モフモフはなぜ可愛いのか:動物行動学でヒトを解き明かす (新潮新書 1032)

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106110320

感想・レビュー・書評

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  • 最近かなり新書を読んでいるような気がする
    そしていわゆる「当たり」が多いような気がする

    それは何故かと言えば、理由は「タイトル」にあることが明確である

    これは書評家の三宅香帆さんが仰っていたことだが、新書に多い実用書やビジネス書のタイトルにはそのものズバリというタイトルが多い
    これは売るための戦略なのだという
    一般に「小説」を買うときに何を指針にするかというと、ほとんどの人が作家さんなのだそう
    「好きな作家さんは無条件に買う」という購買行動だ
    ベストセラー作家さんは黙ってても売れる

    それに対して新書はというと、小林朋道さん?誰やねん?である
    そこで『モフモフはなぜ可愛いのか』である
    それはもう読む
    だって知りたいもの
    モフモフ可愛いもの

    このように内容に直結したタイトルによって、もともと興味のある内容(と思われる)の新書を選んでいるので「当たり」が多いのだと思われる

    さて、いよいよ本作のレビューである

    長年、様々な野生動物の行動と習性を研究してきた著者が、SNS上で「ヒトという動物」についての疑問を聞いたところ、硬軟とりまぜて質問が殺到。本書では、その中から厳選した13の問いに対して、動物行動学の知見をもとに鮮やかに回答する。ホモサピエンスに特異的な行動の数々から、人間の本性を解き明かす(カバーそでより)

    そしてその13の質問とは以下

    1 親しい友人と会った時、とび跳ねたりするのはなぜか?
    2 ヒトはなぜ「怖いもの」を見たがるのか?
    3 子どもがやる「地団駄を踏む」動作は本能か?
    4 「血のつながり」の正体とは? そして「自爆テロ」との関連は?
    5 「思い込み」はなぜ起こるのか?
    6 ヒトは現在も進化しているのか?
    7 寄生虫はどのようにして人間を操るか。そして遺伝子とは何か?
    8 ヒトにとって「音楽」とは何なのか?
    9 赤ん坊の黄昏泣きはなぜ起きるのか?
    10 他人の口調やしぐさがうつってしまうのはなぜか?
    11 なぜヒトは「いじめ」を行うのか? それをなくす方法は?
    12 モフモフはなぜ可愛いのか?
    13 赤ん坊に声をかけるとき声が高くなるのはなぜか?

    どれも、興味深い問である
    これらの質問に動物行動学の見地から仮説も交えて答えていくわけだが、動物行動学とはざっくり言ってしまうと、自らの「生存・繁殖」のために遺伝子にプログラムされている行動がどういったかたちで現れているかを考察する学問と言える

    つまり、ヒトがこういう行動(あるいは感情)を自然にする(あるいは持つ)のは、こういう理由で自らの「生存・繁殖」に繫がっているんだよ!というわけである

    例えば「1.親しい友人と会った時、とび跳ねたりするのはなぜか?」に対する答えはこうだ
    集団の中で自分に間違いなく味方してくれる人(親友)がいることは自らの「生存・繁殖」にとって有利に働くので、なるべくその関係を維持しようとする
    そのためにあなたに会えて「うれしい」ということを分かりやすくアピールするために脳が勝手にそういう行動を取るというのだ

    どうだろう?

    少なくとも私はなるほどと思い、楽しく読むことが出来た

    さて、みなさんの一番の興味もやはり『モフモフはなぜ可愛いのか』ではないだろうか
    しかしその答えをここで書くのは野暮というものだ
    ぜひみなさん自身で確認してほしい

    そしてお気付きだろうか?

    ものすごいちゃんとしたレビューじゃね?やろうと思えばできるんじゃね?
    もちろんこれはたまにちゃんとしたレビューを書くことで自らの「生存・繁殖」に有利に働くと脳が勝手に判断した結果であるのは言うまでもない

    • アールグレイさん
      あのアイコンですけど・・・・
      イマイチでしょう!そして、やはりひまさんらしいレビューとは、真面目過ぎてはいけないのでしょう!
      あのアイコンですけど・・・・
      イマイチでしょう!そして、やはりひまさんらしいレビューとは、真面目過ぎてはいけないのでしょう!
      2024/03/29
    • ひまわりめろんさん
      ガーン_| ̄|○ il||li
      ガーン_| ̄|○ il||li
      2024/03/29
    • 1Q84O1さん
      ね!
      言ったとおりでしょ!w
      ね!
      言ったとおりでしょ!w
      2024/03/29
  • モフモフという言葉に惹かれて読みましたが、タイトルにもある通り動物行動学です。
    13のクエスチョンを解いていくもので、どれも面白かった。

  • 「ヒトとしての行動」に関する質問を、著者の
    動物行動学の知見をもとに検証し、仮説し、回答する。
    ・はじめに
    1 親しい友人と会った時、とび跳ねたりするのはなぜか?
    2 ヒトはなぜ「怖いもの」を見たがるのか?
    3 子どもがやる「地団駄を踏む」動作は本能か?
    4 「血のつながり」の正体とは?そして「自爆テロ」との関連は?
    5 「思い込み」はなぜ起こるのか?
    6 ヒトは現在も進化しtりるのか?
    7 寄生虫はどのようにしてヒトを操るか。そして遺伝子とは?
    8 ヒトにとって「音楽」とは何なのか?
    9 赤ん坊の黄昏泣きはなぜ起きるのか?
    10 他人の口調やしぐさがうつってしまうのはなぜか?
    11 なぜヒトは「いじめ」を行うなか?それをなくす方法は?
    12 モフモフはなぜ可愛いのか?
    13 赤ん坊に声をかけるとき声が高くなるのはなぜか?
    ・おわりに

    解き明かすのは、築地書館“先生、~”シリーズの小林先生。
    動物行動学からすれば、質問への回答は、ほとんどが
    生存と繁殖や遺伝子に関わる行動と考察し、仮説しています。
    考えてみれば、ヒトもホモサピエンスという生物だから、
    他の生物同様、その行動は生存や繁殖の一端。
    ならば、つまりハリガネムシをキモっと思っちゃうのも、
    生存や繁殖に関わっていることになるんだな。
    怖いもの見たさだし。というか、ミトコンドリアや遺伝子も
    寄生虫な存在ってことには驚きました。う~む。
    全体的に真面目に論じられていましたが、
    動物関係の話になると、あ~小林先生だなぁと、安心しました。

  • タイトルに「確かに可愛いと感じてしまう。それはなぜなんだ?」と無性にその理由が知りたくなった。タイトル含め気になる「なぜ」が13個、解明するために読みたい

    #モフモフはなぜ可愛いのか
    #小林朋道
    24/2/17出版

    #読書好きな人と繋がりたい
    #読書
    #本好き
    #読みたい本

    https://amzn.to/3T2oaf0

  • 公立鳥取環境大学の副学長であり環境学部環境学科教授である小林朋道先生がSNSで「ヒトについて日ごろから疑問に感じていること」を募集し、質問の中から13個に絞り動物行動学に立脚して回答していくという内容の本。

    どの質問も興味深いし、直接小林先生から話を聞いているようで、中・高生でも読めるほど分かりやすい。

    多くの方に読まれたら第二弾も書くらしい。是非とも第二弾が読みたいので、みなさんにも読んでほしい。
    さらっと楽しく読める本だと思う。

  • タイトルに惹かれて、すぐポチってしまった。一般の方の質問に答えていくスタイルで話は進む。どれもこれも気になる内容でおもしろかった。ただ、最終的には、「種の保存のため」という理由に収束してしまうのが、仕方ないが面白みにかけた。しかし、様々な分野の本に手を出してみることは視野を広げる上でプラスであろう。

  • <目次>
    第1章  親しい友人に会った時、飛び跳ねたりするのはなぜか?
    第2章  ヒトはなぜ「怖いもの」を見たがるのか?
    第3章  子どもがやる「地団駄を踏む」動作は本能か?
    第4章  「血のつながり」の正体とは?そして「自爆テロ」との関連は?
    第5章  「思い込み」はなぜ起こるのか?
    第6章  ヒトは現在も進化しているのか?
    第7章  寄生虫はどのようにして人間を操るか。そして遺伝子とは?
    第8章  ヒトにとって「音楽」とは何なのか?
    第9章  赤ん坊の黄昏泣きはなぜ起きるのか?
    第10章  他人の口調やしぐさがうつってしまうのはなぜか?
    第11章  なぜヒトは「いじめ」を行うのか?それをなくす方法は?
    第12章  モフモフはなぜ可愛いのか?
    第13章  赤ん坊に声をかけるとき声が高くなるのはなぜか?

    <内容>
    築地書館『先生~』シリーズの公立鳥取環境大学の小林先生の本。前者に比べ、やや借りてきた感じなのは、真面目に動物行動学を語ろうとしているから?途中から前者のような感じになるが、前半はやや読みにくい。ヒトの様々な行動を、投稿(SNSで質問を募った)からその答えを論じていく。「へえ~」と思ったのは、寄生虫とミトコンドリアの話。あとは「いじめ」の話は、そういう風には考えていなかったので、目からうろこでした。

  • 近日受け入れ予定

    ビブリオバトルチャンプ本('24.4 教員大会)

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著者プロフィール

1958年岡山県生まれ。
岡山大学理学部生物学科卒業。京都大学で理学博士取得。
岡山県で高等学校に勤務後、2001年鳥取環境大学講師、2005 年教授。
2015年より公立鳥取環境大学に名称変更。
専門は動物行動学、進化心理学。
これまで、ヒトも含めた哺乳類、鳥類、両生類などの行動を、動物の生存や繁殖にどのように役立つかという視点から調べてきた。
現在は、ヒトと自然の精神的なつながりについての研究や、水辺や森の絶滅危惧動物の保全活動に取り組んでいる。
中国山地の山あいで、幼いころから野生生物たちとふれあいながら育ち、気がつくとそのまま大人になっていた。
1日のうち少しでも野生生物との"交流"をもたないと体調が悪くなる。
自分では虚弱体質の理論派だと思っているが、学生たちからは体力だのみの現場派だと言われている。

「2023年 『先生、ヒキガエルが目移りしてダンゴムシを食べられません!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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