もっと塩味を!: Plus de sel、s’il vous plait!
- 中央公論新社 (2008年8月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
- / ISBN・EAN: 9784120039546
感想・レビュー・書評
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女は天性の味覚で男の料理に惚れ込み、〈ミシュランの星〉獲得に人生を賭けた-平凡な主婦が身を投じためくるめくフランス料理の世界、パリ出店までの苦難と愛憎の日々を描く長篇。
朝から雨。。。
久々に本屋へいく。
最近は、書籍の購入はネットで・・・。が多かった。
購入目的の書籍は無く、やっぱりネット購入だな。とあきらめて本の中を徘徊。。。
平積みされた好みの作家本を手にしてしまう。。。
先月から書籍への無駄遣いが頭を掠めるも・・・。読みたい欲望には勝てず数冊購入・・・。(苦笑
フレンチシェフとの出会い。恋。食することの好きな私には引き込まれてしまうのよね。
でもね。女としての生き方を描いた小説としては、「どうなの?」と疑問を・・・?!(笑
下手な生き方?相手の心を読まずに突き進む危うさにハラハラ。やっぱりな男の裏切り?
実父、実母の夫婦関係の中に理不尽さを感じていると表現されていたのに、読み切れずに出帆する無謀さにため息を持ち、その後の女としての狡さ?も否めないしたたかさ?に、
主人公に?作家に?「えーーー???」と反発。
ストーリーとしては面白いのに、急速に悲劇的な展開は進んでいく。(癌の理不尽さ?)実時間と過去とが重なりならが物語は書かれているのだが、読みにくく感じる箇所と、スムーズに向ける箇所に戸惑う。
ラストが不完全燃焼に感じてしまうことにかなり不満を覚える。が、数時間で読めてしまう本だったのだな?!
と、少々欲求不満だということにしておきましょう。。。w
終焉近くに出帆したときに置いてきた子供(娘)の登場が、娘を持つ私には、よく理解できる。
捨てた母親を憎む娘であるも、年齢を重ね母であり女である状況と年齢に達した?からこそ?、女である母の「愛のかたち」を理解し許している場面の描き方。
それは、娘は母になっていたということなのだろう。
林真理子氏も母として女としての矛盾を得ているから表現できる部分かな?と「ふと」思った。
「理恵、あのなぁ・・・」
娘に内緒言をつぶやく・・・。
「・・・だけどこれ、内緒やで・・・。お母ちゃんの一生の秘密や」
秘密は秘密のままで・・・。と、思ったの。私。。。(笑
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バブル期絶頂の頃、彗星のごとく現れてあっというまに人気シェフになり、
ついにはフランスでミシュランの星を獲得するまで登りつめた男がいた。
その男を陰日向になり支え続けたマダムは、そのバイタリティと美しさゆえに
業界内外で有名な人であった。
林真理子はマダムと懇意にしていたために、マダムが癌で亡くなった今、
彼女の数奇な半生を小説にしたのです。
和歌山で、まだ誰もフランス料理やワインに見向きもしなかった時代から
濃厚なソースや、美しい盛り付けに魅了され、
結婚して2児の母になってもなお、フランス料理店のマダムになる夢を捨てきれなかった彼女。
積極的なプロモーションで、とある有名シェフと出会い
結局子供と夫を捨て、そのシェフを頼りに上京してしまうのだ。
再婚相手はそのシェフではないというところがまた運命の不思議なところだが、
それがまた彼女の物語を魅力的なものにしている。
そしてこの小説が事実に基づいたものである、ということはまさに小説より奇なり。
フランスで星を取るという夫の夢をかなえるべく、献身的な妻として尽くしてきた彼女にとって
その人生の結末はあまりにも非情なものだった。
もちろん才能もあったでしょうが、妻の支えがなければ星をとることができたかどうか・・
彼女の献身ぶりを知る周りの人たちはみな、突然の離婚の申し出を言い出した男に憤りをおぼえたと思う。
林真理子の小説の結び方を見ると、男に対する悪意さえ感じられる。
小説では偽名を使っているが、現在もパリに店をかまえる「ステラマリス」の吉野建シェフの奥様、美智子さんのこと。
検索するとすぐに吉野シェフのインタビュー記事にヒットした。
写真を見て、「この野郎か・・・・」という気持ちになってしまいます。
まあ、美智子さんも二人の子供を捨てて自分の夢をかなえようとしたのだから人のことは責められないのかしら。
いずれにしても激しい人生です。
2022年6月再読
相当インパクトある話だったけど、10年も経つと記憶は曖昧。友達に面白いよと勧める時も説明が無茶苦茶過ぎて、読み返してみると内容はかなり変換されてしまってる。男に捨てられたという部分は合ってたけど。
あの頃は私も若くて、吉野シェフは許せん!と怒り狂ったが、60過ぎた今では、まぁ彼女の人生は自分で選んできた道だし、こうなるべくしてなったのかも、と静観できるようになった。文庫本の解説者川村二郎さん(週刊朝日編集長)はシェフである夫の不倫相手にまで怒りを持っていってたからおかしかった。 -
女は天性の味覚で男の料理に惚れ込み、〈ミシュランの星〉獲得に人生を賭けた-平凡な主婦が身を投じためくるめくフランス料理の世界、パリ出店までの苦難と愛憎の日々を描く長篇。
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天性の味覚を持つ主人公が
料理人の男に惚れ
家族を捨て
ミシュラン取得にマダムとして全力を尽くす
実現した時には・・・・
波乱に満ちた女性のお話
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天性の味覚を持つ女は
男の料理に惚れ込み
ミシュランの星獲得に
人生のすべてを賭けた・・・。
2時間足らずで読了。
中身もあっさりっつーか薄いっつーか・・
【図書館・初読・9/25読了】 -
食通の美佐子のバイタリティあふれる生き方。
波瀾万丈の人生だが、それを自分で選び取り、前向きに生きて、倒れても後悔しないという感じがよい。
フランス料理についての解説書という一面もある。 -
んー、料理人ものっていうことで多少期待してたんだけど。
主人公はグルメが高じてレストラン経営と料理人との恋愛に情熱を傾ける女性。時代と寝るオンナの話。なんだ、要するにアッコちゃんのフレンチ版じゃん。タイトルのセンスが悪すぎる。
(200808) -
久しぶりに読後数日たっても印象に残る話でした。フランスでミシュランの星を取るために、夫であるシェフを支える主人公。しかしそこに至るまで、また星をとった後も主人公には様々な難題が降りかかります。それを乗り越えていく主人公の女性としての強さ、愛情がもたらすパワーにはただ圧倒されるばかり。読み応え抜群です。ただ、カバーに使われている真っ赤な紙が、綺麗で肌触りもいいんですが、傷がつきやすい!全国の書店員さんに取り扱い注意を促したいです(笑)。