- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784106107542
感想・レビュー・書評
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読了。凄い本である。希望が見える本。
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前作から文章を読む限り著者はすっかり回復してジャーナリストに復帰したのかと思っていたら、取材記者は引退して漫画の原作や記事の執筆など書く方に専念しているのだと知る。免許センターに電話して簡単な質問をするだけのシーン、地味に書かれているが感動。電話が終わって妻のところに行き「電話もして会話ができたよ〜、こうやっていろいろなことができるようになるのかなー?」と泣きながら報告する。妻は素晴らしい理解者。自身も発達障害で若い頃は家出したりしていたが、著者の病気に動じることなく、言葉を発せずミャーミャー言うしかないパニック状態の夫を楽しそうに面倒見る。
企業でも分業をすれば、脳コワさんでも働ける、はなかなか説得力がある。飛び込み営業ができる人がルート営業までして時間を使う必要はない、から始まり機能的に分業して脳コワさんが活躍する社会は強い社会なのではないか。 -
脳障害は脳のスピードが遅くなるという推理には納得した。スピードが遅いので処理能力も落ちる。そして、処理が増えると能力が追い付かなくてフリーズする。これが、パニックの原因だ。脳をパソコンのCPUと考えればいいのだ。
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脳については、わからない事が多い。
高次機能障害を負った著者による本。
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脳梗塞による高次脳機能障害の当事者による、回復(筆者曰く95%までの回復)までの貴重な体験記。置かれた状況は深刻なのだが、一つ一つの症状に対する奥様の絶妙なネーミングに、ちょっと笑ってしまう。
具体的に事例が書かれているので、「そうか、当事者の心のうちはこんな状態なのか」と思うことしきり。
『その人が苦しいって言ってたら、苦しいんです!』という最期の一言を忘れないようにしよう。 -
41歳で脳梗塞を発症。リハビリを重ね、日常生活に復帰した「僕」を待っていたのは「高次脳機能障害」の世界だった!小銭が数えられない、「おっぱい」から視線が外せない、人混みを歩けない、会話が出来ない、イライラから抜け出せないの「出来ないこと」だらけに加えて、夜泣き、号泣の日々。『脳が壊れた』から2年、著者はいかにして飛躍的な回復を遂げたのか。当事者、家族、医療関係者、必読の書。(袖)
言葉はわざと軽くしているように感じましたが、内容は重いです。
述べられている要望に応えられるかというと、現状、自身、難しい。
ただ、せめても心に余裕をもち、向き合いたいと思いました。 -
高次脳機能障害から回復した著者の貴重なルポ。これほど詳細かつ具体的なルポは他にないのでは?脳梗塞だけでなく、他の脳障害とも共通する症状も多く、非常に勉強になる。
全国の高次脳機能障害者数は約50万人といわれているが、著者が指摘するように当事者研究が一向に進んでおらず、医者がトンチンカンな回答しかできない現状では、かなりの不満が渦巻いているのではないかと危惧する。 -
『脳が壊れた』の続編。頭が働いていないように側から見えても、当事者はいっぱいいっぱいでフリーズしてる、というのは、わかっていてもなかなか上手く対応してあげられなさそう…、ってか、相手が自分が思っても見ない困り方をしてる場合がある、ということにまず気づくことからなのかも。