プロの尼さん: 落語家・まるこの仏道修行 (新潮新書)

著者 :
  • 新潮社
2.93
  • (0)
  • (2)
  • (11)
  • (1)
  • (1)
本棚登録 : 56
感想 : 6
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106105326

作品紹介・あらすじ

職業・落語家、生き方・尼さん――。笑顔を届け、仏教の魅力を伝える。それが私の使命。そのためには、辛く厳しい修行もなんのその、お釈迦様はいつも私の味方です。「アマな落語家」の半生記、いよいよ開演!

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 尼さん落語家の自伝。さすがに面白い。宗教を持つのが難しいこの国で宗教を持って生きることはそれはそれで大変だから。夫婦の宗旨がちがって仲良くやるのはとても日本的かもしれない。それと、どちらも割と老成した宗旨だからか。いいなあ。

  • 信仰について否定的な人や、仏教以外のあつく信仰している宗教がある人にはあわない。そもそも、そういう人は手に取らないと思うので問題はないかと思うけど。

    テーマという点でももちろん人を選ぶ本なのだが、著者の語り口がけっこうぐいぐい来るので、そういう意味でもちょっと押しつけがましいのが苦手な人には向かない。学生時代、「先生、それっておかしいと思います!」と堂々と正義を貫く姿勢を持っていた生徒に、あなたが感じることを、この本を読むと感じると思う。

    衝撃だった一言が、「理屈をこねる人にろくな人はいない。理屈をこねる前に信じる」という信仰心の説明。
    そもそも、著者が感じた死への恐怖は、理屈では説明のつかない感覚的なことだろうから、信仰との相性がよかったのではないだろうか。

    しかし、親を信じるのにも友達を信じるのにも、確かに私たちは理屈をこねない。なので理屈をこねるな理論にも一定の理屈は通っている。

    信じてから理屈をこねるのか、理屈をこねてから信じるのか。これはどちらが正しいとかではなく、その人の信仰が尊重されるのと同様に、あらゆる人の信仰心の強弱もやはり尊重されるべきであるから、信仰が違う人同士だけでなく、信仰心が違う人同士でも議論し続けるべき課題のように思う。(どちらかが正しい、説き伏せる、などではなく)

    思うに、テストで答えがさっぱりわからない四択があったとして、それを、鉛筆を転がして答えるか、あくまでも問題と向き合って少しでも理屈をつけて答えるか、その違いに近い気がする。人生の答えは誰にもわからない。

  • 展示期間終了後の配架場所は、1階文庫本コーナー 請求記号 779.13//Ts96

  • 上方では有名な人なのだろうか。著者は著者は面白くも人生を送っている女性だ。高校を出て落語濃密な人生を送っている20代女性だ。高校を出て落語家の修行後、出家して比叡山入院。落語家で尼さん。傍目からは不可思議極まりない経歴だが、本人からその経緯を語られると、運と行動力が伴った計算されたストーリーだったことに気付く。女らしくなく、男らしくもなく、自分らしい生き方。まだまだ若いので将来が楽しみだ。

  • なかなか、宗教を正面切って語ることは、やはりハードルが高い気がするが、それをこの著者は落語とのセットで見事にクリアしている。

全6件中 1 - 6件を表示

著者プロフィール

1986年生まれ。落語家にして天台宗僧侶。高校卒業と同時に、落語家・露の団四郎に入門。3年の修行を経て、目下売り出し中。テレビ・寄席などに活躍。2011年、出家得度。著書、『プロの尼さん──落語家・まるこの仏道修行』(新潮新書、2013年)。

「2013年 『ぽくぽくぽく・ち〜ん 仏の知恵の薬箱』 で使われていた紹介文から引用しています。」

露の団姫の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×