もっと言ってはいけない (新潮新書)

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  • / ISBN・EAN: 9784106107993

感想・レビュー・書評

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  • 自己家畜化 P.212

    P.30 社会に適応できない国民→ポピュリズム→社会混乱
    知識社会の経済格差=知能の格差

    共有環境と非共有環境
    ゲイ遺伝子
    同性愛者男性の母方の親族だけに多産の傾向

    統計的実在

    遺伝学的なアフリカ系統とユーラシア系統の二分化
    人種は存在しない

    宗教改革
    阿部謹也「居酒屋学習」

    速水融「勤勉革命」
    東アジアの稲作型ムラ社会→複雑な人間関係が強い淘汰圧→対処できるコミュ力が選好

    アシュナージ系ユダヤ人

    P.174

    日本に華僑財閥はなぜないのか?

    P.236

  • 再読。
    DNA(遺伝子)解析の成果をポリティカル・コレクトネスの配慮無しに著者なりに整理した本。「もしそれが不愉快に感じられたなら、知識社会そのものが不愉快で残酷なのだ」

    人種とは、ある母集団内でしか交配してこなかった結果、他の集団と区別できる遺伝的傾向を持った集団。歴史的に、偶然や環境要因から「交雑」が多い集団と少ない集団があって、少ない集団ほど特徴的な傾向が際立つ。ふむふむ。
    歴史的には、戦争(侵略)が「交雑」を進めてきたんだろう。グローバル化も「交雑」を促進する機会だとすれば、人種をよりどころにしてる国家や集団は反対するよね。それに反発して民族浄化のようなことをロシアが今やってるんだろうか。

    著者が言う真実を知ったうえで社会制度や政策を議論しようよって態度は、理系としては首肯できる。でも、文脈を高度に読む人種だから、雰囲気・感情に流されるから難しいんだろうなあ。

    あと、遺伝的に変えられない事実も多々あるけど、逆に変えられる余地も少しはあるよねって事実もあるわけだから、0か100かじゃなくて自分をあきらめずに頑張ろうかなと思う。

  • おそらくは、非常に読みやすい本になっていると思う。しかし、四割位しか理解出来ない。
    『知能』が足らないのだろう……非常に残念だ。
    『現在』『知識社会』に適合した人間に産まれたかった。
    全く関係ないがこのアプリ検索能力が低いように思う

  • 勉強になることは多かった。人種とか知能とか
    タブー視されてることをズバズバ書いてる。

  • 本要約チャンネル

    差別とは証拠によって合理的に説明できないこと
    差別とは何か正しく理解して、初めて差別をなくすという道徳的な行為ができる

    統計的事実と定義の区別
    ×知能は遺伝によって決まっている
    ×喫煙者はがんになる
    因果律でしか理解できず無意識に原因と結果の関係を探してしまう
    不愉快な統計的事実を定義と混同し、それを否定するために経験的事実をブラックスワンとして持ち出す

  • 先だって評価を辛くしたから、結果として初の1つ☆。なのでワーストって訳ではない。でも好きじゃないし全然楽しめなかったのは間違いなくて、前作、それなりに面白かった気がするというのは単なる勘違いか。でもその前作でも指摘した、参考文献に対する不満は、本作でも改善無し。更にはIQのみに価値観を置く論点も受け入れ難い。ホントしんどくて、後半は殆ど読み流し。仮に続編・”もっともっと~”が出て、たとえそれが凄い評判になったとしても、もう手には取らない。

  • 新書大賞受賞の「言ってはいけない」の続編?で、こちらでは日本人が「自己家畜化」された民族であることを説明する。その過程で知能と遺伝の「もっと言ってはいけない」話、出るは出るは・・・衝撃的な内容の故に、著者のエビデンスに拘った姿勢が印象的。問題は「事実」を突きつけられた読者の方にあるでしょう。必読の書。以下、目次(ネタバレあり)。
    <まえがき 日本人は世界でもっとも「自己家畜化」された特別な民族>
    <プロローグ 日本語の読めない大人たち>
    日本人の3分の1は日本語が読めない?
    先進国の成人の半分はかんたんな文章が読めない
    無意識は高い知能をもっている
    知能とポピュリズム
    知識社会に適応できるのは1割強
    <1 「人種と知能」を語る前に述べておくべきいくつかのこと>
    なぜ知能が問題になるのか?:善悪二元論の平板な世界しか理解できない人々の存在
    →知識社会における経済格差=知能の格差
    統計的事実とブラックスワン:統計的事実は外れ値で否定できない
    差別とは合理的に説明できないこと
    遺伝率と遺伝決定論
    同性愛は生得的なものか?
    「ゲイ遺伝子」の発見
    同性愛はなぜ自然選択されたのか?:魅力を上げる遺伝子→子だくさん
    リベラルな社会ほど遺伝率が上がる:環境因子が減少するため
    <2 一般知能と人種差別>
    白人と黒人のIQのちがい
    レイシストは誰か?
    捏造された知能のデータ
    一般知能は「統計的実在」
    IQの高い黒人の子どもたち
    年齢とともに遺伝率は上がる
    教育への投資効果は年率10%?
    教育無償化は社会的弱者の子どもたちへ
    お金を渡せば教育効果は高まるのか?
    先進国の知能は低下しはじめている
    極端な男の知能、平均的な女の知能
    知能とは知能テストが測ったもの
    <3 人種と大陸系統>
    すべてのヨーロッパ人の祖先
    私もあなたも「天皇家の遠縁」
    犬種を論じるのはイヌ差別?
    人種は社会的構築物
    人類はかつて水生生活していた?
    赤ちゃんはなぜ泳げるのか?
    サピエンスの誕生は77万~55万年前
    覆される通説
    サピエンスはユーラシアで誕生した:一度アフリカに渡って再度「出アフリカ」
    ネアンデルタール人になにが起こったか?
    「出アフリカ」はわずか1000人?
    ヒトの「進化」は加速している
    遺伝と文化は「共進化」する
    <4 国別知能指数の衝撃>
    アボリジニのIQは高い
    学力ランキングはよくてIQランキングは差別?
    知能の基準はサン人
    寒冷地への移住で知能が上がる
    ヨーロッパはなぜ北にいくほどIQが高いのか?
    宗教改革と知能
    科挙が東アジア系の知能を上げた?
    稲作というイノベーション
    産業革命と勤勉革命
    アメリカ黒人の知能は高い
    ユダヤ人の知能は高くない?
    パレスティナ人はイスラームに改宗したユダヤ人
    キリスト教の誕生とユダヤ人の知能
    差別から生まれた「高知能集団」
    バラモンの知能
    ヨーロッパ人とインド人は同祖集団
    言語的知能が低いと保守的になる?
    知能の高い国はリベラルになる?
    制度決定論は「空白の石版」
    <5 「自己家畜化」という革命>
    成功した日本人移民
    生き延びるために賭けるもの
    日本にはなぜ華僑財閥がないのか?
    「遺伝決定論」を否定したヒトラー
    弥生人の“ジェノサイド”
    「下戸遺伝子」でわかる弥生と縄文の遺伝分布
    アメリカ社会でもっとも成功したアジア系移民
    アファーマティブ・アクションで「差別」されるアジア系
    アジア系は内向型人間
    ペットになったキツネ
    石槍という「大量破壊兵器」→クリストファー・ボームの「自己家畜化」論へ
    道徳の起源は相互監視;娯楽快楽としての「正義」
    農耕という第二の「自己家畜化」:攻撃的人間の排除
    チワワとドーベルマン:家畜と野生→優劣の問題では無く適応の問題
    <6 「置かれた場所」で咲く不幸――ひ弱なラン>
    高い所得をもたらす性格とは?:真面目で明るく、落ち着いている
    内向的な脳と外向的な脳:扁桃体の感度の違い
    セロトニンとうつ病:セロトニン・トランスポーターの遺伝子型との関与
    楽観的な脳・悲観的な脳
    敏感と鈍感の進化論
    日本のリベラルは睾丸が小さい?
    なぜ日本人は子どもとまちがえられるのか?:ネオテニーとの関連
    日本人は「ひ弱なラン」
    咲ける場所に移りなさい
    <あとがき>
    筆者の立場が「リベラル」と知って一安心。

  • 前作と比較すると、エビデンスが十分ではないが、ここのように著者としてはこのように考えるという、推論を述べる部分が多い。
    大胆に思える推論も多く、エピソードの面白さは前作を上回る。
    最後には、遺伝学に考察した日本人と日本社会のあり方が展開され、それを踏まえた生き方について、著者なりのエール、助言が与えられる。著名人と自死と思われる報道を耳にした直後に読破したため、この部分が、特に印象に残りました。

  • 遺伝について取りあげ、前作よりも特に人種について深掘りして書かれていました。

    社会に適応していくため、私たちが進化してきたことを世界史を交えて話されていました。

    日本人にうつ病になりやすいのも稲作を集団で行うムラ社会に適応するため、変化や刺激に敏感になるよう進化したということには驚きました。

  • 世界の本質に迫っているような気がしました。
    政治立場、生き方を初めとする「わたし」を作り出す本質について学びたくなる本でした。

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著者プロフィール

2002年、金融小説『マネーロンダリング』(幻冬舎文庫)でデビュー。著書に『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』(幻冬舎)、『日本の国家破産に備える資産防衛マニュアル』『橘玲の中国私論』(以上ダイヤモンド社)『「言ってはいけない? --残酷すぎる真実』(新潮新書)などがある。メルマガ『世の中の仕組みと人生のデザイン』配信など精力的に活動の場を広げている。

「2023年 『シンプルで合理的な人生設計』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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