一郎と交えた私の率直な感想だ。人の陣地に手を入れて、誘惑してその気にさせて、壊す。あの性癖は、死ぬまで治らないのではないか。業というか、あそこまでいくと、もう病いとしか言いようがない。(P174)

  • それなりに面白かったけど、肝心な部分を「墓場まで持って行く」はなかろう。帯の文句に偽りありだよ。そこを語れば、全体の真実味がぐっと増したのに。

全35件中 21 - 30件を表示

海部俊樹の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×