朝鮮半島の食と酒: 儒教文化が育んだ民族の伝統 (中公新書 1443)

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (193ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121014436

作品紹介・あらすじ

朝鮮半島に由来する飲食物は、日本の外来食文化の中でも、今や最も普及しているもののひとつである。それほど身近で、今や「日本の食べもの」になったともいえるものだからこそ、それらが、どのような文化的背景で生まれ育ってきたのかを概観する時に来たともいえるのではないか。本書は、風土や社会という条件の下で、どのような食材が、どう調理され、どんな食習慣に従って消費されてきたのかを、簡潔に紹介するものである。

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  •  キムチ、トウガラシ、ニンニク、塩辛と馴れ寿司、冷麺、肉食文化、飲み物、匙、調味料、酒の各章に分け歴史や栄養を紹介。
     肉食、ニンニクやトウガラシの多用は高麗時代に元の影響を受け、更にその後の李朝で仏教が後退したことによる。また本書を読んで改めて気づいたが、韓国では茶(チャノキ)を飲むイメージがない。これも、仏教と結び付き贅沢になった茶文化が仏教の後退と共に廃れたからとのこと。ほか、キムチの語源が菹菜・沈菜というのを知る。

  • 1998年刊行。著者は滋賀県立大学人間文化学部教授兼国立民族学博物館共同研究員。

     タイトルどおりの書。
     具体的には、キムチ・唐辛子・ニンニク・塩辛・肉・飲料(茶文化の消滅)・匙文化・調味料で、最後に酒である。

     ただ、日朝の共通性と差異とを比較しつつ論じるとあった割には、半島料理の解説に終始しており、日朝間の共通性と差異と、それが生まれた理由にフォーカスしきっていたかというと若干疑問符をつけざるを得ない。
     とはいえ、①モンゴルの支配下にあったことが肉食タブーを払拭したこと。②唐辛子は15世紀後半、南蛮貿易で受け入れることとなった日本を経由し流入した。③しかし、唐辛子がキムチや調味料として庶民に定着するには、その流入から150年くらい時間を要したこと。④仏教の衰退、儒教化に伴い、茶の愛好が薄れ消滅していったこと。⑤麺好きは日朝で共通であるばかりか、所謂インスタントラーメンの消費量は日本と比較しても多いこと。これらはなかなか面白い。

     もちろん、半島料理の文化史的説明としては、研究者でもない限り、ここまで知っていれば御の字と感じられるほど詳しい。

  • [ 内容 ]
    朝鮮半島に由来する飲食物は、日本の外来食文化の中でも、今や最も普及しているもののひとつである。
    それほど身近で、今や「日本の食べもの」になったともいえるものだからこそ、それらが、どのような文化的背景で生まれ育ってきたのかを概観する時に来たともいえるのではないか。
    本書は、風土や社会という条件の下で、どのような食材が、どう調理され、どんな食習慣に従って消費されてきたのかを、簡潔に紹介するものである。

    [ 目次 ]
    1 キムチ
    2 トウガラシの文化
    3 ニンニク
    4 塩辛と食醢(馴れずし)
    5 冷麺
    6 儒教と肉食文化
    7 儒教文化と飲料
    8 匙文化と料理
    9 調味料の文化
    10 酒の文化

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