- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784106107184
作品紹介・あらすじ
名コンビによる、幻の「超ジャズ論」! 時代、青春、人生、音楽――演奏家と批評家として、終生無二の友として、日本のジャズ界を牽引してきた二人による、白熱の未公開トーク・セッション!!
感想・レビュー・書評
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本書のなかで相倉氏が「(ジャズは)『分かる』『分からない』から入ろうとする人には楽しめない音楽」だと言っているが、私はまさにそれ。スタンダードナンバーにはいいなあと思う曲があるけれど(「テイクファイブ」なんか実にかっこいいと思う)、フリージャズとかは全然「分からない」。
だから、お二人の話がどんどん進んでいって、第Ⅲ章第Ⅳ章あたりで「ジャズという表現」についての突っ込んだ話題に入っていくと、ほとんどチンプンカンプン、ああもったいない、これがわかればさぞ面白かろうにと残念至極であった。
しかしまあ、半ば過ぎまでは、主に山下洋輔の歩みを相倉氏がきくという感じの内容で、ここが実に楽しい。山下氏の履歴はなんとなく知っていたけれど、ここではかなり詳しく語られている。疎開先の田舎のこと、クラシックピアノやヴァイオリンを習っていたときのこと、麻布中高時代、バンドのバイト、大学時代、プロになるきっかけなどなど、興味深いエピソードが山盛り。
なかでも面白いのが、やはり60年代のこと。銀巴里、風月堂、新宿ピットイン…、ほとんど「伝説」となっている場所だが、そこをリアルに生きてきた方たちの語りは、さりげないのに凄味がある。こういうのを読むと時々思うのだが、あの時代の東京に生まれたかったよ。
山下洋輔「ピアニストを笑え!」シリーズは、私としては「村上朝日堂」シリーズと並ぶエッセイの傑作。どこか新装版を出してくれないものか。 -
相倉さんが亡くなって2年後に出た。もっと早くてもよかった気がするけど。
山下洋輔さんは相変わらず相倉さんを慕っている様子がわかったし、山下洋輔さんの歴史もわかり、Jazzの(フリージャズへの)歴史もわかるというなんかお得な本。 -
相倉さんのジャズについての凄い知識と山下洋輔のプレイヤーとしての実績が,対談の中でいくもの火花を発している.出てくるジャズプレイヤーの名前はほぼ既知であったことから,非常に楽しく読めた.フリージャズのリーダーとしての山下洋輔が,素晴らしい音楽環境の下で育ち,その素養を異色の方向で発展させた過程が隈なく描写されていると感じた.
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ほぼ、日本戦後のジャズ史
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山下洋輔と相倉久人のトーク・セッション。
ピアニストとしての山下の足跡をたどりつつ、演奏者と聴き手双方の視点から音楽について語り合ったもの。
これからも、もっともっと音楽を聴かなくてはと思った。 -
今なお一線で活躍するジャズ・ピアニストをデビュー当時から知る音楽評論家による対談をまとめたもの。話題がマニアック過ぎる。
「村上朝日堂」とは全然テイストが違いますが、語り口が好きです。「ジャズ者」らしいフリーな感じと、落語好きな江戸っ子的感覚の交じり合ったちょっとほかにない文章なんですよね。私もジャズはほとんど知りませんが、これは楽しめました。