もののふの国 (単行本)

著者 :
  • 中央公論新社
3.19
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本棚登録 : 340
感想 : 49
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  • Amazon.co.jp ・本 (415ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120051906

作品紹介・あらすじ

あるとき、男は政府軍の猛攻を逃れ、ある洞窟に辿り着いた。そこで男は、自らにのみ語りかけるの存在に気づく。
そのは、かつてこの国の支配者階級だった武士の千年近くに亘る壮大な戦いの歴史を物語りはじめる――。

本年度歴史小説最大の話題作、ここに誕生! 『小説BOC』「螺旋プロジェクト」中世・近世篇

感想・レビュー・書評

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  • 螺旋プロジェクトのキーワード満載の本でした。
    シリーズ全部読んだわけではないですが、最初に読むと良いかなと思いました。
    源平の戦いから幕末・明治まで、一族の対立という視点でとらえるとこうなるという一例です。
    純粋に歴史ものを期待すると裏切られます。
    また、異説を取り入れて構成している点は注意が必要かな。でも悪くない展開だと思います。読んでのお楽しみですが、ちゃんと伏線になっていたし。
    たくさんの対立エピソードを詰め込んだので、源平は力は入っていましたが、その後はちょっとあっさり終わった感はあります。

  • 「螺旋プロジェクト」中世・近世篇。武士の時代を舞台に、海族、山族が天下取りする話。
    信長あたりから、幕末までは、割とよく見られる展開。源氏平家の部分は、詳しくなかったので、改めて面白かった。
    とにかく長い武士の時代を、ダイジェストにしてあるので、時代の流れが読めて面白い反面、物足りなさもあったりして。2冊くらいに分けて、じっくり読みたかったな、という感もあり。
    とはいえ、うまくまとまっていて面白かった。
    あ、決して時代小説ではないです。ファンタジーかな。

  • 将門の乱から西南戦争までの武士の時代の話の連作。山の人、海の人という対立軸がずっと続いている。
    日本の歴史をいろいろな作家が参加して書いていく企画の中の一冊らしい。読みやすく、そこそこ面白かった。
    ただ、後半へたるかんじがした。

  • 戦国ものかと思って読んだら、ファンタジーでした。もそっと骨太な戦国ものを読みたかったので、なんでこんな設定なのかなと不思議に思ってたら、ある文芸誌の創刊企画で、8組の作家がそれぞれあるルールと設定にしたがって書いたものだと巻末に書いてり、どうりで無理矢理感ありありだったなと思って、それ最初に言ってよって思わされましたとさ。

  • 螺旋プロジェクト本。

    源氏と平家の戦いから、幕末の新政府軍と旧幕府軍の戦いまで書かれた本。

    名前を知っている有名な戦も、裏を返せば海族と山族の争いだった?そんな話。

    今まで読んだ本は、海族と山族は理解し合えない関係だけど、何とか理解しないとね。みたいな内容でしたが、この本は、理解し合えないからこんなに争いが起きた的な感じで。

    そして、それを見守る人もいるわけで。色々な人に取り付いて?います。

  • 螺旋シリーズ6冊目
    源平合戦から、明治維新まで。
    歴史の主だったところを切り抜いて書かれてて、歴史物語としてはそれなりに読めるが、歴史に基づいてるだけあって、海と山の対立が明確ではない。
    海と山で互いにいけすかなく思ってても、大局を見た結果、手を結ばざる得なかったり、何だかすっきりしない。
    海、山の血縁も本当にこうなってるのか怪しい…歴史に詳しい方が読んだら、違和感が沢山出るのでは❓
    私も、幕末ファンとして、違和感を感じざる得ない話でした…
    最後、蒼色の大地に出る、平蔵さんが出てたね⭕️
    やっぱり、時系列に読む方が楽しめるのか?

  • 螺旋プロジェクトに慣れて、物語の面白さを味わうことができるようになりました。日本史上の人物と戦いを時代ごとに、海と山とに上手に分けましたね。大河ドラマ5年分を一気に読んだ気分です。

  • 藤原家が栄華を極める都に見切りをつけ坂東に戻って8年、敵対して常陸の豪族・源護にも勝利し坂東の旗頭となった将門。常陸の豪族・藤原玄明の富を当てにした受領の藤原惟幾に対し玄明を庇護し戦となるー

    ◆うわーぉ。ガッツリ歴史教科書って感じで話入ってこねぇー…。何が苦手ってみんな似たような、そのくせ読めない名前ばっかりで。山岡荘八の家康とか司馬遼太郎の竜馬は「きっとこんな人!」ってイメージ湧くけどスンゲーざっくりなんだもの…。でも。海族、山族、そして審判で考えると、おぉ、そうかもしれぬ…と妙に納得(笑)

    人は争うもの。対立がなくなれば世は立ち行かない。争いが続けば世は荒れ果てる。秩序を築く者が必要になる。 戦乱と泰平、混沌と秩序、それは渦を巻き螺旋となって繰り返される。「モノノフの国が始まる契機を作った」将門。以来支配になれきったこの国の民にデモクラシー根付かせるには時間かかる、対立を繰り返し前に進む、武力で為政者を決する時代はその死とともに終わる、もののふの国に幕を引くものとして選ばれた西郷。あぁ。まさかそちら側にいくこともあるなんて。

  • 歴史物として読ませてくれました。けれど海族と山族の枠にはめるのは、ちょっぴりツラい感じがします。

  • 近世になれば、馴染みがあるので読みやすかったし、こんなことも有りかもみたいな面白さがありました。

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著者プロフィール

天野純希
1979年生まれ、愛知県名古屋市出身。愛知大学文学部史学科卒業後、2007年に「桃山ビート・トライブ」で第20回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。2013年『破天の剣』で第19回中山義秀文学賞を受賞。近著に『雑賀のいくさ姫』『有楽斎の戦』『信長嫌い』『燕雀の夢』など。

「2023年 『猛き朝日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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