- Amazon.co.jp ・本 (111ページ)
- / ISBN・EAN: 9784106207105
作品紹介・あらすじ
詠うことが生きる歓びだった時代、艶めく慕情に焦れる女歌人、幽玄の美を確立する定家、出家漂泊の西行、悲運の鎌倉将軍実朝、中世初期に華開いた歌の響宴。
感想・レビュー・書評
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建暦三年は地震が相次ぎ、朝廷は一二月六日に建保元年に改元した。「山は裂け 海は浅せなむ 世なりとも 君にふた心 わがあらめやも」の和歌は現実に地震で山が裂け、海が干上がった状況を踏まえてのものになる。但し、本当に地震の被害状況を経験して詠んだものかは議論がある。実朝の和歌には本歌取りも多い。直接体験はしないが、伝え聞いた状況から構成した可能性が高い。
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(2014.06.30読了)(2014.06.27借入)
【日本の古典】
清盛から頼朝、実朝にわたる時代の歌が多く収められた「新古今和歌集」は、後鳥羽院が直接編纂に関与した勅撰和歌集です。「新古今和歌集」に最も多くの作品が収録されている人物は西行です。その西行の歌集が『山家集』です。
「新古今和歌集」を入手し、その歌風を学んだ源実朝の歌集が「金槐和歌集」です。
「方丈記」の作者である鴨長明の歌も「新古今和歌集」に収録されています。鴨長明は、鎌倉へ行き実朝に会っています。鴨長明は、鎌倉に職を求めていったのではないかという話をどっかで読みました。職探しはうまくいかなかったようですが。
西行は、東大寺再建の勧進のために平泉に行く途中、鎌倉に立ち寄った際に源頼朝に会っています。
古典を読みながら、同時代の歴史上の人物を思い浮かべるのは、歴史をいきいきと感じることができ、興味が深まります。
【目次】
新古今の女歌人たち 馬場あき子
はじめに 佐藤恒雄
新古今和歌集
Ⅰ 成立
Ⅱ 歌風と方法
山家集
Ⅰ 西行家集の諸本
Ⅱ 詠歌―旅人修行の生涯
金槐和歌集
Ⅰ 夭折
Ⅱ 実朝の歌―方法と歌風
年表
関連作品
参考文献
●後鳥羽院の関与(28頁)
『新古今集』以前の勅撰集は、おおむね天皇(上皇)の勅を受けた撰者(たち)が自らの見識と責任において撰集を完成し、天皇に「奏覧」し、嘉納されて成立という手順を踏んできた。しかし、本集(「新古今集」)の場合、撰歌はもとより、歌の部類や配列、新作家の採入、削除など万般にわたって、後鳥羽院が直接に関与し撰者たちを指揮しつつ進められた。
●金槐和歌集(90頁)
『金槐和歌集』は、鎌倉幕府三代将軍源実朝の家集である。金は鎌の偏、槐は槐門で大臣の唐名、「鎌倉の右大臣の家集」の意で、実朝没後に名づけられた。
●実朝の歌(101頁)
時により過ぐれば民の嘆きなり八大竜王雨やめたまへ
☆関連図書(既読)
「古今和歌集」中島輝賢編、角川ソフィア文庫、2007.04.25
「新古今和歌集」小林大輔編、角川ソフィア文庫、2007.10.25
「私の百人一首」白洲正子著、新潮文庫、2005.01.01
「西行 さすらいの歌人」井上靖著、学習研究社、1991.06.20
「西行-魂の旅路-」西澤美仁編、角川ソフィア文庫、2010.02.25
「西行」高橋英夫著、岩波新書、1993.04.20
「西行」白洲正子著、新潮文庫、1996.06.01
「白道」瀬戸内寂聴著、講談社文庫、1998.09.15
「西行と清盛」嵐山光三郎著、集英社、1992.04.25
「西行花伝」辻邦生著、新潮文庫、1999.07.01
「方丈記」鴨長明著・武田友宏編、角川ソフィア文庫、2007.06.25
「鴨長明『方丈記』」小林一彦著、NHK出版、2012.10.01
「方丈記私記」堀田善衛著、ちくま文庫、1988.09.27
(2014年7月1日・記)
(「BOOK」データベースより)amazon
詠うことが生きる歓びだった時代、艶めく慕情に焦れる女歌人、幽玄の美を確立する定家、出家漂泊の西行、悲運の鎌倉将軍実朝、中世初期に華開いた歌の響宴。 -
中世詩歌。実朝の歌がよい。
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12/03/26 定家もいい。実朝もちょっといい。
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源実朝好きなんです(それだけ)。