私が結婚をしない本当の理由 (単行本)

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120053375

作品紹介・あらすじ

会員になれば3ヵ月で結婚できる――そんな評判を耳にして、青山の一等地に事務所を構える「スマイル結婚相談所」に、今日も男女が訪ねてくる。30代食品メーカー勤務女性、30代洋酒メーカー勤務男性、20代家事手伝い女性、30歳医薬品メーカー研究者……。彼らはなぜこれまで結婚しなかったのか? 実は二人とも独身の44歳社長・岸本達也と34歳スタッフ・葉山希が、その謎に迫る!

感想・レビュー・書評

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  • 「スマイル結婚相談所」は、三ヶ月で結婚できるという評判があるが、果たしてそうなのか…。

    社長の岸本(44歳)とスタッフ葉山希(34歳)、実はこの二人も独身なのだが、表面上左手の薬指にリングはしている。

    さまざまな結婚願望の男女が、並々ならぬ理想を掲げて相談所にやってくるのに圧倒される。

    今は、結婚したくない男女が増えているのでは…と思っていたが、それなりにみんな結婚したいと思ってはいることに驚く。
    それはさておき、自分のことを棚に上げ相手に対する理想が高すぎるのではないか…と思うこともしばしばある。

    そうは言っても結婚を前提にしているのだから、しっかりとした目で見なければ…というのもわかる。

    なんだかんだで、なんとか上手くいきそうな雰囲気である。

    私が結婚をしない本当の理由というのは、この相談所の岸本と葉山であったことになるほど…と思った。

    いろんな人を見ている二人。
    上手くいかないはずはないだろう。



    「子育ては待つ練習。結婚は許す練習。人生は笑う練習。」


    できているかな…








  • 初めて志賀さんの作品を読んだが、想像以上に面白かった!婚活が終われば次は妊活、就活。。。と、人生は常に『〇活』の連続なんだな〜と共感。

    そしてラストはまさかの展開〜!!!笑笑

  • 子育ては待つ練習、結婚は許す練習、人生は笑う練習という文面が3回ほど出てきた。
    なるほど、誰が言ったか分からないけどしっくりくる名言。
    志駕晃さんは『スマホを落としただけなのに』の著者さんだけど男性、女性両方の結婚の条件や恋愛感情などを詳細に書かれていたし、今は50歳を過ぎても結婚や就職もせず80代の親の年金で暮らしている人も少なくなく結婚相談所のリアルな世界が見えて読みやすかった。

  • 結婚相談所に適齢期超えの人たちのヒューマンドラマ。
    為になった言葉↓
    結婚だけが幸せのかたちでは無いが、一人口は食えぬが二人口は食えるのが結婚かも知れない。
    結婚を人生の墓場に腹を括り、自分のDNAの襷を継なぐのも悪く無い。

  • 志駕先生の新作。非常に楽しく読めた。
    前作のオレオレ詐欺の作品と同様、相談所のプランや金額、独身でも既婚者を装う姿勢など徹底した取材力には毎回感銘を受ける。

    今回の作品は、結婚相談所が舞台。
    登場人物は皆、独身であり訳あって結婚に至らなかった人ばかり。
    なぜ、容姿端麗、お金持ち、高学歴なのに結婚できないのか。そして、幸せな結婚とは何か。読了後、自分の人生を見つめ直すキッカケになる事は間違いない。


    この本を読んで学んだ事は、
    ①承認欲求を基準に相手を選ぶと失敗する。
    ②勘違いは、人を狂わす凶器である事。


    親や友人から羨ましがられたい、認められたいという気持ちは分かるが、顔や年収、職業が優れているから、幸せな結婚ができるとは限らない。
    仕事が忙しかったり、浮気症だったりが原因ですれ違いが生じ、理想と現実のギャップに苦しむ事もあり得る。
    選択する時は、見栄や他人の目線を外して考えると良い人と出会えるチャンスが増えるのかなと思う。


    人は今の状況がずっと続くと思っている。
    モテてきた自分、成功してきた自分・・・。永遠に続くわけがない。
    過去の経験を基準に考えると、変化できなくなり終わってしまう。
    なので、今の現状に満足せず、日々勉強して、頭と心を磨き続ける事が大事だなと思った。

  • コロナ禍が出てきて驚いた。
    婚活だけでなく、人生について重くなりすぎずに考えさせてくれる話。
    ほっこり。
    『スマホを落としただけなのに』の作者だったとは。

  • 結婚はいきおいやと思うね。結婚したら、ふたりで前進のみ。いろいろ考えたらあきまへん。

  • 結婚しない理由、かぁ。アラフォー独身女には刺さるタイトルだわ。キャラが魅力的で、読んでいて気持ちいい。

  • 成婚率の高さをウリにしている結婚相談所を訪れた人々の90日間の婚活悲喜交々。断られたり断ったりリアルな人間模様も描かれていた。結婚しない理由は様々あるけれど、結婚するのにも腹を括って「エイヤー」ってくらいの踏ん切りが必要なのかも。作品は面白くて一気に読めました。

  •  結婚相談所を舞台にしたヒューマンドラマ。 
     結婚相談に訪れた数人の入会者についても(全員ではないが)心情部分まで描かれているなど、群像劇の体裁をとっている。

         * * * * *

    晩婚化が進んだ上に貧富格差が広がっている現代は 30 歳を大幅に過ぎてもなお未婚のままである人は激増しています。さらに離婚率の高さが独身者増に追い打ちをかけるようです。

     けれど、結婚しない(できない?)理由はそれらだけではありません。ワンオペ介護や親離れができていない等は実際問題として多くあるはずでしょう。(親の前科を苦にするのも少なくないかも。)
     そんなことに気づかせてくれる、意外にも社会派の作品でした。

     ただ、主人公が好感度の高いイケメン中年なのはともかく、少ない登場人物の中に2人も美人がいるのはサービス過剰かもと思いました。

     でも、垣根涼介さんの『君たちに明日はない』みたいな文体で読みやすいし、ハッピーエンドも嫌いでないので、それなりにおもしろかった。

     最後に、引用された箴言で、
    「子育ては待つことの練習だ」
    「結婚は許すことの練習だ」
    「人生は笑うことの練習だ」
    の3つはなるほどと感心したし、最後の
    「結婚は人生の墓場だ」
    を結婚相談所のアドバイザーに言わせた〆には吹き出してしまった。

     軽いタッチで描かれ、読後感は悪くない上、いろいろ考えさせてもくれる作品でした。

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著者プロフィール

1963年生まれ。第15回『このミステリーがすごい!』大賞・隠し玉作品『スマホを落としただけなのに』にて2017年にデビュー。他の著書に『ちょっと一杯のはずだったのに』『スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼』がある。

「2022年 『たとえ世界を敵に回しても』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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