- Amazon.co.jp ・本 (333ページ)
- / ISBN・EAN: 9784120049934
作品紹介・あらすじ
高校生の深冬は、思いを寄せる優弥とともに、彼の故郷・潮見島を訪れる。島の伝統「潮祭」が開かれる夏のことだった。深冬が出会ったのは、祭の神女となるために自分の未来を捨てた少女・柑奈。彼女の生き方に、深冬は疑問と嫌悪感を抱く。なぜ柑奈は伝統に縛られることを望むのか?そしてある人物の来訪で明かされた、十二年前の悲しい真実とは?消えゆく伝統と先の見えない将来。まっすぐな恋とゆがんだ友情。それぞれの思いが交錯するとき、十二年に一度の祭が幕を開ける。
感想・レビュー・書評
-
額賀澪さんの過去作を見返していて、感想を書き忘れていたことに気づいたシリーズ。
少しずつ主人公の設定年齢が上がるにつれて、文体も軽くなってきたような…主人公も、ごく普通の感覚の女子高生、という作品。
でも、星は3つ付けていたからには、十分に面白かったはず。
前後して読んだ遠田潤子さんの『冬雷』と出だしの設定が似ているように感じて、ん?と思った記憶が。
けれどやはりパンチの重さが違うぶん、違う地点に着地して、それはそれでホッとしたような。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
伝統と犠牲。
昔ながらの事柄だからこそ今では考えられない守りごとなどあるだろうが、当時と変わらず行うのは意味があるからなのだろう。
答えが分かっていたとはいえ、勇気を出した告白を断られるのは断腸の想いだっただろうな。 -
田舎の伝統を守ることについて考えさせられた。
その中で描かれる恋模様は青春。
風景の描写もとても綺麗。 -
「きっと後で仲良くなるんだろうな?」と分かっていても、あの「女性の戦い」というか「女の子達の戦い」は女の作家さんじゃないと書けない話だと思った。
エゲつなすぎる・・・ -
これはとても難しいテーマだ。ややバランスを保てず、深冬のキャラクターに任せて突っ走った感が否めない。やや消化不良で読了。
-
額賀澪さんらしい、綺麗で透き通ったストーリーとフレーズたち。
ちょっとだけ、自分のことでいっぱいいっぱいな、登場人物が多く、自分勝手に感じてしまうこともあった。
中盤までハラハラだったが、終盤は雰囲気良く着地したため良かった。
-
中盤までは、なんだか不機嫌。
最後はいい感じに着地(^^)
面白いことは、面白い人の近くでしか起こらない。
-
離島や農家の因習に対する若い少年少女達の葛藤と決断を書いた良作。
歌は音程がずれ、踊りもぎこちない柑菜のポンコツっぷりがかわいいですねぇ!
なお文庫版では「夏なんてもういらない」に改題。 -
伝統を守るのは大切だが、そのためにどれだけ自分を犠牲にできるか考えさせられる。