- Amazon.co.jp ・本 (271ページ)
- / ISBN・EAN: 9784120054266
作品紹介・あらすじ
老舗ホテルで働く涼音は、念願叶って憧れのマーケティング部サービス課、アフタヌーンティーチームに配属された。
喜び勇んで、アフタヌーンティーの新企画を出したものの、パティシエ・達也に「目新しければいいってもんでもないから」と冷たく却下されてしまう。
「最高のアフタヌーンティーって、一体、なんだろう?」
大人気「マカン・マラン」シリーズの古内一絵、期待の新作が登場です!
感想・レビュー・書評
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おかしいなー、誕生日の話しなんて、何一つ出てこないけど・・。
誕生日クロニカルをよんでいるつもりだった。
滋おじいちゃんは
お菓子はご褒美なんだ、だからだらしない気持ちで食べたらもったいない。
「お菓子はちゃんと味わって食べなきゃ行けない。寝転がってテレビを見ながら食べたり、だらしなく際限なく食べたりしちゃ駄目なんだ。」
滋おじいちゃんの話すことは深い。
涼音が内部異動してきたことで、香織も瑠璃も達也も秀夫も、転職していたあの人も成長していく。
それにしても、クリスタさん、ここに登場。クリスタさんの生活を少し垣間見せていただきました。
美しい所を見ていきる、すごくきれいな心の私になれそうです。
アフタヌンティーのこと、お菓子や紅茶のこと、勉強になりました。これから、大好きな紅茶やお菓子が今まで以上に美味しくいただけそうです。
ポルポロン、ポルポロン、ポルポロン。
願いが叶いますように・・・。
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装丁に惹かれて手に取りました。内容もよかったです。主人公の涼音が「老好人(おひとよし)」と嘲られたとき、まるで自分のことのように感じました。私も、他人の言動のなかに、自分に都合の良い面しか見えないことがあります。いえ、気づいていないだけで、いつもそうなのかもしれません。涼音と同じく急に自分が幼稚に思えました。そんな涼音が自分の在り方を見出していく姿にとても勇気づけられました。また、もう一人の主人公である達也が、同僚のちょっとした言動に拘泥して「さすがに狭量が過ぎている」と自分で自分に呆れるところや、自分自身もその辛さを知っているはずなのに、つい無神経な物言いをしてしまうところも、まるで自分のことのようでした。気をつけているつもりでも、つい地金が出てしまう感じ。。わかる。そんな達也だけど、その美質が周りにちゃんと伝わっていたことに救われた思いがします。見目麗しいガトーや可愛らしいプティフールの甘さを引き立たせるために、ひとつまみの辛い塩や少量の苦い酒が必要になる。私たちが生きていく世界は一筋縄ではいかないものですね
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あーこの本って続編ないの?
こんなに私の胸をキュンとさせて終わるなんて!
私のこの胸のトキメキをどうしたらいいのー!!
本当はね、まずこの本の見開きの次にある紙がすっごく素敵だったからそこから始めようと思ってたのに。
レースのような真っ白の紙とネイビーの組み合わせがとてもとてもこの世界の入り口への期待感を高めてくれてとても良かったの。
アフタヌーンティーって1人では敷居が高いから私にはきっと縁がないと思っていたけど、いつか行ってみたいな。
美味しいお菓子と美味しいお茶を自分へのご褒美として一人でたっぷり贅沢に楽しむの。
この本に出てくる人たちも親近感があって、この世界観にすんなり入れた。
暫くはこの胸のキュンキュンでご機嫌で過ごせそう。 -
「アフタヌーンティー」。なんて魅力的な響き。
個人的には田舎にいて、金銭面的にも精神的にも(笑)そんな高尚なものには手が出にくく、一度も味わったことがない。
アフタヌーンティーは社交の場ではなく、もともとは1人でこっそりと味わうものだったという。
そんなアフタヌーンティーに魅了され、奮闘する人たちのお話。
お菓子は「自分へのご褒美」。わたしもそうやって味わいたいなと思う。
登場人物ひとりひとりに共感できた。
それぞれなりの孤独があって、他人から「あいつは普通じゃない」と分断された経験があって。
だけどそれらを乗り越えようとしていて、やりたいことに向かって進みたい気持ちがある。
個人的にはディスレクシアの人に英語を指導する経験があるので、達也にはいたく共感できた。
ほんとに、日本語は全く問題ないのに、アルファベットはごっちゃごちゃになって見えるのである。
世間的にはマイナーで広まっていない障害なのでこうやって取り上げられていてちょっとうれしかった。
「人が生きていくのは苦いもんだ。だからこそ、甘いもんが必要なんだ」(171ページ)
おじいちゃんのこのセリフが印象的だった。重みがある。
わたしも、京子のように周りを気にせずに自分だけの世界に浸って、美味しいお菓子を存分に味わってみたい。
そして、涼音、達也、それぞれの今後の人生に幸あれと願った。 -
華やかな舞台の裏には想像絶する過酷な世界があるもの。
キラキラしたお話かと思いきやめちゃくちゃお仕事奮闘お話でした。
主人公の悩みのほかに、ホテルスタッフ、お客様、色んな視点の物語があった。
特に産休に入った先輩の話とパリピ後輩ちゃんの名言は辛かったな...。
みんなそれぞれにアフタヌーンティーに思いれがあって私もその空間ごと味わってみたくなった。
椿山荘をモデルにしてるだけあって想像も簡単にできた。雲海見てみたいけど、なかなかハイレベル過ぎて行けない...。
HPをみながらニマニマ勢。想像しながらお家アフタヌーンティーするか。
私自身ホテルスタッフ経験あるから、調理場との意見食い違いは何度もしてきた。その時代が少し甦ってきてその部分も辛かったな。 -
上品な“お紅茶”とスタンドに盛られたお菓子の表紙に惹かれて手に取った本書。
美しい庭園が自慢の〈桜山ホテル〉に勤める遠山涼音は、念願のアフタヌーンティーチームへの異動が叶います。
“最高のアフタヌーンティーを提供したい”という熱意のもと、早速意気込み溢れる新提案の企画書を提出しますが、シェフ・パティシエの飛鳥井達也にバッサリと却下されてしまい・・。
老舗ホテルを舞台に、ラウンジスタッフの涼音の視点と、パティシエの達也の視点を交互にした、連作形式で綴られる構成となっております。
所謂お仕事小説ではあるのですが、そこに関わる人達が抱える様々な問題にも触れていて、正規・非正規雇用の格差や、多様性採用枠に対する差別、キャリア出産の厳しい現実等々・・・“リアルしんどい事がリアルに”描かれているので、“共感性強めの絹ごし豆腐メンタル”の私は、読んでいて心がヒリつく時が正直ありました。
とりわけ、職場の人間関係に悩む京子さんがソロアフタヌーンティーで心を癒しているのを、心無い同僚たちに見つかり揶揄されてしまう場面は、共感性大発動してしまいマジ辛かったです・・。
(※私が敏感なだけで普通のメンタルの人は大丈夫と思いますよ~)
と、個人的にしんどいパートはありましたが、いうても「最高のアフタヌーンティー」が題材なので、色とりどりの美味しそうなお菓子たちや、共に楽しむ種類豊富なお茶の描写にはワクワクしますし、四季折々の美しさを見せる庭園描写も素敵で、その空間の優雅さが伝わってきて思わずウットリとなったのも確かですので、前述のしんどさも相殺される感じです。
主人公の涼音は、まさに朝ドラのヒロインといった感じの“頑張りやさん”で、最初はそういうキャラ特有の、悪気のない無神経さにモヤついていたのですが、話が進むにつれてちゃんと成長していくので後半には好感を持てるようになりました。
そして、自身の“ある特性”によって辛い思いをしたことからトガリ気味だった達也も徐々に丸くなって、前向きになっていくのも良かったです。
さらに、お菓子の文化等の蘊蓄も面白く、涼音が京子さんの意地悪同僚に語った“アフタヌーンティーの起源”も、語るタイミング的には微妙でしたがその内容は興味深かったです。
読了後、“アフタヌーンティー”をまんま和訳した某紅茶のパッケージに描かれた貴婦人を眺めて“あんただったのか!”とちょっとウキっとなった私です。
と、いう訳で色々ありましたが優雅なアフタヌーンティーの雰囲気を満喫させていただきました。
因みに本書に登場した“ある人物”が、古内さんの代表作「マカン・マラン」シリーズにも出ているようですね。
私はそちらはまだ未読なのですが、“リアルしんどく無ければ”読んでみたいんだけど、どうしようかな~・・なんて思っております。 -
古内一絵 著
先日…、と言ってももう1か月以上経ってしまったが…(・_・;)市民会館で同じ習い事の七宝(講座)を
している、お稽古仲間の友人にこの本を、
お借りしたのだが…彼女曰く
「とても、お気に入りの本で何度も読んで、心落ち着くんです」とか。
「そう…ありがとう、嬉しい!」
なんて、借りた単行本だが、タイトルが、、
「最高のアフタヌーンティー…」ふ〜ん。
彼女はフランス料理も習っているとか…
いつも、エレガントな雰囲気だし、料理好きな、彼女にとって特別な本なんだろうなぁ
(心の声…(^_^;
古内一絵さんも存じ上げなかったし、著書すら読んだことがなかった自分( ̄д ̄;)
自分からは絶対手にしないだろう本だなぁ、なんて思ってたけれど、彼女のお気に入りの本であることと、それを貸してまでくれるんだから、良作に違いない⁉︎自分なら敢えて読んでこなかったジャンルだからこそ、余計…どんな作品なんだろう?って俄然興味が湧いてきた(^◇^;)
実のところ、アフタヌーンティーの事、何となく知っているが…あの3段重ねのようなケーキやスコーン、(サンドウィッチもあるのかな?)綺麗だけど、見るだけで、いくら小さいと言えど、あんな沢山のお菓子を食べることなんて出来ないし、そんな機会もないだろうと、縁遠く思っていたのだ。
(話は逸れるが、
以前、”マツコの知らない世界”TVで
アフタヌーンティーにハマっている女性
の話を聞いたり観たりした。
色んなホテルのアフタヌーンティーに
ハマっており、見るには美味しそうで
華やかなイメージだった(о´∀`о))
本のあらすじとしては、
老舗・桜山ホテルで、憧れのアフタヌーンティーチームへ異動した涼音。
夢にまで見た職場で初めて提出した企画書は、シェフ・パティシエの達也に却下される。悩む涼音だが、お客様、先輩、そして達也の隠れた努力を垣間見ることで、自分なりの「最高のアフタヌーンティー」企画を練り直し…、頑張りたい。だからこれは、自分への最高のご褒美!
「マカン・マラン」シリーズが大ヒット心に染みると評判の著者待望の新作!と紹介されてあった。
それで、
前置きが長くなってしまいましたが、
予想に反して(^^;;とても、良かったです!
唯のケーキやアフタヌーンティーの話ではなく、
人それぞれの生き方、考えた方
それだけでもなく…人生の岐路に立って、
自分の好きな分野に気づき芽生えるものを知る。
苦い経験の末、辿り着いたもの、そこから生まれくるものにヒントを得たり、人生の中で育まれる色んな深い要素が散りばめられていた。
勿論、
アントルメの話も興味深い
「アントルメ…
西洋料理の正式献立で,ロースト料理のあとに供する甘味の料理をいい,デザートの一つに当たる。しかし一般には食後に供する甘い菓子類をいう。
プディング,パンケーキ,焼いたり揚げたりした果物(くだもの)など。また冷たいものではアイスクリーム,ババロアなどが代表的」
最初は冷たい人間かと思ってた達也のアントルメに傾ける情熱には心奪われて魅入ってしまったし、
彼の話には正直泣けました( ; ; )
(全然…嫌な冷たい人間でもなかった)
読み初めは、主人公である涼音の独走的といおうか…?かなりトンチンカンな調子に、何?この女性?と少しムッとした部分もあったが、ラストには、色んな個性ある人との触れ合いや出来事で、
自分という人間を改めて知ることが出来たり、それでも、曲げてはならない信念を貫く大切さを知る、そんな中で
ちゃんと成長してゆくんだ!と微笑ましい気持ちになった 達也同様、涼音を勘違いしてた部分もあった( ´ ▽ ` )
それにしても、
涼音の祖父の言葉は心に響きました
「人が生きていくのは苦いもんだ。
だからこそ、甘いもんが必要なんだ」
甘いもの(洋菓子)が、そんなに得意でない私でも、思わず、ホテルのアフタヌーンティーの様子をネットで見てしまいましたよ(^。^)
それから、フレンチ料理のコース好きな自分は、そー言えば、フレンチコースで出てくる最後のデザートは絶品だよね!あんな美味しいデザートあるんだって思い出して、ニヤついてしまったσ^_^;
この、作品は、フィクションなのだけど、
“ホテル椿山荘東京”をモチーフにしているみたいですね、、興味ある〜(@ ̄ρ ̄@)
全然、、関係ないんだけど、かなり前に再放送BSで観た映画「バベットの晩餐会」名作!
もう一度観たくなりました(о´∀`о)
大食漢の自分ではなくとも、本にしろ映画にしろ、料理の話って面白いですよね
美味しそうで華やかだけでなく、料理を作る工程もとても大変で繊細な分、素直に感心してしまう。
この作品のラストは何だか、もう一度泣けてきてしまいました( ; ; )
お菓子の話しで泣くとは思っていなかった。
この本を貸してくれた友達に改めて感謝
自分の知らなかった世界を見る事って大切
素敵な世界を堪能させてもらいました。
ありがとう(^^) 読了。
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2/13
うん。ほのぼの小説が好きな私にとっては本棚に飾っておきたいくらいのものだった。
派手ではなくつまらないなと思っている人生でも、
実は彩られていたんだと、気づくことができる。
そんな自分には、ご褒美にスイーツを食べよう! -
周囲の人をうらやみ、今の自分に焦るときはある。だからこそ、自分の弱さを認め、向き合いながら生きていくことを教えてくれる一冊。
豪華なアフタヌーンティーでなくても、お菓子は幸せを与えてくれる。コロナが明けたら、甘いものを食べに行きたい!
2021,5/19-5/20 -
読みはじめた時は砂糖菓子みたいに甘いだけの内容かと思ったけど、ほろ苦さも兼ね備えていてぎゅっと中身の詰まった一冊だった。ワーママ視点でも考えさせられるものがある。