東京都の闇を暴く (新潮新書)

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106107108

作品紹介・あらすじ

ここまで書くか!? メディア騒然! 豊洲市場、都議会のドン、巨大利権、ブラックボックス……都庁で今、何が起きているのか。現役議員が赤裸々に明かす、東京都政の「不都合な真実。

感想・レビュー・書評

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  • 2023.04.03
    部分的には良いことも言っているが、明らかな誤解もある。人はこういう本には明らかな間違いこそ印象に残す。私も然り。

  • とりあえず斜め読み。まあ、無難にまとめた内容ですかね

  • 小池百合子が東京都知事になって以来、ブラックボックス化した都政を大改革する、として立ち上げた都民ファーストの会(元)幹事長の音喜多氏の都政解説。政治に関心の薄い人たちにも読みやすい例示と丁寧な説明で、議会内幕本としてはとっつきやすい作品だと思います。

    現実には音喜多氏は小池知事の都政と国政を股にかけた行動や、不明朗な政党運営を批判して、都民ファーストの会を脱退しているので、そこに至る様々な出来事や、小池知事の現実についての続編を期待したいところ。

    いいか悪いかの評価ではなく、現実をありのままに伝えることによって、政治に対するさらなる関心を引き出すことができるのではないだろうか。

  • 分かりやすく東京都の行政や都庁の現状を紹介し、改革への意欲が感じられる

  • 流行に乗りたいヤツ?

  • ブログの勢いそのままに、都政・都議会の姿を明解に解説した本。

    文章が上手なので、読みやすい。

    組織や役職の力関係・役割を構造的に捉えることができた。マスメディアの報道は断片的だったり、センセーショナルな部分が協調されてしまったりする傾向にあるので、受け取った情報を「ヒドイ」「おかしい」と直感的に感想を抱いてしまうことが多いが、裏の構造が分かっていると、それをもう少し冷静に客観的に見ることができるんじゃないかと思う。

    異端児的に痛快に批判的に情報を発信して評価や信頼を勝ち取ってきた筆者だったが、今回の選挙で与党になって、今後は実行し結果を出す側になってより難易度の高い立場になったと思うが、引き続き頑張ってほしい。

  • 今や有名人となった著者のブログの読者には良く知られた内容だが、改めてまとめて読むと東京都庁の特殊な状況が良くわかる。

    今回の都議選を経て、変わっていくのか。

  • 再び東京都民になって、もうすぐ都議選だしっていうので、これ読んで闇をお勉強。
    とりあえず、都議のお仕事と今の問題の根源ってなんなのかということは理解。
    でも、今度の選挙は投票できないんだよね。俺。

  • 【感想】
    都議会のドンがいかにして生まれるのか。そこには地方議会ならではの構造的な問題が潜んでおり、単に内田氏が去ったからといって、解決する問題ではないことがわかった。
    また、東京都の潤沢な財政状況が改革への問題意識と危機感を生み出さないというのは納得できた。

    【インプット】
    1 自民党都連・都議会のドンはなぜこれほど力を持っているのか。
    ・都連幹事長ののポジションには、都議会議員が就く。
    ・幹事長は、政治家たちの人事権・公認権を持つ。中選挙区制の都議会選挙では、自民党の公認を得られるかどうかが選挙の当落を左右する。
    ・財政状況が豊かである東京都では、政策実現力が高い。支援者の陳情・要請は国会議員よりも都議会議員へと集中していく。
    ・選挙によってコロコロ代わる知事が「思いつき」で大なたを振るう場合にも、都職員から都議会のドンに頼むことで議会の力を用いてある種の暴走を止めることができていた。その結果、知事以上に長年わたり影響力を堅持することとなった。

    2 選挙に必要な「3バン」
    「地盤」…地元での人脈や強い後援組織
    「看板」…政党からの公認
    「鞄」…どれだけ資金をつぎこめるか

    3 都政の変革可能性の高さについて
    ・日本で最も若者が多い街である。
    ・トータル13兆円もの予算があり、政策実現可能性が高い。

    4 広域自治体と基礎自治体の役割分担について
    ・行政サービスの「利用者の存在範囲」によって、役割を分担する。
    ・「道路・上下水道、建設物などのインフラ」…大きな範囲で計画建設した方が合理的
    ・「コンサートホールや大型の商業施設」…利用者が近隣住民だけとは限らない。
    ・「警察・消防」…範囲を広くとって、情報共有をした方が効率的。
    ・「小中学校・保育所」…「通える範囲」が決まっているサービスは、住民との距離が近い基礎自治体が担う。

    5 都議会の後進性の理由
    ・「改革先進都市」ほど、長期にわたる厳しい財政状況にある。財政が苦しくなって初めて、行政改革(情報公開・無駄の削減)が進む。
    ・東京都は財政危機ではなく、「うまくいっている」。結果あぐらをかき、余計な情報が外に漏れることを嫌う。

    6 都庁の縦割りについて
    ・「ホームページ運営」について。通常、普通の企業であれば、会社のHPは一元管理されており、営業部とマーケティング部が違うHPを運営していることはありえない。都庁は局ごとにHPを作っており、その仕様もデザインもバラバラ。それぞれが別のサーバーと契約し製作も別々のクライアントに発注している(経費の無駄)。

    7 予算の執行率について
    ・予算がどれほど使われたかを表す数値。執行率が低ければ、「なぜ余ったのか」、「予算設定が甘かったのか」等強く責められる。その結果、次年度からは予算を減らそうということになる。この結果、公務員組織には支出削減へのインセンティブが一切働かなくなる。(「年末の道路工事」に象徴される。)

    8 知事の二つの顔について
    ・選挙で選ばれた「政治家」としての顔。「民意」を用いて、行財政改革を断行し、税金の無駄遣いをチェックし、諫めていかなければならない。(パフォーマンスになりがち)
    ・「行政府の長」としての顔。職員たちのリーダーとしてビジョンを示し、規律を守りながらモチベーションを高く維持し、組織運営をしていく必要がある。
    ・二つの顔は相反する。このバランスをとることが難しい。これが知事の力量を決める。

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著者プロフィール

1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。

「2022年 『日本沈没を食い止めろ!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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