月人壮士 (単行本)

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 194
レビュー : 32
  • Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120051975

作品紹介・あらすじ

気鋭の歴史作家が描き出す、聖武天皇の真実!


'756年、大仏建立など熱心に仏教政策を推進した首(聖武)太上天皇が崩御する。道祖王を皇太子にとの遺詔が残されるも、その言に疑いを持った前左大臣・橘諸兄の命を受け、中臣継麻呂と道鏡は、密かに亡き先帝の真意を探る。しかし、ゆかりの人々が語るのは、母君との尋常ならざる関係や隔たった夫婦のありよう、御仏への傾倒、迷走する政……と、死してなお謎多き先帝のふるまいや孤独に沈む横顔ばかりで――。


伊坂幸太郎、朝井リョウをはじめとする人気8作家による競作企画【螺旋プロジェクト】の1冊としても話題!

感想・レビュー・書評

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  • 序章からして難解であった。
    聖武天皇である首(おびと)さまの崩御ではじまる。名前の読みからして難しい。人物関係も天皇家・藤原家略図とにらめっこ。この時代の歴史はごちゃごちゃしていて苦手なんだよなと思いながら読み進めていきました。
    首さまが、死の間際に残した遺詔(いしょう)つまりは最後のみことのりを探せと命じられて、看病禅師の道鏡が関係者に話を聞くというスタイルです。関係者が一方的に話す形式ですが。
    国を治めてきた天皇の血統が山なら、藤原氏は海ということで、螺旋プロジェクトの話につながつていきます。
    半ばぐらいからは、人物関係が頭に入ってきて俄然面白くなってきました。
    藤原氏と天皇家の関係性の解釈としても、面白いですし、この本を読んでいたなら、この時代の日本史の学習も楽しくなると思います。長屋王の変もよくわかりました。
    天皇の即位順がごちゃごちゃしていたり、何度も遷都を繰り返したりとなんでなんだろうと思っていましたが、この本を読んで、こういう理由だったのかもしれないと理解できました。
    澤田さんに感謝!澤田さんの他の本も読んでみたくなりました。

  • ちょっと興味の対象から外れる。

  • この時代は好きなんですが、
    何故かなかなか読み進められなかった。

    「螺旋プロジェクト」はあんまり…

  • 初めて生れながらにして天皇を約束され、絶対的な富と権力を有し奈良の大仏を建てた聖武帝ですが、その治世は謎に満ちています。多くの歴史学者が謎に挑んでいます。澤田さんは、外堀からのアプローチで聖武像を際立たせようと試みました。ただ、物語は盛り上がりに欠け、残念ながら謎の核心に迫れたとも思えません。血を問題とされていますが、それは蘇我氏の時も同様です。先ずは、取り憑かれたように都を転々とした理由が知りたいですね。

  • 期待の割にはいまひとつな螺旋プロジェクトの一冊
    月人壮士=聖武天皇
    山海対立がわかりづらい 消化できていない感じがする

  • 図書館で借りた本。天皇は天照大神なのに仏に救いを求める聖武天皇。この月人壮士は聖武天皇の事である。彼は天皇一族の純血ではない出生からくる苦悩に生涯悩まされ、自分を産んだ藤原家出身の母を恨み、これからも天皇一族として続いていく藤原家の血筋をどこかで止めたかった。その反面、藤原家繁栄の為にライバルを抹殺したりもしている。鑑真や道鏡も登場し、ストーリーは聖武天皇について10人からインタビューをする形式で書いてあるので読みやすかった。

  • 複数作家による「螺旋プロジェクト」のひとつだそうで、海と山の対立みたいものを無理やり設定に織り込んであるのが残念。ふつうに澤田先生の世界観だけでよかったわ。聖武太上天皇はどんな人物だったか、何人かの視点で語る内容。栄進していく前の道鏡をメインキャラに据えるのはめずらしい。

  • 聖武天皇と言えば、東大寺大仏、鎮護国家のイメージが真っ先に来る人物だが、本書は、歴史の授業では語られない偉人の生きた顔を見せてくれる。首(聖武)の真の遺詔を求めて関係者に話を聞いていく内、首の人物像が明らかになってくる。母も妃も藤原氏ゆえ、歪んだ皇統のもとに生まれた自身に生涯をかけて苦悩した首。その為、実母への忌避、度重なる遷都、仏教へののめりこみなど、周囲を翻弄させ、時に不幸にもする。光明子や阿部など皇室一同がとても幸せに見えない家族に思えた。人として本当になすべきことを気づくのに遅すぎた、首の矛盾に満ちた苦い人生がここにある。

  • 螺旋プロジェクト3冊目、ようやく海と山の意味が解ってきた。しかし、歴史の授業で習った聖武天皇のイメージが… それとこの作家さんの物語の書き方が衝撃的だった。失礼ながら予想より面白かった。

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著者プロフィール

澤田瞳子(さわだ・とうこ)
1977年京都府生まれ。同志社大学文学部文化史学専攻卒業、同大学院文学研究科博士課程前期修了。専門は奈良仏教史。母は作家の澤田ふじ子。時代小説のアンソロジー編纂などを行い、2008年、第2回小説宝石新人賞最終候補。2010年『孤鷹の天』で小説家デビュー。2011年同作で第17回中山義秀文学賞を最年少受賞。2012年『満つる月の如し 仏師・定朝』で第2回本屋が選ぶ時代小説大賞、第32回新田次郎文学賞受賞。2015年『若冲』で第153回直木賞候補。2016年同作で第9回親鸞賞受賞。2017年『火定』(PHP研究所)で第158回直木賞候補。2019年『落花』(中央公論新社)で第32回山本周五郎賞候補および第161回直木賞候補に。

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