そして誰かがいなくなる (単行本)

著者 :
  • 中央公論新社
3.45
  • (9)
  • (48)
  • (61)
  • (7)
  • (1)
本棚登録 : 870
感想 : 55
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120057441

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ミステリの舞台にうってつけな邸宅を建て、その自邸で繰り広げられる主の消失と殺人事件。主は覆面作家、招待客はミステリ作家や編集者、書評家など。そして名探偵。外は猛吹雪で外に出るドアや窓には開けると鳴り響く警報機が設置されている。リアル謎解きミステリのようである。それぞれが次第に疑心暗鬼になる中、名探偵が真犯人を名指しするが。
    エピローグの真の謎解きでやっと腑に落ちた。

  • 大人気覆面作家御津島磨朱李の新邸お披露目会に招待されたのは作家、編集者、評論家、名探偵
    御津島は意味深な発表をした後からいなくなる
    吹雪でクローズドサークル化する新邸
    御津島を探す招待客たちに新たな謎が‥

    覆面作家ならでは、か

    動機は思い当たることがあったにしても悲しいな

  • この洋館、実在してるんだもんなあ。
    しかも作者の自邸。
    めちゃくちゃ手が込んでる。
    こういうの一度は見てみたいよねえ。
    本作もこの館と同じくらい趣向を凝らしたミステリーだった。
    閉じ込められる前から既に怪しいのに、その後も次々と不可解な事が起こる。
    謎の重ね掛けみたいな“館モノ”だった。

  • 大雪の日、大人気作家の御津島磨朱李が細部までこだわった新邸のお披露目会が行われた。招かれたのは作家と編集者、文芸評論家と……。最初は和やかな雰囲気だったが、次第に雲行きが怪しくなっていく。奇想天外、どんでん返しの魔術師による衝撃のミステリー!



    何かが起こりそうな屋敷を推理小説家が作り、そのお披露目会に呼ばれた面々。そして、外は猛吹雪で帰れないし、家主しか解除の方法を知らない警報器付きの家。そして、消えてしまった家主…!もう何かが起こらないはずがなかった。


    時折、素敵なお屋敷の内部の写真が盛り込まれている今回の本。これは、この作者が作り上げた自身の屋敷で、自身も「何かが起こりそうな屋敷を作りたい」で建築したらしい。財力がすごい。隠し部屋があったりして、もうまさに「何かが起こる屋敷」なのがすごいし、自身の屋敷をモデルにして小説まで書いてしまうなんてすごい。すごすぎてすごいしかし言えない。


    しかし、小説の中の屋敷の主人は少し嫌なやつだったなと最後の最後まで読んで思った。何かが起こりそうな屋敷に、何かを起こしそうな面々を読んで、そこに火を放つかんじ。そして、自分はそれをそっと見ている。全ては、この屋敷の主人の手の中。いや、屋敷の主人なんだから、この計画はすべて、主人の手の中でいいんだけど、なんか「ちくしょう!」って気がする。モヤモヤするっていうか。こいつが、火を放たなければ火事は起こらなかったのではないかって思う。まぁ、そうしないと、小説は進んでいかないから仕方ないけどさぁ。


    こういう小説にありがちな、でしゃばってくる探偵ではなく、普通の一般常識を持った探偵が出てきたのが唯一の救いだった。今まで読んできたような探偵が今回も出てきたら、なんかすごい濃ゆいものを食べさられているようにかんじたかもしれない。


    素敵なお屋敷で、たぶん私も招待されたら「うわぁぁ」ってなって、感動するかもしれないけど、こういうお屋敷に住むとなると維持とか掃除とか大変そうだなぁと少し主婦目線で見てしまった。憧れはするけど、2泊ぐらいがいいかもしれない。


    2024.5.12 読了



  • 面白かったけど、うーん。
    なんというか。微妙だったなぁ。
    途中まで面白かったけどラストがなんかちょっと興醒めだったかな。
    動悸がとても微妙だし。
    にしても本当にあるんだ、あの家。
    そっちの方がびっくり。

  • ほんとにこの家あるんだ!!!!
    すっごい豪邸。
    途中ごちゃっとしたけど
    分かりやすいミステリの面白さだった。
    結末知った上でもう一回読んでみたい。

  • 大御所ミステリ作家の御津島磨朱李(みつしま ましゅり)は、若手ミステリ作家や文芸評論家らを新居のお披露目パーティに招待する。招待した趣旨は、あるベストセラー作家の盗作疑惑を公表することだと言う。やがて天候が大雪となり森深くに建つ洋館が“クローズドサークル”の状況になる中、事件が起きる…

    本書を未読の方は、メディア記事やレビュー等一切読まずに事前情報ゼロで読まれることをおすすめする。帯の推薦文すら見ないのが吉。本書の核心に触れたネタバレ情報が散見されるので(触れたくなる気持ちはよーくわかるけど…)。また、くれぐれも巻末ページから読まないように。先入観無しで読めるか否かが読後感を左右するだろう。

    さもありなんの“館もの”で、タイトルからしてクリスティの「そして誰もいなくなった」のオマージュの様相を呈するが…

    中盤までのプロットはやや強引で凡作レベルの印象だったが、最終盤で化けた。マ・ジ・か!
    ちょくちょく放り込まれている館の挿画が非常にリアリティのある写実画で、物語の想像を補助してくれてありがたいなぁと感心しながら読み進めてたけど、、、そういうことですか。
    いやぁ!驚愕したしコレは前代未聞の試み。感心が感嘆へと昇華。一体いくらしたんだろう(笑)
    また、登場人物達が“クローズドサークル”もののあるあるネタを揶揄しながら進んでいく流れも、本格ミステリ愛に満ちていて微笑ましい。
    本格ミステリ好きな方には是非読んでいただきたい。遊び心とロマンあふれる一冊。

  • 登場人物と一緒に謎解きしたり、ひとつの行動や発言で疑心暗鬼になったりと楽しく読み進めることができました。
    色んな登場人物の目線から物語を見ることができるのが面白いです。

    オチは予想の範疇ですが、それで物語がつまらなくなるわけではないです。
    ただもう少し謎解き後の各人物のお話が読みたかったなと思います。

  • 贅沢な王道ミステリー。
    古典のオマージュ、密室、その部屋のイメージ写真まであるという・・・

    殺人動機は?な部分もあるけれど、それは謎解きがメインだから気にしない(笑)
    ミステリー要素を随所に楽しめるエンターテイメント小説ですね。

  • なかなか読まないミステリー作品に手を出しました。
    あの時のあれが、今ここで!?みたいなワクワク感がおもしろいんですね。
    ただ、ミステリー作品は一気に読まないとですね。少し時が経って、大事な部分忘れてたらフラグ回収もあったもんじゃないんだなと。

    これを機にいろんなミステリー作品も挑戦したいところですね。

全55件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1981年、京都府生まれ。2014年に『闇に香る噓』で第60回江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。同作は「週刊文春ミステリーベスト10 2014年」国内部門2位、「このミステリーがすごい! 2015年版」国内編3位と高い評価を受ける。著書に『生還者』『難民調査官』『真実の檻』『失踪者』『告白の余白』『緑の窓口 樹木トラブル解決します』『サハラの薔薇』『法の雨』『黙過』『同姓同名』『ヴィクトリアン・ホテル』『悲願花』『白医』『刑事の慟哭』『アルテミスの涙』『絶声』『情熱の砂を踏む女』『コープス・ハント』『ロスト・スピーシーズ』などがある。

「2023年 『ガウディの遺言』 で使われていた紹介文から引用しています。」

下村敦史の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×