- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784106106460
作品紹介・あらすじ
「新作」を100倍楽しむために! なぜこの映画だけが「特別」なのか? 誕生史から撮影秘話、世界観や物語の構造、新作の解釈まで、この素晴らしき〈サーガ〉の世界を徹底解説!
感想・レビュー・書評
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10年ぶりにシリーズの新作が出た
ルーカスな映画を製作するまで
sfxについて
デジタル映画について語られている
新シリーズは ディズニーから毎年一作製作される予定であるとか
ディズニーな制作するということで この映画シリーズも 変化して
終末を迎えそうだ詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「スター・ウォーズ」に関する歴史、世界観、物語などを解き明かす。作品そのものよりルーカスとハリウッド映画の関係性から買収されたディズニーとの今後など映画産業における役割を探る内容。河原一久「スター・ウォーズ論」の方が良い。
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映画評論家とゲームデザイナーの2人のおじさん(2人とも昭和37年生まれ)による、「スターウォーズ」シリーズをめぐる映画史。ジョージ・ルーカスの生い立ちから経歴、スピルバーグとの比較、ディズニーによる買収と今後の展望が語られる。必ずしもスターウォーズのストーリー自体の云々や解説がある訳ではない。
数年前に初めてスターウォーズのシリーズを見て以来、たぶん1回ずつしか見たことがないのでストーリーがイマイチ定着しておらず、昨年12月に公開された「エピソード9」を観に行く前にちょっと読んでおこうと思ってわざわざ買ったが、要するにジョージ・ルーカスと映画業界の歴史、みたいな話が中心で、それはそれで面白いが期待した内容では全くなかった。何が「スターウォーズ学」なのか分からない。せいぜい「ルーカスとデジタル映画史」くらいのタイトルが良いのでは、と思った。だいたいおれは「ジャー・ジャー・ビンクス」自体が何かよく分かってないレベルで、到底おじさん2人のテンションについていけなかった。飲み屋でおじさんの昔話を聞いている感じになってしまう部分もある。
あとは面白かった部分などのメモ。ルーカスが南カリフォルニア大学の映画学科に在学中、卒業制作『電子的迷宮/THX-1138:4EB』(67)というのがあるらしく、これは「機械文明が高度に発達すれば、社会の管理と統制が可能になり(中略)ディストピアが現実のものになるのではないか」(p.60)という恐怖がその映画の世界観の根底にあるらしい。なんかそういうディストピアものがおれは好きなので、興味ある。あとは、「スターウォーズ」の「神話的構造」というのが「比較神話学の学者ジョーゼフ・キャンベルが古今東西の神話を分析した著書『千の顔をもつ英雄』(五六)との出会い」(p.73)によって決定づけられたらしい。そういう、物語の解釈に興味があったので、この部分をもっとフィーチャーした内容を期待していた。あとは一番古い「エピソード4」は実は「リリースするたびにその内容が様々な点で変わっている」(p.90)らしく、そんなこと許されるのか、と思ってしまった。マイナーチェンジ、とか「ディレクターズカット版」とかならともかく。「エピソード6」だって「往時の物悲しく、喪失の念をともなったエンディングは、にぎやかで能天気な狂騒曲と化した」(p.91)だそうで、おれが見たものが実は他の人が見たものとまったく違う、ということが起こりうるということを知った。あとは著者による「スターウォーズ批判」の部分で、「世界のディテールを構築していくあまり、創造主の頭の中にだけあればいい裏設定をスクリーンに映し出してしまった悪例」(p.98)と批判されているフォースの何かの話があるが、やっぱりファンになると、納得できない部分色々出てくるものなんだなあと思う。最後に、「新作の三部作をどう呼ぶか」(p.171)という章があり、名前なんてどうでも、と思ったが、「アナキン三部作」、「ルーク三部作」、「レイ三部作」というのは分かりやすくていいと思う。だいたいおれはアナキンとルークが誰で誰だったのかもあやふやで…。
あとこの本が出たのは2015年の年末なので、エピソード7が公開されるかされたか、という時点での話。(20/01) -
共著者のお二人と生年が近いので、公開第1作エピソード4を待ち望んだ1年間の葛藤が痛いほど解る。玩具やグッズを生産する余裕が欲しいオトナの都合で、日本公開は1年も待たされた。
そのかん、ムックや映画雑誌で情報を仕入れる。東宝「惑星大戦争」や東映「宇宙からのメッセージ」で渇を癒す(惑星〜にはガッカリした。メッセージは楽しめた)。
いざ、本編を観てみたら……、なんでも期待しすぎるとダメである(私の場合)。
しかし、エピソード5と6は大好きだ。前者のラスト、手首のサイボーグ手術を終えたルークがレイアの肩を抱くシーンは特に好きだ。治った手で、真っ先に触れたいのはレイアなのだ。
後者のラスト、アナキンを火葬したルークが見上げる夜空に花火。イウォーク族の祭りの向こうで、ヨーダ・オビワン・アナキンの霊体が微笑んでいる。これぞ大団円であろう(したがって、ヤングアナキン霊体バージョンは受け容れ難い)。 -
スターウォーズの裏話的な内容。ストーリーはあまり語られない。
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スター・ウォーズ以前のアメリカ映画の趨勢とルーカスの生い立ちから、スター・ウォーズサーガとそれを制作してきた存在のこれまでとこれからを概説している。それはそれとして、『スタートレックII カーンの逆襲』のジェネシス装置のシミュレーション映像を担当したのがピクサー設立者のひとりエドウィン・キャットマルだったとか、J・J・エイブラムスはスター・トレックのリブートをそつなくこなしたがSTの世界観を充分理解しているとは言えないといった記述が良かった。
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<目次>
プロローグ
Episode.1 「惑星大戦争」の予兆
Episode.2 「スター・ウォーズ」の出現
Episode.3 「創造主ルーカス」の渇望
Episode.4 「銀河のサーガ」の構造
Episode.5 「デジタルシネマ」の革命
Episode.6 「帝国ディズニー」との融合
エピローグ
執筆分担箇所
主な参考文献
2015.12.19 新書を巡回していて見つける。
2016.01.24 予約
2016.06.12 読了 -
もちろんタイトルに惹かれて手にしました。
内容としてはルーカスの生い立ちやスターウォーズの歴史からスピルバーグ作品との比較、そしてディズニーに買収された後のこうなったらいいななどが、二人の著者によって書かれたもの。
特に興味深かったのは、ラッシュフィルムの話、クラシックトリロジーとプリクエルトリロジーの話、おとぎ話性とミディクロリアンの話。中には少し否定的な意見や見解もあったが、知ってること知らないこと全部含めておもしろかったし、みんないろんなことを考えてすごいなと思った。
いずれにせよこれからもスターウォーズサーガは続いていくわけだが、その作品がいつもいつもファンの望むものであるとはもちろん限らない。
でもその作品はスターウォーズをこよなく愛するたくさんの人達の手によって作られたことだけは確かなはずだ。
そういう意味でも僕はクラシックトリロジー、プリクエルトリロジー、スピンオフ、新シリーズとそれぞれに違った良さがあり、どれも愛すべきスターウォーズなんだという気持ちを持ちながら楽しみにこれからも作品に触れていきたい。
ありがとう!スターウォーズ!
May the force be with you. -
ディズニーによるルーカスフィルム買収の電撃ニュースだった。2006年にピクサーを74億ドルで、2009年にマーベルを40億ドルで買収してきたディズニーは、ついに2012年ルーカスフィルムを40億5,000万ドルで買収した。ピクサーやマーベルは買収されたのちも、クリエイティブ面において親会社ディズニーから理不尽な介入はなく、企業風土や企業文化を尊重されている。買収に応じる際、このことをル^カスは重視した。
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スターウォーズ(特に第一作)が好きで、とりあえずタイトルに惹かれて読んでみた。監督のジョージ・ルーカスのエピソードやスターウォーズの公開までの経緯、その後のシリーズの展開まで、映画の内容よりもビジネスや歴史的な部分に焦点を当てて解説しており、なるほどと思うことも多かった。実は自分も著者達と同じ世代でこの映画をリアルタイムで見たので、当時の状況はよく判る。公開されたのは高校に入った頃で、未だビデオも無い時代だった。公開前は映画雑誌で写真を見たり、記事を読んで想像を働かせ、公開中は映画館に何度も通い、公開後は映画のストーリー・レコードを買って楽しんだ。圧倒的な特撮技術に驚いた記憶がある。
公開当時、自分が住んでいた地方では、この映画は全米公開から1年も待たされて、全く盛り上がっていなかった。映画館は日曜日でもガラガラで、友人達とも話題になることがなくて寂しい想いをした覚えがある。大都市と地方では、この映画に対する温度差があったと思う。スターウォーズは今でこそメジャーな映画だが、当時はSF映画マニアだけが見る特殊な映画だったようだ。それはともかく、この本はスターウォーズについての小ネタを仕入れるには良い。ただ内容に対して、タイトルやちょっと大袈裟過ぎるような気もするが。