世帯年収1000万円:「勝ち組」家庭の残酷な真実 (新潮新書 1020)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106110207

作品紹介・あらすじ

タワマンに住んで外車に乗る人まで国が支援するのか――所得制限撤廃の話になると、きまってこんな批判がわき起きる。だが、当事者の実感は今やこの言葉とはかけ離れている。かつて〝勝ち組〟の代名詞でもあった「年収1000万円」世帯は、不動産価格の高騰、実質賃金の低下、共働きで子育てに追われる夫婦の増加などによって、ギリギリの生活設計を迫られているのだ。様変わりした中流上位層のリアルを徹底分析。

感想・レビュー・書評

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  • 色んな物の値段が上がっているからねぇ。
    家の価値も上がっているので、
    喜んで売ったところで
    周りも値段上がっているので
    そもそも買えるところがない。
    やはり弱小投資家はコツコツ長期です。

  • 豊富なデータとアニメキャラクターを用いた家計シミュレーションが面白く、特に「クレヨンしんちゃん」、「サザエさん」、「ちびまる子ちゃん」の家族を比較した部分が秀逸であった。年収1000万円の家庭の実態が詳しく解説されており、教育費や住宅費の実情に共感しやすい。解決策の提示もあり、共働き家庭に特におすすめの内容だった。

  • 〈本来、ある人が「裕福かどうか」は主観的、かつ曖昧なもので、
    論じること自体が不毛である気もします。
    しかし、もし「年収1000万円は裕福か」という問いに
    何らかの解が求められるのだとしたら、
    少なくとも子育て世帯においては、今の年収1000万円は
    ごく基本的な生活には事欠かないレベルであっても、
    「勝ち組」というイメージはもはや虚像に過ぎないというのが、
    筆者なりの見解です〉

    そしてその原因は税と社会保険料の負担増に加え、
    不動産価格の高騰、賃金が上がらない中での物価上昇、
    少子化ゆえの教育競争の激化など、
    個人の努力ではどうにもならないことも多いのが現実
    と筆者加藤梨里さんは言います。

    〈世帯年収1000万円以上の共働き夫婦は、
    情報感度や購買力の高さから
    「パワーカップル」と呼ばれることがあります。
    「パワーカップル」という言葉からは、
    気力・体力に溢れた、金銭的にも精神的にも
    余裕のある共働き夫婦の姿が浮かびますが、
    当事者に聞くと、その実態は
    言葉が持つイメージとは懸け離れているといいます〉

    私が興味深く読んだのは「教育費」のところです。
    世の中、子どもが減り、空き店舗が増えているなかで
    塾がどんどん増えているのが不思議でした。

    入試の難易度も費用感も、
    すでに以前とは別のステージにきているという前提を
    理解して臨む必要があるそうです。

    『二月の勝者ー絶対合格の教室ー』は面白かった。
    「父親の経済力と母親の狂気」のセリフで話題になったドラマです。

    教育ジャーナリストのおおたとしまさ氏が
    「中学受験は、わざわざ大金を払って親の不安を買う経験だ」
    と述べていたそうです。
    膨大な費用と時間、
    そして狂気にも似た熱量を投下して、
    心臓が破れそうなほどの不安を経験する意義は、
    当事者以外にはなかなか理解できないことかもしれない、
    と加藤さん。

    年収500万円以下の親なら、
    教育にそんなお金をかける発想はないでしょう?
    1000万円はいるから
    「教育にお金をかける」という選択肢ができて、
    「よし、子どものために頑張ろう」という夫婦が
    次々誕生するのではないかと思いました。

    そういう皆さんのために「第五章お金の育て方」は
    参考になるのではないでしょうか。

    頑張ってください。
    そして将来、日本や世界を良くしていく人材を
    ぜひ育ててほしいと思います。

  • 世の中では一般的に裕福とイメージされる「年収1000万円」世帯

    イメージ通りほんとうにゆとりがあるかどうか、子育て世帯の住居費・教育費・生活費を中心に人生を通したお金の流れをファイナンシャルプランナーがシミュレーションする

    「クレヨンしんちゃん」「サザエさん」「ちびまる子ちゃん」などおなじみのアニメキャラクター家族をモデルに、家族構成、居住地域、子どもの進路を変えて試算した結果、果たして……

    《様変わりした中流上位層のリアルを徹底分析》──カバー袖の紹介文

    子育て世帯が家計管理や進路の見通しをたてる参考に

    副題は〈「勝ち組」家庭の残酷な真実〉

  • 世帯収入が1000万と聞けば「勝ち組」と思ってしまうのだが実態は非常に厳しい。
    異次元の少子化対策というならこの世帯に目を向けなければならない。

  • 特に気づいたことはない。世帯年収1000万円なんて 共働きが主流の今珍しいことでも勝ち組でもない。むしろこの物価高騰下で専業主婦という選択をする勇気のほうがすごい。女性活躍という言葉に翻弄されながら育児、家事、仕事で時間貧乏になり保育料も最上位の金額を納め悶々としている自分としても、本書の内容はただただ現実が書かれていた。

    こういう実態を知ってもらって、どういう未来にすべきという見解は特になし。個人で資産運用などして工夫すべしってことぐらい常識。

    私は子供は公立で大学だけ私立で良いと思っている。いくらお受験したって本人の意思とか地頭が良くないとね、、、。塾や私立に大金を支払うくらいなら、毎日魚を食べさせてオメガ3脂肪酸で地頭を良くしつつ欲しい本を欲しいだけ与えるべきだというのが私の方針。新しいことは特に学べなかった。

  • 子育て世帯に焦点を当て、年収1千万世帯の絨毯・教育・生活費用を概観する。家族構成、居住地域、子どもの進路とお金の流れを3パターンでシュミレーションし、もはや勝ち組・裕福とはいえない実情を示す。

    生涯収支としてグラフ化されると、子どもの数、特に大学進学費用の負担の大きさがわかります。地方は生活費が安いと思っていたら、自宅外通学が落とし穴とは。

  • 東2法経図・6F開架:365.4A/Ka86s//K

  • 「年収倍率」物件価格に対する世帯年収の比率は、中古住宅では6倍弱、新築住宅では7倍前後


    国民的キャラクターで試算したのはおもしろいが、グラフ比較しづらい(同じメモリで同じページに並べて欲しかった)

  • 世に広まってほしい。

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