政治とカネ: 海部俊樹回顧録 (新潮新書 394)

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  • Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106103940

作品紹介・あらすじ

「私は墓場まで持っていかない。隠し立てせずにありのままを書く」。冷戦終結、湾岸戦争、バブル崩壊…。時代の大きな転換点にあって、次々と押し寄せる難局に、首相としていかに立ち向かったのか。自民党、新進党、自由党で三度も組んだ小沢一郎とは何物なのか。政治の師・三木武夫元総理の遺志を継ぎ、クリーンな政治を目指して「金権」と闘い続けた五十年。戦後政治の光と影を知る、首相経験者による前代未聞の証言。

感想・レビュー・書評

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  • 海部俊樹さんは76代内閣総理大臣。

    海部俊樹さんは当時新聞で嵐の去った永田町でただ一人ぽつんと立っている様な風刺画があったのを覚えている。

    丁度自分が高校生の頃、大学で政治経済系の学部に行きたいと思っていた頃なので当時はニュースステーションを毎日見ていたから、当時のことを思い出しながら読んだ。

  • 消費税導入を実行した竹下内閣、超短命に終わった宇野内閣の後を受けて1989年に総理大臣になった海部俊樹氏の回顧録。この頃はちょうど大学生になったばかりで、これから日本はどうなるんだろうと漠然とした不安を持っていた。
    決して押しの強い総理大臣ではなかったが、いつの間にか人気を回復して政治は安定していった。かといって特別大きな功績があったとは思えなかったし、何となく辞め方もパッとしない感じだった。
    この本の随所に出てくるが、この人ほど小沢一郎氏と関わりがあり、翻弄された人もいないと思う。いかにそれが難しいことであったかが、何となく恨み節のように書かれていて興味深い。今もまた同じことが繰り返されているようにしか思えない。

  • 【由来】
    ・折田さん

    【期待したもの】
    ・折田本ではなかなか高評価な海部さん、ということで興味を持った。

    【要約】


    【ノート】

  • 「私は墓場まで持っていかない。隠し立てせずにありのままを書く」って要するに小沢一郎が嫌いということがいいたいのだろう。人の悪口を読むのは面白いですね。

  • リクルート・コスモス未公開株の譲渡を受けていたことが発覚し
    竹下総理大臣は退陣を余儀なくされ、内閣の重要人物が何人も失脚した
    棚ぼたで後継総理の座についたのは宇野宗佑だったが
    三日後に女性スキャンダルの暴露を受け、これまたあっけなく沈んだ
    人材の払底に苦しんだ自民党は
    若手(いうても58だけど)の海部俊樹に白羽の矢を立てることとした
    1989年、平成元年の急転直下であった

    クリーンと目された三木武夫派の出身で、歳のわりに童顔の海部は
    とにかく悪いイメージを払いたい自民党に
    ある意味うってつけの人材と言えた
    しかしながら若手の悲しさで実績に乏しく
    じっさいクリーンで売ってて経済的にも乏しい彼は
    どうも軽く見られがちで
    マスコミから、金丸・小沢の操り人形と呼ばれることもしばしばだったが
    そこに難題は容赦なく押し寄せてきた
    バブル崩壊、湾岸戦争、金丸訪朝団、日米構造協議、ゴルバチョフ失脚…
    状況の激変に振り回されることが多く
    また操り人形とは言わぬまでも、やはり党内保守を動かせず
    さまざまな問題に対して後手後手にまわっていった
    結局のところ元をただせば
    政治腐敗から国民の目をそらすために立てられたデコイだったわけで
    党内抗争にカネが飛び交う状況を緩和するための
    肝いりで提出した政治改革法案
    …つまり小選挙区制だが
    これをほとんど一方的に与野党から拒絶された後は
    解散総選挙のデマにも泣かされ、あっさり辞任に追い込まれた

    国民の深刻な政治不信を受けて
    政治改革法案が通ったのは、海部辞任の三年後だった
    理想のビジョンは持っていたし、現実認識も確かだったが
    その良識ゆえに肝心なところで遅れをとった
    迷パートナー・小沢一郎と共に
    失われた30年の幕開けを象徴する存在と言えるのではないか

  • 地下街で購入する。興味深い本でした。海部降ろしは、竹下派包囲網が出来たからです。やはり、そうでしたか。深さがないのは悪くない。

  • 海部元首相の回顧録。
    首相になるまで無名とも言えたこの人の人となりだったり、首相時代の裏事情、その後のあれこれなどもけっこう生々しく書いてある。もちろん本人が書いたわけではないにしても、それなりにサービスしている部分もあるが、ここに触れないといけないだろうというところは巧妙にスルーしている感じ。
    タイトルは流行っていたからこれにしたという感じでもったいないですね。

  • 今さらですが,ふと手にとって読んでみました。先だっての日経新聞「私の履歴書」の森元首相のものも面白かったですが,こちらもなかなか。

  • 墓場まで持っていかなくても良い。今明らかにせよ。それでも海部さんは、歴代の中でもまともかも。

  • この話、墓場まで持っていくのはやめた。永田町激震。元総理が全てを書いた。
    政治家が回顧録を書く事は素晴らしい。何故ならば内容の如何を問わず歴史の審判を受ける事になるからだ。嘘をかいてあれば、のちの研究者により暴かれる事となろう。
    本書はまだ十分な歴史の審判にさらされているとは、思えないが、読んでみて海部俊樹という政治家を見直す事になった。

    ただし帯の文句は誇大広告と言えよう。

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