ゴッホの宇宙: きらめく色彩の軌跡

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (110ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120041433

作品紹介・あらすじ

孤高の画家を造形的視点から徹底分析、魂の遍歴を辿る。知られざる名作の紹介、書簡・読書歴解読、パレット再現…新しい鑑賞術への誘い。略年譜・図版多数掲載。

感想・レビュー・書評

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  • ゴッホの一生を、「オランダ期」「パリ期」「アルル期」「サン=レミ期」「オーヴェール期」に分け、その時々の「弟テオへの手紙」を織り交ぜながら、彼の内面に迫って書かれています。

    ゴッホが、思いのほか暖かい人物で、人間的であり、不器用であったこと、また絵画への可能性の追求が人並み外れていたことが
    うかがえました。

    そして、彼が死を選んだことについても、「病んでいたから」とは片づけることができない、死を選ぶしかなかった彼の気持ちが
    痛々しく感じられました。

  • 2014/05/21完讀

    剛開始閱讀時覺得字句有點沈悶跟過度美化,因此被我擱置了非常久。但後來突然發現,作者的分析力真的很強,對每段時刻梵谷的畫作分析都有很精準的眼光。對於「灰色」(中間色)的見解也讓我很受教。是本值得再研究的好書。

  • 『ゴッホの遺言』『ゴッホの証明』『ゴッホの復活』に続く、氏のゴッホ研究の連作。

    本書『ゴッホの宇宙』は書店でなく、何と前作『ゴッホの遺言』で著者=小林氏が贋作だと称したゴッホ作品を所蔵・展示する美術館のミュージアムショップに陳列されているのを見て、思わず手に取り、買い求めました。美術館も、なかなか粋なはからい!ヒデキィ~、良かったねえ~♪

  • 『ゴッホの宇宙-きらめく色彩の軌跡』小林英樹
    中央公論新社 2010年8月 1800円

    110ページほどの小冊子だが内容は濃い

    私にとってはパリ以前、アルル以前の油絵の色彩の美しさを発見できたことが大きな収穫

    1886年パリで印象派に出会う前から、アルルで光の輝きに魅せられる前からゴッホは色彩の画家であった

    パリに出て来たゴッホが目にした印象派の色彩は表面的なものでしかない

    それまで追求してきた「色彩そのものが表現である色彩」とは遠く隔たっていた


    「夏にかけてモンマルトル界隈、40点近くの花瓶に入った花、靴や鰊などを描く

    高彩度なものから沈んだモノトーンのものまで色彩について模索を繰り返した」など

    印象派とどのように出会い、どのように乗り越えていったか、わかりやすい記述であった


    ゴッホが同じことは二度しない、p57「造形的展開という長い階段を上り詰めてくタイプの画家である。画風の変化は単なる変化ではなく、新たなものが加わって展開してゆく」

    図版は小さいがあまり見たことのない絵もたくさん見ることが出来た

    p97ゴッホの色の作方も参考になる
    p97

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著者プロフィール

1947年生まれ。画家、ゴッホを中心とした絵画研究。東京芸術大学油画専攻卒。大阪中の島美術学院講師、北海学園大学建築学科教授を経て、2006年より愛知県立芸術大学美術学部教授(2012年退官)。個展多数。著書:『ゴッホの遺言』(情報センター出版局、1999。第53回日本推理作家協会賞・評論その他部門受賞)『ゴッホの証明』(同、2000)『耳を切り取った男』(NHK出版、2002)『色彩浴』(ポーラ文化研究所、2003)『ゴッホの復活』(情報センター出版局、2007)『完全版・ゴッホの遺言』(中公文庫、2009)『ゴッホの宇宙(そら)』(中央公論新社、2010)『「ゴッホ」にいつまでだまされ続けるのか』(情報センター出版局、2011)『フェルメールの仮面』(角川書店、2012)『先駆者ゴッホ』(みすず書房、2017)ほか。

「2017年 『先駆者ゴッホ 印象派を超えて現代へ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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