- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784120053702
作品紹介・あらすじ
南北戦争(1861~65年)は、アメリカ史上、もっとも重要な戦争である。黒人奴隷の問題に端を発した争いは、アメリカ全土を二つに裂き、各地で激しい戦闘が繰り広げられ、その後の歴史にも巨大な影響を及ぼした。
本書は、日本ではあまり知られていない南北戦争の実態を描き出す試みである。戦いの軌跡や、リンカーンやリー、グラントなどキーマンたちの動きなどを記す。そこからは超大国の源流も垣間見えるだろう。
感想・レビュー・書評
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BLMの時に、内戦までしたのになぜ奴隷問題が解決していないのかということと、偏見で申し訳ないのだけど…そもそも白人が黒人奴隷を解放するために内戦までするのかな、ということが気になったので。そもそも南北戦争について殆ど知らない、ということに気がついたので入門書みたいなものを捜してみた。まず何よりも驚いたのは第二次大戦やベトナム戦争よりも南北戦争の方が圧倒的に犠牲者が多い、ということ。これについては兵器の問題、つまり手榴弾や迫撃砲や航空戦力がないところに銃だけはライフルが量産されて命中精度が上がっていて結果的に水平にお互い撃ち合う、という戦闘にならざるを得なかったかららしい。時代的に少し前であれば刀や精度の低い銃が主要な武器なので結果として極めて残酷な戦争になってしまったということが分かった。不勉強ぶりを晒すようで恥ずかしいがそもそも当時のアメリカでは南部の大農場主を中心とした民主党が支配的な勢力であり、それに対抗する勢力が共和党を結成しリンカーンという稀代の政治家を中心に台頭してきた、ということが問題の発端であり、共和党が南部の大農場主に対抗するための一つの方策として打ち出したものが奴隷解放という概念である、ということらしい。分離独立を唱えた南部の大農場主は圧倒的に人数が少なく、分離独立を認めさせる主要な相手がイギリス、フランスで既にどちらも奴隷解放していたことから最初から南部に勝ち目のない戦争であるということを最初に喝破したのが軍事評論家として当時定評があったマルクスとエンゲルスだったというところも興味深い。作者も書いているが南北戦争辺りからの歴史を学ぶことがアメリカという国家を理解するためには必要だということが分かった。非常に参考になりかつ面白かった。
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南北戦争について知りたいと思っていたので、丁度よかった。
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アメリカにとって、特に南部にとって、南北戦争がどのような意味であったがとてもよくわかる本だった。つまり、南部にとっては第2次独立戦争であり、アイデンティティの喪失につながる「敗戦」だったわけだな。つい、日本にとってのアジア太平洋戦争の敗戦とパラレルに捉えてしまう。
アメリカの「敗戦」といえば、真っ先にベトナム戦争が思い浮かぶ。南部においてベトナム戦争の「敗戦」は、どのように捉えられたんだろう。そこに、南北戦争の「敗戦」の記憶が影響したりしているんだろうか。 -
超大国の原点とも言うべき南北戦争。なぜ争いは生じ、いかなる展開を見せたのか? 政治家や軍人の動き、戦場の様子などを活写する。
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【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 国家分裂から開戦までの道のりー一八六一年(サムター要塞の戦いにはじまる/アメリカ連合国とは何か ほか)/第2章 アナコンダ計画の牙ー一八六二年(トレント号事件/「戦争はいっぺんに一つでいいよ」 ほか)/第3章 ゲティスバーグという分岐点ー一八六三年(奴隷解放宣言/宣言をめぐっての対立 ほか)/第4章 大流血ー一八六四年(アナコンダ計画と封鎖突破の試み/窮する南部、発展する北部 ほか)/第5章 南部連合の崩壊とリンカーンの死ー一八六五年(ピーターズバーグの戦い/黒人兵の活躍 ほか) -
南北戦争、「アナコンダ作戦」「モニター」「リー将軍」「グラント将軍」くらいしか知らんかったからな。
しかし、リンカーン大統領は秀吉みたいな人で、
リー将軍は義経か、楠木正成か。
グラント将軍は黒田如水みたいな人だな。(ざっくりとした感想
それにしても、そこまでgdgdだったのかよ<南部連合