醒めた炎 上巻: 木戸孝允

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  • 中央公論新社
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感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (712ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120015977

作品紹介・あらすじ

欧米の未発表史料、幕府隠密の報告までも駆使して幕末の動乱を活写する渾身のライフワーク。木戸孝允の生涯を描く、2800枚の歴史大作。

感想・レビュー・書評

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  • 木戸孝允の生涯を通して幕末から明治維新までを描く。小説というよりも、丹念に緻密に史料をまとめた歴史書の観がある。上下巻あわせて1500ページ超あって読むのに時間がかかるけれど、その時代の全体と細部どちらもよく理解できた。幕末好きにお勧めです。
    木戸孝允は「五箇条の御誓文」の完成稿をつくり、版籍奉還・廃藩置県を実施、三権分立と地方自治の確立を誰よりも主張した人物でした。政治思想家としての才識や先見性、実行力は幕末随一。そして漸進主義と人民主権の発想が惚れ惚れするほどかっこいい。

  • 帝国主義を標榜する世界の中で幕府がどのような政策をとり、それに対して当時の人々がどのように翻弄されていくのかということが丁寧に書いてあります。桂自身、維新三傑と呼ばれ、近代化を先導した一人であったと同時に、混沌の中で苦しみ悩みぬいていたと感じました。なかなか会話がないので読みにくい印象もありますが、桂小五郎の人柄を資料等に基づいて等身大に描いていると思います。(まだ読んでる途中ですが・・・)。

  • 桂小五郎(木戸孝允)が主役の小説です…が、小五郎の生きた時代を、脚色や逸話というものをそぎ落として事実のみを淡々と描いております。事実のみを淡々と語る事が、ここまで緊張感と涙を誘うものかと思いましたが、命のやり取りをする幕末はそういうものですね。
    逃げの小五郎等と呼ばれ幕末の小説の中には小心者呼ばわりするものもありますが、あの斬るか斬られるかの京都に自ら望んで飛び込んでいく姿には明るい勇気を感じます。ちなみに読んでいるとフットワーク軽いしミーハーだなと思う事もありました。黒船来航時はまだ二十です。
    ここの桂小五郎は物語の狂言回しではなく主人公として逸話等はばっさりされているので、読み終わるとイメージが一新されました。

  • 正直言って「難しすぎて何が書いてあるのか、全く解らん」と言うのが本音です。

    実際、この本の内容理解するのに3年かかりましたから(バカすぎ)

    でも、木戸孝允云々関係なく、歴史書としては読んでおいて損はない物です。
    上巻5千円。下巻5千円と笑っちゃう金額ですが
    はっきり言って好きでなければ酔狂で1万円を本に費やす。は出来ません。
    (と、妹に言われた)

  • 桂小五郎こと木戸孝允の伝記小説。小説と銘打ってはいるが多様な史料を駆使しており資料としても有用。木戸に関する書籍では値段的に比較的入手しやすい本。ただし絶版なので買うならamazonの中古本がおすすめ。

  • 木戸孝允本。ほとんど小説でなくなりそうなほど史実考証しまくり。
    逸話を取り上げて、でもこれってこういう状況があるからありえねーよね、と落とす。あ、だから醒めた炎なんですね…確かに醒めてますね…
    でも本当、資料代わりにもなるし、幕末明治ファンなら読んで損ないでしょう。木戸ファンにとってはバイブルだよ。
    書いてくださって有難うございました…!貴重すぐる。

  • 木戸孝允(桂小五郎)好きのバイブルです。
    もう絶版になった作品。
    山口にある木戸さんの家にも資料として飾ってありました。
    オークションでたまたま売ってたので即買い。

    内容はとにかく・・・木戸さんの一生を見てる感じなのですが、この人を見ると幕末明治の当時がまるわかり。
    そんなくらい、歴史の表舞台に居続けた人。
    並大抵の行動力じゃないし、神経じゃない。改めてすごい人だと思いました。
    ただ作者も木戸さん大好きで調べあげてるんですが結構、木戸さんビイキ(笑)
    京都大火の事は木戸さん目線でしか書いてません。当たり前なんですけどね。

    その辺は佐幕派の方からみると・・・
    長州のせいでしょ!って思うみたいです。・・・が・・
    実際は木戸さんは反対してたんで・・・どうにも・・こうにも・・・

    とりあえず、幕末ふぁん、長州ファンというよりは
    木戸ファンが(どれだけいるのか)読むと何か・・木戸さんが救われた感じで楽しいです。

  • 木戸ファンなら何としても手に入れるべき聖書のような本。内容は初心者には難しいと思います…。

  • せっかく借りたのに途中で力尽きたので(・・・)今度リベンジします・・・!

  • 木戸孝允のすべて。上下巻

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著者プロフィール

評論家。筑波大学名誉教授。1929年生。東京大学大学院文学研究科仏語仏文学専攻〔59年〕博士課程修了。94年没。大学院在学中から文芸評論家として活躍。58年には遠藤周作らと『批評』を創刊する。ナチズムに対する関心から、61年アイヒマン裁判傍聴のためイスラエルへ赴く。62年にはアルジェリア独立戦争に従軍取材。立教大学教授などを務めたのち、74年筑波大学教授。著書に『アルジェリア戦争従軍記』『死の日本文学史』『評伝アンドレ・マルロオ』『帝王後醍醐 「中世」の光と影』『三島由紀夫の世界』など。

「2018年 『新版 ナチズムとユダヤ人 アイヒマンの人間像』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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