- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784106107917
作品紹介・あらすじ
日本人だけが知らない「第二のシリコンバレー」! 年に一〇〇〇社が起業、米国に次ぐイノベーション大国となったイスラエルに巨額のマネーが流れ込む。急接近する中国とドイツ――日本の危機とビジネスチャンスとは?!
感想・レビュー・書評
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イスラエルとロシア、イスラエルとドイツ、中国の関係性が学べた。まだまだ知らない事が多いが、そうした事を一つ一つ偶発的に学んでいくのは楽しい。
イスラエルがイノベーション大国になる上で重要だったのは、1991年のソ連崩壊。ソ連ではユダヤ人差別がはびこっていたため、多くのユダヤ人が出国を希望していたが、ソ連政府は許可していなかった。ゴルバチョフ共産党書記長に就任し、出国規制が緩和された。その後ソ連が解体されると、堰を切ったように多くのユダヤ人がイスラエルに移住した。ロシア通の佐藤優がイスラエルのモサドとパイプを持つのもこうした経緯があるからか。
イスラエル建国の父である初代首相ダビットベングリオンは中華人民共和国政府を正当な政府として極めて早い段階で承認している。これは中東諸国の中で最も早い。中国とインドの建国に強い関心を見せていた。ドイツはドイツで、ホロコーストやユダヤ人迫害の歴史を謝罪し続け、イスラエルと良好な関係を再構築している。
こうした関係性の解説だけではなく、本題はイスラエルのイノベーションの凄さだ。イスラエルの国防軍である通信諜報の8200部隊が同国のスタートアップ企業を生み出す源泉になっている。
アメリカのインテルがイスラエルのモービルアイを買収。モービルアイはスタートアップ企業で、自動運転に不可欠なテクノロジーをリードしている。高度ドライバー支援システム(ADAS)の中核となる画像情報処理システムのパイオニア。イスラエルのスタートアップ、アーバンエアロノーティクスは、空飛ぶ自動車を開発している。
こうした読書の私の楽しみ方は、YouTubeでスタートアップ企業を検索する事。そうすると、空飛ぶ車の最新製品が動画で見れたりする。これは、テクノロジー本を読む上でオススメである。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
イスラエルと各国がどのように関係構築しイノベーションを起こしているかが読み取れた
2018年とやや古新聞になっているので、最新の状況を知りたいと思ったし、もっと世界情勢に目を向けたいと思う。いつか行ってみたい国のひとつになった。 -
頷けるのは、海外ニュースに触れる機会がないってとこだな
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著者の熊谷氏は元NHKでいまはドイツに在住している方です。twitterをみたら典型的なジャーナリスト特権階級的な人で、典型的なドイツ出羽守です。
本の内容で、恩讐を超えての3章なんかは、ぶっちゃけ戦後賠償が云々とか70年以上経ってるのにいってる国内の人たちと変わらない内容でした。
イスラエルに関する情報は有意義ですが、ドイツとイスラエルの関係が深く、ドイツにいる俺は正しいという自慢的な要素も感じました。 -
スタートアップ大国イスラエルのの現状と背景を知るために、第1章と第2章はとても参考になる。
但し、筆者はイスラエルではなくドイツの専門家であり、第3章以降は、ドイツとイスラエルの政治関係や中国のドイツ進出など、イスラエルのベンチャーとほとんど関係のないページの水増しが目立つ。 -
東2法経図・6F開架:335.22A/Ku33i//K
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イスラエルのテルアビブが第2のシリコンバレーとして脚光を浴びていると初めて知った。軍がIT技術者の養成場として機能しているとは、さすが敵国に囲まれたイスラエルらしい独特の環境のなせることだと感心した。
また、米国のトランプ大統領がエルサレムを首都として承認する背景として、中国やドイツの存在があったとは。大変勉強になる一冊だった。 -
国土が肥沃でない国は、人間で勝負する。自分自身以外は信用しない徹底さがすごい。
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ドイツウォッチャーの著者が、イノベーション大国、イスラエルの姿を概観した書。
周辺国、地域との戦争やテロのリスクに対応するために保持されている高い軍事・諜報技術に加え、「約2000年にわたり歴史の荒波にもまれた経験に基づく楽観主義と不屈の精神、型破りの発想を促す教育法、横柄なまでに権威を恐れない態度、移民国家のダイナミズム、そして失敗を恥と考えずに繰り返しチャレンジする精神も、この小国が世界有数のイノベーション大国になった重要な理由」。
以前に読んだイスラエル本で知っていた内容が多かった(むしろあちらの本の方が詳しかった)のでちょっと残念。もう少し突っ込んだ分析が欲しかったなあ。
ただ、ドイツや中国がイスラエル企業に盛んに投資・買収して、経済的な繋がりを深めていること、イスラエルが欧米一辺倒でなくアジア地域との繋がりを深めようとしていることなど、最近の動動向がわかった点は、読んで良かった。 -
気になった!
日経新聞広告 2018.11.25.