盤上の向日葵

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 1314
レビュー : 219
  • Amazon.co.jp ・本 (563ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120049996

感想・レビュー・書評

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  • 実業界の寵児で天才棋士、上条桂介。 彼は本当に殺人犯なのか! ? 伝説の将棋駒はなぜ白骨死体と一緒に埋められていたのか?そして、この死体は誰なのか?

    駒の持ち主を探しながらじわじわっと真相に迫ってくる刑事たちと、親に虐待され将棋だけを生きる支えとしてきた孤独な棋士との物語が交互に描かれていく。

まさかこの作品でゴッホと出会えるとは。命を削るように絵を描いたゴッホ、命を削るように将棋を指した桂介と東明。どうしてみんなこんなに不器用な生き方しかできなかったのか…

    唐沢さんの優しさが好きだった。あの時、あの時もっとと悔やまれて仕方ない。

    誰が犯人という話ではなく、桂介が生きてきた道、桂介の中に流れている血、桂介の背負ってきた孤独を感じて欲しい。

    将棋ミステリーだけあり、棋譜が丁寧に書いてある。将棋のわかる人はさらに楽しめるだろう。私は駒の動かし方しかわからないので、最初は読みづらかったけど、段々血が滾るような彼らの熱い戦いが伝わってきて、勝負の行方に手に汗握った。

    将棋の駒を指す時の美しい手、パチンっと響く音が好き。将棋の駒が死体と埋まっていた理由がわかった時…。柚月裕子さんらしい重厚な人間ドラマだった。

    • 杜のうさこさん
      けいちゃん、こんばんは~♪

      この本、本屋大賞ノミネート本だよね。
      私もこの本読んでみたいんだけど、やっぱり将棋に詳しくないと難しいの...
      けいちゃん、こんばんは~♪

      この本、本屋大賞ノミネート本だよね。
      私もこの本読んでみたいんだけど、やっぱり将棋に詳しくないと難しいのかな?
      私もどうにか駒の動かし方がわかる程度です。
      はさみ将棋は得意なんだけどね~(違う!笑)
      でも、ずっと将棋や囲碁を習ってみたいなと思ってて、
      背筋をピンとのばして正座して、パチッ!
      あの静謐な感じがすごく好きで、NHKの解説番組たまに見たりもしてるんだけど、難しくて。

      最近ノミネート本、一冊読んだの。
      でも、私には合わなかったみたいで、リタイアしてしまった…

      それと、♡マーク押し忘れてた!ごめんね!
      新しいシステム、なんだかまだ慣れないわ(>_<)

      では、またね~(^^)/
      2018/03/18
    • けいたんさん
      うさちゃんへ♪

      こんばんは(^-^)/

      最近ネット環境がよくなくて…集合住宅なので色々あってプロバイダーを変えたのでね。これか...
      うさちゃんへ♪

      こんばんは(^-^)/

      最近ネット環境がよくなくて…集合住宅なので色々あってプロバイダーを変えたのでね。これからどんどんよくなって行くって旦那さまの言葉を信じて頑張るわ!
      お返事遅くなる時もあるけどこれからもよろしくね(*'-')ゞ

      この本はね、将棋も大事だけど、主人公の人生がメインだから、将棋がわからなくても問題ないよ(⁎˃ᴗ˂⁎)
      ただ私もうさちゃんもイメージを大事にする方でしょ?
      読みながらその場面を頭で描く。それをすると時々寝るね(笑)
      NHKの解説で棋譜を言ってるでしょ?
      それが結構長いし多いんだよね。
      その盤がイメージ出来たらきっと面白さは倍増するとは思うけど、試合の緊迫感は十分伝わってくるので大丈夫だよ。
      うさちゃんの好きなパチンッもきっと聞こえてくるよ。
      私もはさみ将棋した事あるけど、もう全然覚えてないよ。面白かった事は覚えてる。

      わぁ、本屋大賞ノミネート本で合わなかったのってどれだろう?
      うさちゃんがリタイアなんて珍しい。
      私、たぶん読まないだろうと思っているのが「星の子」と「崩れる脳を抱きしめて」で、迷っているのが「騙し絵の牙」と「屍人荘の殺人」です。

      新システムにいつの間になったのだろう(笑)
      ♡マーク気にしないで。
      私はうさちゃんの感想わざとひとつ♡マーク押してないから。
      今度またゆっくりコメントさせてもらいたいので。

      私も今アウシュビッツを読んでいて凄く考えさせられてる。
      今までで1番リアルかもしれない。
      分厚いのでまだ1週間はかかりそうです。

      それでは、またね〜
      いつもコメントありがとう。
      2018/03/20
  • 柚月裕子さんの本を初めて読んだのは『最後の証人』で2017年1月のこと。
    『盤上の向日葵』で8冊目になる。

    ”盤上”というタイトル通り、将棋の世界を舞台にしたミステリー。
    天木山山中で発見された白骨死体の手には将棋の駒。
    駒は初代菊水月作の名駒、錦旗島黄楊根杢盛り上げ駒。
    犯人を追う佐野と石破。
    佐野はかつて奨励会に属し、プロ棋士を目指していた。
    名駒からたどり着いた容疑者とは…

    この作品は2015年8月から2017年4月まで「読売プレミアム」に連載されていた。
    ということは、藤井颯太くんの活躍よりも前のこと。
    今ほど、将棋が注目されていなかったのではないだろうか。
    そのことを知って、改めて柚月さんって凄さを感じる。

    本の中に将棋を指すシーンが度々ある。
    将棋を知っていれば、さらに楽しめたと思う。
    生憎私は将棋のことを全く知らない。
    映画「聖の青春」と「3月のライオン」を見たくらいのこと。
    それでも勝負の緊迫感は十分に感じることができる。

    タイトルにもある”向日葵”。
    いくつもの意味があるのだが、その一つがゴッホの”向日葵”だ。
    先日、原田マハさんの『たゆたえども沈まず』を読み、ゴッホの生涯に胸を震わせたばかり。
    『盤上の向日葵』にもゴッホが登場し、その偶然に胸がときめいた。

    560ページあまりの束の本だが、ページを繰る手が止まらなかった。

  • 社会的に成功を収めた者が、自らの忌まわしい過去を知るものを排除する―松本清張の『砂の器』ーそのパターンかと思って、読み進めたら、ちょっと違いましたネ。
    二人の刑事(新米刑事と、一癖あるが捜査能力のある老練刑事ーこの組み合わせも絶妙)の捜査行動と、主人公ともいうべき一人の男の、少年時代から現在までの歴史が、章ごとに交互に綴られる。
    被疑者は予想つくが、被害者は果たして誰なのだろうか。
    倒錯的手法で読者を、グイグイと最後まで引き付ける著者の筆力に、改めて感服した一冊でした。

  • 盤上の ...で始まるタイトル。
    結構ありますね。
    盤上の敵、盤上のアルファ、盤上の夜.....
    本作は将棋。
    冒頭、プロ将棋の人気カードの描写、昨今の将棋ブームに乗った (?)作品ですね。

    山中の白骨死体の発見から埼玉県警の佐野がクセのあるベテラン石破と組んで捜査にあたる。
    目的は遺留品の超高級将棋駒の出所調べ。
    佐野は、じつはプロ棋士を目指して奨励会にいた過去をもつ刑事。
    個性の強いベテランと有望新人の組み合わせは、孤狼の血と似ていて、とくに佐野は可能性大なキャラ、魅力的です。

    捜査対象の将棋うちも、異色のプロ上条、博打将棋専門の東明と 一癖も二癖もあるキャラが満載。
    上条に将棋をおしえた諏訪の唐沢も、引きでみたらだいぶ個性の強い人だし。

    ただ、そこに将棋戦の描写がぶっこまれているのですな...それも多数。 正直、そのあたりになると全然わかりません。
    柚月さん、将棋うちなのかしらん?
    しかし、キーアイテムが 駒 であることを考えるとどうかなぁ....... なんとなくもったいないのです、そのあたりのてんこ盛り感からくる、そこはかとないズレが。

    上条はあららららな展開でしたが、佐野は良いよ 佐野は。
    柚月さんが 宮内さん級に盤上に詳しいなら、佐野はシリーズ化でしょう。

  • どうして冒頭のシーンに至ってしまうのか。そこまでの歩み、将棋の面白さをじっくり読ませる。ある程度、事件の構図は見えてくるので、ミステリというより、ひとりの棋士の人生を描く。読み応えがある。
    真剣師たちの厳しい勝負。手の読み合い。将棋に詳しくなくとも、対局の流れや興奮が伝わってくる。
    変わり者の石破と、振り回される佐野の、刑事コンビも面白かった。

  • 将棋青年の物語。駒の行方も追いながらも、息もつかさず最後まで読み進めました。力が入っちゃいました。将棋の魔力に取り憑かれてしまった将棋の世界の人々でした。いつ犯人にたどり着くか、そして死体は誰か。楽しめました。真剣師の気迫はビシビシと伝わりましたが、向日葵のところと犯人の心の内はあと一歩のところかなと。そこのところ、個人的にはもう少しドロドロしたものが欲しかった。いやでもまあ充分満足の一冊。
    将棋の知識がなくても楽しめるけれど、知識がある人がより一層なのではないかな。

  • 将棋に憑かれた男達の生き様死に様。
    辿り着きそうで、まだ霞がかった真相を掴みたくて、止まれない。
    まさに一気読み以外できないミステリー。
    圧巻の560P超、あっという間に読める。

  • 埼玉県の山中で、身元不明の白骨死体が将棋の駒とともに発見される。それは名匠作の伝説の将棋駒であった。かつて棋士を目指していた佐野巡査は、県警捜査一課のベテラン刑事・石破と組んで駒の持ち主を捜す。そして容疑者を特定した佐野たちは、天才若手棋士による対決が注目される、竜昇戦会場へと向かうが・・
    刑事の石破、上条の父親、天才真剣師の東明と、タイプは違えど強烈なキャラクターの中年男が見事に描かれている。刑事側からの犯人捜しのミステリーというより、上条側からのヒューマンドラマとして読んだ。ラストは意外というか切なさも。

  • 半年ぶりの柚月作品。
    藤井四段の出現で、まさしく世の中、将棋ブームが到来している中での出版。初出はもっと前になるが、かなりのタイミングの良さを感じる。
    ストーリーもミステリーと言うより、1人の棋士の物語であり、500ページを超える作品ながら、一気に読ませる作者の力量はさすがとしか言いようがない。将棋に詳しくなくても、登場人物それぞれの人間模様はきちんと伝わってくる。
    始まりこそ、刑事たちが犯人を追い詰める為に山形に降り立つところから始まるが、この作品は将棋に魅了された男たちの物語。ラストで事件の真実が明らかになった時は、かなり切ない。

  • ある山中で見つかった身元不明の遺体と側にあった貴重な将棋駒。殺人事件として捜査をしているうちに浮上してきたのは実業家からプロ棋士になった青年、桂介という男だった。遺体は誰なのか、なぜ駒が置かれていたのか、桂介という男はどんな人生を歩んでプロ棋士になったのか。たくさんの謎と伏線、桂介の過去と刑事たちの捜査をする現代とを交互にに見せることで、一つずつ謎を解いては、また謎が出てくるというところに面白さがあり、読者を引きつける原動力になっていると思う。(「砂の器」を彷彿とさせると聞いてなるほどと思ったが)作者の過去の作品は裁判ものや刑事ものが多かったが、最近は「虎狼の血」のようなハードボイルドものや今回のような将棋の世界など、描く世界が広がってきて波に乗っている気がする。桂介の心の中を向日葵で表現した点やラストの衝撃、これだけの長編を飽きさせずに読ませるところなど作者の力が存分に発揮された作品だった。これからも楽しみな作家さんだ。

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著者プロフィール

柚月 裕子(ゆづき ゆうこ)
1968年生まれ。岩手県出身、山形県在住の小説家。2008年『臨床真理』で第7回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞しデビュー。2013年同作で第15回大藪春彦賞、2016年『孤狼の血』で第69回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)、同年『慈雨』で「本の雑誌が選ぶ2016年度ベスト10」第1位をそれぞれ受賞。2017年、『盤上の向日葵』で第7回山田風太郎賞候補、2018年本屋大賞ノミネート。
代表作として、テレビドラマ化された『最後の証人』『検事の本懐』を含む「佐方貞人シリーズ」。また、2018年に映画化される『孤狼の血』。

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