ウニはすごい バッタもすごい - デザインの生物学 (中公新書)
- 中央公論新社 (2017年2月19日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (321ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121024190
感想・レビュー・書評
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その昔読んだ「ゾウの時間 ネズミの時間」の著者が出した本がまた話題だっていうので読んでみた。
我々哺乳類が一番だと思っていたけれど、いきものみんなそれぞれの環境で生きていくように形も大きさも違うんだなぁと改めて認識。
五角形っていうか五芒星の形の最強性にも驚いた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
タイトル通り。ウニもバッタも、いや生物全てがすごい。
我々には奇妙に思える生物の驚くべき仕組み、進化の深遠に改めて驚いた。
ややもすると無機質になりがちな内容だが、著者の巧みな比喩や生き生きした語りに思わず引き込まれた。 -
『ゾウの時間、ネズミの時間』はおもしろかった。あれから25年経っていると。今回は、ウニも、バッタも、ホヤも、ヒトデもいろいろと登場する。なるほどなあと思うことが多く、生き物を見る目がちょっと変わるかも。
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昨年あたりからのストレス解消は、およそ仕事にも生活にも関係ない、どうでもいい知識を仕入れて悦に入ること。誰かに話すこともせず、「なるほど、すごいな」と思うだけで満足しています。
という意味では、この本は最高の時間を与えてくれました。著者は歌う動物生理学者の本川達雄さん。「ゾウの時間 ネズミの時間」の中で「ゾウさんもネコもネズミも心臓はドッキンドッキンドッキンと20億回打って止まる」と忘れられない歌を作詞作曲しています。
現在、知られている動物の種の数はおよそ130万、その95%が背骨を持たない無脊椎動物。本書はサンゴ礁、昆虫、貝、ヒトデ、ナマコ、ホヤなどを取り上げ、なぜ今のようなデザイン、機能を得るようになったのかを説明します。
面白いと思ったのは、昆虫は筋肉とクチクラという素材をバネに、羽という錘をつけてバネ振り子を構成。最初にちょっとだけ筋肉を収縮させてやれば、あとは自動的に羽の上下振動を繰り返すという話。貝殻の対数ラセンの話。体中に不味く感じさせる物資を持ったウミウシの話。ヒトデが星型(五放射相称)となった誰もが納得できる理由などなど。
圧巻は、ナマコの話。
ナマコの皮はキャッチ結合という組織により少ないエネルギーで長時間硬くすることが出来ます。「毒を備えており、捕食者の心配はほとんどない」。「動くといっても、砂を食べる場所を少々移動するくらい。そのための筋肉はごくわずかでかまわない。おかげで筋肉が少なくなり、体の大部分は身を守る皮ばかり。そんなもの、食べても栄養にならないから」「ますますナマコは安全になる」。そして著者は、そのような環境を「ナマコ天国」と名付けます。
最近、ジャカルタの都心に水族館が出来ました。タッチコーナーなるものがあり、サメの赤ちゃん、ウミウシ、ヒトデ、小型の熱帯魚に触れることができます。ナマコがいたので手で包んでみました。なるほど、幸せそうでした(笑)。
本書は再読に値する本と思います。著者の作詞作曲した楽譜も十分楽しめます。動物生理の学術書ですが、読書が娯楽であることを認識させてくれる新書らしい新書です。お勧めの★★★★。 -
多様な生物(群)の身体の構造・仕組みに注目した記述。生物学の基礎に、化学、物理学があることがよく分かる。
専門用語が多いのと対象がマニアックすぎるのが玉に瑕だが、昆虫や群体、人間・哺乳類についての解説は面白かった。
生物の仕組みに学び、現実に応用ができるならば、この分野(バイオミメティクス)はとてもエキサイティングだ。かつて上野の科学博物館で、昆虫の知恵を応用するみたいな企画あったなー。 -
昆虫の脱皮についての記述が興味深かった。
生物のことを深く知りたくなる。 -
生物学ってこんなに面白かったんですね。実際地道な研究だらけなんでしょうけど、楽しそうだなと思いました。
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面白い。ほぼ役に立たない無駄知識ではあるのだけれど、面白い。とっても面白い。
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what a revolutionary world! every creature fantastic! bugs fail in taking of their shell and dies.
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腔腸動物も軟体動物の「殻」も、いろいろなデザインがある。物理的な理由も、進化のための偶然の戦略も。