占領神話の崩壊 (単行本)

  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (701ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120054532

作品紹介・あらすじ

日本の敗戦前後、あまたの公文書が焼却されたと言われている。しかし、決裁文書などを除く多くが「私文書」として個人の手許に残されていた。これらの資料を、占領期に積極的に収集したのが、フーヴァー研究所東京オフィスであった。


 フーヴァー研究所は、スタンフォード大学の第一期卒業生であった第31代米国大統領ハーバート・フーヴァーが1919年に設立した研究機関。戦後、フーヴァー自身、占領下の日本、ドイツに赴き、占領政策にコミットした。その一環として、資料収集計画があった。


 駿河台の東京オフィスを拠点に、1945年11月から1951年3月まで、書籍・専門書・新聞などを含む1468箱が海路米国に持ち出された。これらの資料には、「GHQ直筆・日本国憲法の原文」「東京裁判の宣誓供述書」「関東軍特務機関の阿片政策」「日本共産党員の獄中手記」「特高警察の極秘史料」などの一次史料が多数含まれ、「フーヴァー・トレジャーズ」(Hoover Treasures)と呼ばれることになった。


 本書は、こうして形成された「フーヴァー・トレジャーズ」から占領秘史を炙り出したものである。そこで浮かび上がるのは、日本国憲法制定をめぐるGHQと吉田茂の取り引き、東京裁判における天皇免訴をめぐる暗闘、満洲国の財政を支えた阿片取り引きとそれを担った三菱・三井、日本国内での阿片栽培……などの新事実である。


 戦後に改竄された「歴史の欺瞞」を炙り出す試みであり、『國破れてマッカーサー』の続編、発展版とも言える著作である。

感想・レビュー・書評

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  • 寛永の大飢饉を経て、幕府は勧農政策、藩主は領内の開発を推進。〈犬公方〉綱吉のもと、西鶴や近松、芭蕉らが輩出し、町人文化が花開く元禄時代を迎える。

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著者プロフィール

1941(昭和16)年真珠湾攻撃の5日後、大阪市住吉に生まれる。岡山県の山間の城下町備中高梁へ疎開。関西学院大学文学部卒業直後の1965年7月、シアトルのワシントン大学大学院へ留学し、博士号PhD(国際政治・比較教育学)を取得。留学初期、授業料稼ぎのため肌が切れるほど寒いアリューシャン列島サケ缶詰工場(イクラ製造)やニューヨークのJ. Walter Thompson広告代理店に勤務。シアトル大学大学院客員教授、麗澤大学教授、日本大学大学院教授、モラロジー研究所教授、滋慶学園教育顧問などを歴任。現在、スタンフォード大学フーヴァー研究所「Tadahiro Ogawa Fellow」。著書に『國破れてマッカーサー』『富国弱民ニッポン』『アメリカ帝國 滞米五〇年』などがある。懸賞論文「美学の國を壊した明治維新」で第九回最優秀藤誠志賞を受賞。

「2021年 『占領神話の崩壊』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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