- Amazon.co.jp ・本 (219ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121005939
感想・レビュー・書評
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『詭弁論理学』(中公新書)の続編です。
さまざまなパラドクスを紹介し、最後はカントールの集合論からゲーデルの不完全性定理に至るまでの流れをかいつまんで解説しています。
ゼノンのパラドクスについても考察がおこなわれています。哲学者の野矢茂樹もおおむね著者と同様の観点からこの問題について考察していたのを読んだことがありましたが、本書では言葉の問題と論理の問題の双方にわたって著者自身の考えが示されており、興味深く読みました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
矛盾、無限、パラドックスなどをキーに、論理学の普通だとちょっと気がつかないような話を突っ込む。
面白くてなんども読み返しているが、読んでる途中でいつでもどうでも良くなってくるところはある。
ただ、こういうことを考えて生活している人もいるんだというのが一番心に響くかも。 -
90円購入2012-01-09
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古い本ですが類書に比べ良心的(どんな風にかはあえて伏せますが)な解説が魅力です。いかついタイトルに反して内容は数学のなかの「逆説」がテーマの易しいエッセイです。多少(中学ー高校)の数学知識は必要。
本書にある例は、有名になってしまったパラドックスや逆説、パズルが多く食傷気味の方もいると思います。しかし、「こんなパラドックスがあるんですよ」で終わらずに、何が原因でどうそれを見ればいいのか・乗り越えられるものなのかを、読者とともにゆっくり(たまに脱線したり振り返ったりしながら)取り組むという本の構成になっています。
また、エッセイ的な書き方と数学的証明の固い表現の振れは、上記の目的のため意図的な工夫ですから批判するのはやや的外れかもしれません(一般論でなく、個人的感想として「わかりにくい」とするのは当然ありです)。※私も読み直して気づいたので偉そうに言えないんですけどね。、
難点としては、論理記号を使用せずにいる部分が大人の読者にはかえってわかりにくくなっている点。
もともと論理学に興味をある場合には、野矢茂樹の一般向けの本がおすすめ。本書は読んで楽しむ本です。 -
読了日不明。あまりに有名なタイムマシンのパラドックスや〈アキレスと亀〉以下、古今東西の様々な逆説が取り上げられている。もちろん、逆説を語る上で欠かせない自己言及についても言及され、カントール・ラッセル・ヒルベルト・ゲーデルという無限論や公理系の無矛盾性云々でお馴染みの面々も顔を出す。個人的に面白いと思ったのはルイス・キャロルの超越的確率論と「世界最小の電子頭脳」ミニアックの項。単純な"誤り"に還元されない逆説の奥深さを堪能できる。
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わかりやすく説明しようとして却ってわかりづらくなっている好例。独り善がりな例文、中途半端にエッセイ風の表現にしてみたり、かと思えば急に数学の証明風になったりして落ち着かない。せめてエッセイと数学の証明が節で分かれていればよいが、同じ節に何の前触れもなく混ざっているからたちが悪い。この時代の著作は概ねこんな感じであるが特にひどい。それでも「VI逆説論理学」の章はまともなので、もし読むのであればそこだけでよい。
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『詭弁論理学』よりは多少突っ込んだ内容。面白かったです。
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調べもののついでに再読.最初に読んだのは多分高校生のときだから,とんでもなく昔である.この本を読んで大学では数理論理学を勉強しようかと思った記憶がある.今,読みかえしても,話題がうまく選ばれていて,十分楽しめる.