初めての川上弘美。つまんねえ。
文章は読みやすく、主婦のけもの道とか、肉じゃがのおかずとしての機能の微妙さとか、勤めを辞めると外見が野暮ったくなっていく過程とか、そういう細々した日常に対する観察眼や知見、表現力はさすがプロ作家。文体も下らないことをつらつらと書き連ねているのに読ませる力がある。
けれど話のメインの嫁姑の問題では、その細やかな観察眼とか繊細さとかが、ただの自過剰で神経質で鬱陶しい女の一人称という感じになってしまっている。物語自体も特に主人公が成長したり、何か問題が解決したりするわけではない。有り体に言えば無意味でかったるい内容で、主婦の日記みたいでくだらないと思う。川上弘美は良い小説家らしいが、最初に読んだのがこれだと他のやつ読む気なくすな。