ゴジラとエヴァンゲリオン (新潮新書)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 195
感想 : 34
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106106774

作品紹介・あらすじ

誕生の秘密や鬼才たちの企みが、いま明らかに! ゴジラは、なぜ皇居を迂回したのか? エヴァは何度世界を破滅させるのか? 作品への深い愛情と膨大な資料から、「日本SF大賞」受賞者によりスリリングに展開される最高の謎解き。

感想・レビュー・書評

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  • ゴジラとエヴァについての蘊蓄の良質なサマリー。
    いろいろな裏話を読めばオタク的知識欲は大いに満足される。

    が、この二つを併記した意味は何か、となると、正直疑問符がつく。
    後書きで著者はいみじくもアニメか特撮か、どちらかを選べと言われたら、というような問いを立てているが、オタクトークとしては盛り上がりそうだが、それだけとも言える。

    ゴジラと言えば安藤礼二や加藤典洋をはじめ、一級の思想家が多くを論じている。ここにエヴァをどう絡ませたのかに興味があったのに、、、

    もっとも私も含めた、この二つの作品に関する小ネタならいくら読んでも退屈しない、というタイプの人には一読の価値はあり。

  • エヴァンゲリオン初心者。

    何をどうみていいのか分からなくてAmazonで検索して発見。

    「見方」と「解説」の観点からわかりやすくて入門書としてバッチリ。

  • ゴジラとエヴァの2つをもっと関係づけた話が読めるのかと思ってたからちょっと拍子抜け。でも、割と楽しめて読めた。エヴァはもう1度見直してみたくなった。

  • 庵野秀明 監督『シン・ゴジラ』を受けて執筆された、日本SF大賞と星雲賞を受賞した著述家による一冊。帯の「ゴジラは、なぜ皇居を迂回したのか?」のコピーに惹かれて購入。

    概ねマニアなら既知のゴジラ史と設定と裏話の解説から始まり、エヴァの解説に入ったかと思うと、またゴジラの解説に戻るゴジラ愛に満ちた内容。

    庵野秀明の背景にも迫り『新世紀エヴァンゲリオン』最終2話の逸脱した内容にも、本人発言のソースを引用し分析を試みる。アニメ『彼氏彼女の事情』の逸脱ぶりにも言及するべきであろうと思うが、SF色以外を排斥したいのだろうか触れてはいない。

    既に怪獣やロボットやSFなどで表現が出尽くしたこの時代に、それらの本歌取りや焼き直しを自覚している庵野秀明。観る人が観たら、エヴァにはマジンガーZやデビルマン、またウルトラマンなどを感じられる。カントクくんは、自分自身を曝け出すことがオリジナルだと分かっているから。

    特撮マニアとアニメマニアを共に抱え込むるキャパシティを持った両作品に、価値観の共有を訴えている。共有は喜び、反目は悲しみだから。

  • 借りたもの。
    『シン・ゴジラ』公開に先駆けて、『エヴァンゲリオン』の歴史と、『ゴジラ』の歴史をまとめた本。
    『ゴジラ』『エヴァ』に関する時系列はきちんとまとまっているので、考察本の入門として良い本。文庫なので読みやすい。
    その分、著者の独創性を見出すものではないかもしれない……

    ゴジラ制作秘話、「怪獣映画」というジャンルが成立していない時代のクリエイターの試行錯誤と、変容、昭和の模索が迷走になり、”大人向けから“子供だまし”になった事。
    (ここでは庵野監督を筆頭にして)先人のクリエイティブに影響を受けている現代のクリエイターという視点から、エヴァのヒットを皮切りに認知度が高まった“オタクカルチャー”総論”だった。
    インスパイア、オマージュを総称して「コピー」と解釈するのは、私は府に落ちない。
    「やおい(山なし、オチなし、意味なし)」が、救いようのないキャラクターへの、ファンからの救済措置的な動機の指摘は、核心だと思う。

    著者が”予定調和されて破壊神から守護神のようになったゴジラ”“スペクタクル(大人向け)から子供向け(露骨な教育要素)になってしまったゴジラ”を、庵野監督が初代『ゴジラ』”的”な恐怖要素をもたらしてくれるだろうという、淡い期待を込めているような節がある。

    それは『エヴァ』に(TVシリーズが予算と時間の都合上、投げやりな作品であること、旧劇場版は救いと昇華の一歩手前で頓挫する寸止め状態であったにせよ)破滅的な要素の中に淡い希望を持たせている作風、『ヱヴァ(新劇場版)』の繰り返しと微妙な変化を持たせた物語展開から、『ゴジラ』シリーズの子供だましな紋切型展開を破壊しうる可能性を持っていると考えているのかもしれない。
    『シン・ゴジラ』は初代『ゴジラ』がそうであるように、徹底した情報規制が成されていたので、この著者が執筆するにあたり、前もって『シン・ゴジラ』を観ていたとは思えないが……

    『ゴジラ』と庵野監督の繋がりを見出そうと検証している本かもしれない。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/689767

    5/22庵野秀明映画監督の誕生日に紹介。

  • ゴジラとエヴァンゲリオンの歴史的背景と真の姿が語られていた。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/689767

    2つの作品はどうやって生まれたのか。何が多くの人を魅了したのか。コアなファンだけでなく、最近エヴァにハマった!という人にも興味深い内容です。

  • ゴジラファンかつエヴァファンの自分にとってはとても楽しめた。端的にゴジラシリーズがまとめられているので、ゴジラ研究時の参考文献としても役立つだろう。エヴァについては作品解説と作者である庵野監督についての記述が半々という印象。エヴァの裏事情が詳細に書かれていて、個人的にはゴジラへ言及している部分よりもエヴァの部分の方が面白かった。

  • 以前読んだ『「ポスト宮崎駿」論』でも思ったけれど、ウンチクと分析がすごい。ゴジラはあまり接点がなかったけれど、ハマっていた人にとっては読み応えがある内容かと。そして庵野秀明氏と軸にゴジラとエヴァが絡んでくる本書の骨格がいい感じ。

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著者プロフィール

長山靖生(ながやま・やすお):1962年生まれ。評論家。鶴見大学歯学部卒業。歯学博士。開業医のかたわら、世相や風俗、サブカルチャーから歴史、思想に至るまで、幅広い著述活動を展開する。著書『日本SF精神史』(河出書房新社、日本SF大賞・星雲賞・日本推理作家協会賞)、『偽史冒険世界』(筑摩書房、大衆文学研究賞)、『帝国化する日本』(ちくま新書)、『日本回帰と文化人』(筑摩選書)、『萩尾望都がいる』(光文社新書)など多数。

「2024年 『SF少女マンガ全史 昭和黄金期を中心に』 で使われていた紹介文から引用しています。」

長山靖生の作品

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