詭弁論理学 (中公新書 448)

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121004482

感想・レビュー・書評

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  •  議論相手の詭弁や強弁を見破って、議論を楽しむゆとりを持とうという趣旨の本。こちらが詭弁を弄する方法や、詭弁を言い負かすことは目的としない。

     内容は実践的な論理学といったところ。うるさく走り回っているので、その両親に注意しようとした人が、逆に親に「子どもがうるさいのは仕方がない。悪影響が出たら責任をとってほしい」と言われた事例や相手の発言の趣旨をはぐらかしてばかりの寅さんの事例など、身近で面白いものが多い。

     そして、詭弁に負けないための原則は、
    1.無理やり説得しようとするな
    2.時間を惜しむな、打ち切るのを惜しむな
    3.結論の吟味を忘れるな
    4.「わからないこと」を恥じるな

     の4つ。心に留めておきたい。

  • 導入のあと,強弁術,詭弁術,論理の遊びと内容が続く.強弁,詭弁の例はなるほどと思わせるものが多く,特に強弁の分析は鮮やか.それでも,実際にこれらに出会うと,筆者の説く心構えや撃退法を知っていても,筆者同様「あまりうまくいかない」(p.123) 場面が多い気がする.
    この本も久しぶりの再読だが,「逆説論理学」とくらべると,こちらの方が,一般向けであろうが,私は対象が明確な「逆説論理学」のほうをより楽しんだ.

  • 一部は強弁、二部で詭弁の種類と類例を説明している。ドミノ論法や論点のすり替え、三段論法等の説明がわかりやすかった。三部の論理パズルも楽しめた。パラドックス問題もなかなか

  • 自慢じゃないが議論は苦手だ。という方には是非、読んでみてもらいたい。
    もちろん読んだからと言って議論が得意になるわけではなかろう。 ただ、普段、何も言えずにしかし納得のいかない思いをかみしめておられる向きには、相手の不快なやり口が綺麗に分類されているのを読むだけでも、 わずかばかりの慰めになるのではないだろうか。そうそう。こんな風にやられちゃうんだよね、と思ったりする。
    本来、議論というのは相手をやりこめるためのものではないはずだ。実際、相手に悪気はなく、心底から思いこんでいるものをどうやって説得するか。 そんな議論の場もあるわけで、ここではそのようなケースについても様々な詭弁・強弁の例をあげながら丁寧に解説してくれている。 何かおかしいんだけど、なんとなくそんな気もしてしまう。そんな怪しい相手の言い分を、誰もが納得できるようにわかりやすく説得する。 そんな議論ができるように…。
    もしかすると、明日からちょっとだけ議論が嫌でなくなるかもしれない。そんな本である。(2001-10-17)

  • オートマトンの教科書の人じゃん!!ということで読んでみた。

  • 本の前半部分では強弁、詭弁について書かれ、後半部分には、論理パズルが載っている。

  • [ 内容 ]
    人を悩ませる強弁・詭弁の正体を、知的な分析と人間観察によって見やぶろう。
    言い負かし術には強くならなくとも、そこから議論を楽しむ「ゆとり」が生まれる。
    ルイス・キャロルのパズルや死刑囚のパラドックスなど、論理パズルの名品を題材に、論理のあそびをじっくり味わおう。
    それは、詭弁術に立ち向かうための頭の訓練にもなる。
    ――ギリシャの哲人からおなじみ寅さんも登場する愉快な論理学の本。
    「鏡と左右」の問題も取り上げる。

    [ 目次 ]
    Ⅰ 議論の種々相
    Ⅱ 強弁術
      強弁術の誕生
      小児型強弁
      二分法
      相殺法
      強弁術の総括
    Ⅲ 詭弁術
      詭弁術の誕生
      強弁との境
      あてにならない話
      論点のすりかえ
      主張の言いかえ
      消去法
      ドミノ理論
      詭弁術の総括
    Ⅳ 論理のあそび
      やさしいパズル
      説得ということ
      上級パズル
      四十人の貴族とその従者
      理髪師のパラドックス
      自己矛盾を利用したパラドックス
      死刑囚のパラドックス
    付録 鏡をめぐっての会話

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 強弁・詭弁を分析し楽しんでしまおうという本。論理パズルがたくさん解説されており頭をひねった。私は早トチリ氏だなあ。最後あたりで論理値など数学表現がでてきたのがちょいと難しかった。議論で相手が強弁・詭弁であるか気づく材料と、自分が詭弁に陥らないための訓練用に手元においておきたい。

  • 強弁と詭弁。

    面白い。

  • 論理学というと数学っぽいアレやソレなのですが、この本はわかりやすく、楽しく論理学をしようというスタンスです。

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著者プロフィール

野崎昭弘

一九三六年(昭和一一年)、神奈川県生まれ。五九年、東京大学理学部数学科卒業。六一年、東京大学大学院修士課程修了。東京大学助手、山梨大学教授(計算機械学科)、国際基督教大学教授(理学科)、大妻女子大学教授(社会情報学部)、サイバー大学IT総合学部教授を歴任。現在,大妻女子大学名誉教授。専攻、情報数学。著書に『電子計算機と数学』(ダイヤモンド社)、『πの話』(岩波書店)、『とらんぷ』(ダイヤモンド社)、『計算数学セミナー』(日本評論社)、『詭弁論理学』『逆接論理学』(中公新書)、『計算機数学』(共立出版)、『数学的センス』(日本評論社)、『トランプひとり遊び』(朝日新聞社)、『はじまりの数学』(ちくまプリマー新書)ほか。

「2021年 『まるさんかく論理学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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