- Amazon.co.jp ・本 (187ページ)
- / ISBN・EAN: 9784106104442
作品紹介・あらすじ
石川遼、宮里藍、錦織圭-。日本を代表するアスリートの彼らは、そのプレーだけでなく、人間性の素晴らしさでも人々を魅了する存在となっている。彼らの親は、いったいどんな方法で「あんないい子」を育てたのだろうか?そこに普遍的な法則はあるのだろうか。娘杉山愛を世界的テニスプレーヤーに育てた著者が、トップアスリートの親たちと共に探る「人間力育成」の極意。
感想・レビュー・書評
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2009年に現役を引退された、杉山愛選手のお母さんの著書になります。
元は論文とだけあって、話の流れが非常にわかりやすかったです。
- 大事なのは、勝つことではなく楽しむこと
トップアスリートの親でありコーチでもあった方の言葉としては意外にも感じますが、
本文を読み解いてみると、とても納得のいく言葉です。
- 親が親の意思やエゴで子供に何かを強いても、いいことは一つもありません。
始めるきっかけは強制だとしても、"続ける"には本人の意思が何より大事、
わかっていそうで結構はまってしまいそうで、実際にもそういったケースが多いそうです。
- 「誰かのために」があってこそ頑張れる
- 話し方さえ工夫すれば、子供はたいていの話は理解してくれます。
何も子供を育てることに限らず、必要な素質だと思いました。
自分で選び取ったからこそ頑張れるし、周囲とも調和できていくのでしょう。
興味深かったのは、杉山さんだけではなく、石川遼選手、宮里藍選手、錦織圭選手のご家庭も、
同じような考え方で共通項が多く見いだせた、という点でしょうか。
ん、"子供の可能性"は様々に模索していきたいと、あらためて実感しました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
プロアスリートは、狙って育て上げることは難しい。しかし、そうなるような方向づけはできそうな感じはあるが、結局家族が過剰に期待しないということが一番重要なのかもしれない。
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習い事には、口を出さない。どうしても、感情が出てしまい客観的に見ることができていない…そんな自分を、見直すことができました。「待つ」ことができることは、親のとても大切な資質。親たちは、自分の手を休めて子供の話に耳を傾け、自分の休暇や日々の時間を子供のために割くことを惜しんではいけない。最初は親が与えたものでも、子供は自然に自分で選んでく。自己選択能力と自己決定能力。…今日から、仕切りなおし。
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杉山愛選手の母が著者。
半分は愛選手の成長について記載。
子供にスポーツをやらせるタイミングでもう一度熟読したい。 -
子供への、1人の人間としてのリスペクト。「こうすべきた」などの発言は避け、子供からの発信を待つこと。
難しい事だが、一流選手を育てた実績ある筆者の言葉なので重みと信憑性がある。
もう一つ、完全に同意できる訳ではないけれどもメモしておきたいのは、子供は社会からの預かりもの、という言葉。そうか、そういう考え方もあるのだな。 -
教育方針の共通点
1 外遊びを多くしていた
2 家族や友達と多人数で遊んでいた
3 遊ぶ場所を選ばなかった
4 専門競技の開始年齢が早かった
5 専門競技に専念した年齢は10際前後だった
6 専門競技以外にも多種の競技をやっていた
7 専門競技以外の競技でも器用にやっていると親が感じていた
8 専門競技を選択してもその練習時間は3時間以内だった
9 専門競技を開始した目的は「家族の団らん」だった
10 親が「子どもに才能がある」と感じた時期は早晩やってきたが、最初から才能があるとはあまり感じていなかった。
11 専門競技になってからの親の口出しに関しては、宮里選手と石川選手の場合はやや遅かったが、錦織選手と杉山選手の場合はあまり多くなく、自由であった。いずれの選手も子どもの自主性が尊重されていた。
12 親が子どものスポーツへの取組を強力にサポートしていた。親の側も無我夢中であった
13 スポーツ以外の習い事については、最初は親の判断で始めたが「習い事をやらせて良かった」と親が感じていた
14 親たちも勉強を続けていた
15 子どもへの接し方が自身に満ちていて、ぶれなかった
16 私たちはあなたを信じている。あなたならできると思う。と表現し信頼し続けている
17 子どものために時間を割くことを惜しんでいない
18 子どもに選択肢を与えている
「スポ根」から「才能」へ。
コーチが選手に対して苛立って説教をしていることを知っていても、親がコーチに対して何も言えない実態がある。子どもたち=選手を苦しめ、彼らの人格形成に害を与えているか、コーチたちや親たちはそれを知るべきであり、スポーツをコーチングすることの真の意味を考えるべきである。
コーチが「物事に対する答えは一つではない」と自覚していたら、自分の考えを選手に伝え、考える時間を与えてから、選手自らが答えを出せるように話を持っていくだろう。
同じ練習をずっと続けることが大事。
クーベルタンの哲学
継続することで生まれる自信
どんなスポーツでも、継続することによって技術は向上する。特に「やれば上手になる。これは練習を続けてきた賜物なんだ」と気づくことができると自信も生まれる。この時、継続と自信は一対になる。続けることの大変さを知り、大変さから楽しさを得ることができるのも、スポーツをする人の特権。. -
著者は杉山愛のお母さん。娘のコーチ経験のほか、錦織圭、石川遼、宮里藍の親たちから聞いた育て方も紹介している。本人の意思を尊重すること、楽しむこと、生活のリズムを整えること、多種多様な競技に親しむこと。
人間力戦略研究会が発表した人間力の定義は、基礎学力と専門的な知識・ノウハウ、社会・対人関係力、自己制御力。継続することによって自信も生まれる。今日の課題は何か、これから自分が行っていきたいことは何かを考える。
杉山愛の「スポーツは自分を磨きのためのツール」という言葉が印象的だった。 -
子供を育てる上で、子供への接し方について宝物のような内容が詰まっていた。
スポーツ選手に育てるかどうかは関係なく、非常に有意義な内容であった。 -
スポーツの事だけでなく、子育て、しつけ、勉強等全てに通ずる内容だと思います。
子供は、親の所有物ではなく、一人の個人なのだと。
だから、兄弟姉妹でも同じ子育てではなく、その子その子の育て方がある。
我が子をしっかり見つめていけば、自ずと導き先が見えてくる。
まさに、「木の上に立って見る」姿勢が大事。
また、子育ては、「子どもを育てる」のではなく「子どもと育つ」こと…素敵な考えだと思います。
ついつい、上から目線で、口がでてしまいますが、それはグッとガマン(笑) -
スポーツによって人間力を磨くということに共感した。
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冷静に自分の子供を見ています。良い距離感が感じられました。
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大概の親は一生懸命子育てをしているから、自分のやり方を否定されたり、これが正しいのよと固辞されるとむっと来るものだが、
この本は、一流選手の親としては非常に冷静に、謙虚に客観的に子育てを分析していると思う。
すごく面白く興味深く読めました。
柔軟な考えをもつお母さんには読むと参考になるんじゃなかな? -
愛情とは聞かれてもいないのに手取り足取り教えることではなく子どもの「気づき」が起こるまで待つ
スポーツに限らず子育てでもっとも重要なことは親が待つ姿勢でしょう
信頼して待つ。子どもが発見した「気づき」を理解できるかどうかが子どもが親を信頼してくれるかどうかの境目なのかもしれない
せっかく錦織圭・石川遼・宮里藍選手の両親にインタビューして論文をまとめたのなら本の半分くらいはその詳細をしりたかったかな -
「真のアスリート」とはどういう人か。「人を育てる」とはどういうものか。ヒントを得られる書
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親のエゴからの強制ではなく、子供の自主性に任せる。上手くいかない時、日常生活を見直してみる。等参考になったが、sampleが少なすぎる気もしました。
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新着図書コーナー展示は、2週間です。
通常の配架場所は、1階文庫本コーナー 請求記号:379.9//Su49