百年戦争-中世ヨーロッパ最後の戦い (中公新書 2582)

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 24
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  • Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121025821

作品紹介・あらすじ

フランスを主戦場に英仏王家が断続的に戦った百年戦争。長くて複雑でわかりにくい戦いの全貌を描き、その歴史的意義を明らかにする。

感想・レビュー・書評

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  • 小説ではないので読みづらい部分も多くあったが、百年戦争の全体像を掴むことができた。
    この後、イギリスでバラ戦争を戦うランカスター家やヨーク家、フランスを支配したバロア家、オルレアン家、さらにフランス革命のブルボン家など貴族の権力、領土欲のぶつかり合いが基本原因で、虚しい戦いを長い間続けたものだ。ペストの蔓延やジャンヌダルクは蔵書にあるものを引っ張りだして詳しく読みたいです。

  • 何せ百年、である。
    英国側はエドワード3世、エドワード黒太子、リチャード2世、ヘンリー4世、ヘンリー5世、ヘンリー6世。フランス側はフィリップ6世、ジャン2世、シャルル5世、シャルル6世、シャルル7世。治世もどんどん代替わり。
    両国とも王権が強い時期もあれば弱い時期もあり、内戦が絶えない時期もある。更にローマ教皇やら周辺諸国やらとの関係もあり、いやもうこのまま永遠にダラダラ戦ってるんじゃないかと焦ったわー。

    面白可笑しいエピソードを期待する向きにはハズレかもしれないが、手頃な厚みの新書という形で、コンパクトに概説してくれた著者の手腕に感謝である。系図に地図に絵画に写真…決して多くはないが、理解の助けになる適切な配置も好ましい。また、各章の扉裏に「この章の主な登場人物」が書かれているのもホント重宝した。わかってるわ〜!

  • フィリップ、ルイ、シャルル、ヘンリー、エドワード、リチャード…
    混乱する。

  • 世界史あるあるで、同じ名前の別人が登場して混乱しそうになるけど、領地や王位を巡るイングランド王とフランス王との紛争が契機だったことなど、大きな流れに注目することで通読。

  • 英仏百年戦争は中世ヨーロッパにおけるイングランド王家とフランス王家の間の戦争である。フランス王国の王位継承とイングランド王家のフランス内の領土が争われた。1337年から1453年の百年以上に及ぶ戦争であるが、百年間戦争を続けていた訳ではなく、断続的なものであった。日本では室町時代に相当する。

  • 「百年戦争」といえば、ジャンヌ・ダルクと、個人的にはその昔熱狂して読んだ佐藤賢一「双頭の鷲」のベルトラン・デュ・ゲクランとシャルル五世ぐらいしか印象になく。発端は、イングランド王が、フランスではフランス王の家臣として、ボルドー周辺を領有していたが、フランス王が領地没収を宣言、イングランド王はフランス王の王位継承に異議をとなえ、1337年、戦争開始。長期化の原因は、主従関係の精算という難題が、仏王位継承問題を交渉カードとして争われたから、と。当初は、大きな会戦でイングランドが連勝。フランス王が捕虜になるなどおされまくるが、デュ・ゲクランとシャルル五世のコンビがまきかえし。しかし、途中、フランスの王位継承の紆余曲折で、英仏連合王国が成立。しかも王位についたヘンリー6世にしてアンリ2世は0歳児という。…傍から見てるとむちゃくちゃな、と思ってしまう。またフランスの諸侯たちも、フランス王の政策が気にいらなければ、イングランド王と手を結ぶなど、現在の観点からすると禁じ手と思える手段を取り。ジャンヌ・ダルクの頃から、イングランド側はイングランド、フランス側はフランス、と国としてのまとまりを見せ始め、フランスがイングランドの大陸側の領土アキテーヌを制圧した1453年をもって終了したころには、勃発時にくらべ、両国とも国としてのまとまりが著しく進んだ、と。周辺諸国や国内の諸勢力が複雑にからみあい、次々と主要登場人物があらわれ、活躍し、消えていき、なかなかに筋を追いづらい、理解しがたい面もあったが、よくまとまって、整理され、最新の学説も紹介されていて有益でした。この本は主にフランス側から見た百年戦争とのことで、次は、イングランド側から見たのではと思われる城戸毅「公開講演 百年戦争とは何だったのか」/城戸毅「百年戦争 中世末期の英仏関係」あたりに手をだしてみようかと思う。

  • 英仏百年戦争がどういう展開を辿ったかよくわかった

  • 非常に複雑な百年戦争の歴史を、主にフランスの政治や社会の構造の中に位置づけながら描いていく。
    感想はこちら。
    https://historia-bookreport.hatenablog.jp/entry/2020/03/26/123817

  • フランスを主戦場に英仏王家が断続的に戦った百年戦争。長くて複雑でわかりにくい戦いの全貌を描き、その歴史的意義を明らかにする。

  • 中世のヨーロッパが、この戦争を境に変わっていく。
    当初、国王の戦いであったのが、後半はイギリス対フランスの国同士の戦いに変化し、国家の概念が変わっていく。

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著者プロフィール

1975年 北海道生まれ
1998年 北海道大学文学部卒業
2005年 北海道大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学
現 在  秋田大学教育文化学部欧米文化講座講師、博士(文学・北海道大学)
主要論文 「中世後期におけるフランス同輩と紛争解決」(『西洋史研究』新輯第37号、2008年)、「15・16世紀フランスにおけるいくつもの高等法院―「地方高等法院体制」をめぐる予備的考察―」(『秋大史学』第56号、2010年)、「1477年ブルゴーニュ高等法院の設立」(『秋田大学教育文化学部紀要(人文科学・社会科学)』第67編、2012年)等


「2012年 『百年戦争期フランス国制史研究』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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