古代メソポタミア全史-シュメル、バビロニアからサーサーン朝ペルシアまで (中公新書 2613)

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121026132

作品紹介・あらすじ

人類初の文明は今から5000年前のメソポタミアに生まれた。灌漑農業、都市、文字など、現代の私たちにも必須な文明の要素は、すべてこのときにシュメル人が発明したものである。その後、「目には目を」で名高いハンムラビ王のバビロン第一王朝、初の世界帝国となった新アッシリアなど、数々の王朝が興亡を繰り広げる。本書は文明の起源からイスラームの登場まで、古代メソポタミア文明4000年の歴史を描く。

感想・レビュー・書評

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  • 市販されている年表、地図ではわかりえない歴史を学ばさせてもらった。
    古代メソポタミアに関する書籍。
    年表ではひとつの王国が消えるとそこでその王国は歴史から消滅するが、じつは連綿と小さくとも生きている。
    シュメル、アッシリアの復活。その反面、バビロニアのように同じ名前でも違う種族の王国であったりする。
    鉄器はヒッタイトという常識も覆す発見があったり、バビロニア捕囚の前に何度も似たような事が起こっていたり。
    度重なる戦災、災害がありながらよくぞ数千年の時を超えて我々後世の者に歴史を伝える遺跡を残してくれたことに感謝。

    • マウントフジさん
      星5つ。じつは連綿と小さくとも生きている‥‥。興味をかきたてられました。
      私も読んでみようかなって思いました。

      昔、中学生の時にメソポタミ...
      星5つ。じつは連綿と小さくとも生きている‥‥。興味をかきたてられました。
      私も読んでみようかなって思いました。

      昔、中学生の時にメソポタミア文明の本を読んだきりだったので。
      2021/02/09
    • kakaneさん
      マウントフジさん、コメントありがとうございます。
      歴史の本当は一生わからないかもしれませんが、ロマンがあって大好きです。
      良い読書生活を楽し...
      マウントフジさん、コメントありがとうございます。
      歴史の本当は一生わからないかもしれませんが、ロマンがあって大好きです。
      良い読書生活を楽しんでください。
      2021/02/09
  • メソポタミア周辺の歴史をざっくりと知れておもしろかったです。
    地図や簡易年表もあり、ちょっと間があいてしまってから続きを読んでも問題なく読めました。

    私は、メソポタミア史は高校時代に世界史でちょこっとやっただけで止まっていました。

    なんとなく、メソポタミアあたりの歴史って複雑な印象だったので、あえて深掘りしてみようという気はなかったのですが、少し前にユダヤ教に興味を持ったことがきっかけで読んでみました。

    あーこんな王朝名あったなーと思いつつ高校生時代を思い出しながら読み進めました。

    ただ、やっぱりこのへんの歴史は複雑ですね。

    かなりわかりやすくまとめられていると思います。
    しかし、どうしてもあっちいったりこっちいったりしてしまう部分があるので(パルティアとか)、今度は各王朝ごとに特化してある本を見つけて読んでみたいなと思います。(アケメネス朝とかはあるのかな?)

    エラム王国なんかは全然知らないので興味ありますね。
    あとは、「ギルガメッシュ叙事詩」などもわかりやすい本あれば一度読みたいですね。

  • 小林登志子氏による、古代メソポタミアの歴史解説。冒頭、高校生や一般向け、と述べているが、中々どうして細かいところまで触れている(と思う)。同じ筆者の古代オリエント全史と重複するところが多いが、メソポタミア(正しくはバビロニアとアッシリア、今のアラビア半島北部)を舞台に勃興した各文明と民族を紹介している。ローマ帝国の支配以降、土地に根付いた文化/民族はなくなり、イスラムの支配下へと食い込まれていくが、諸行無常の感がある。
     読み物としては、氏が知っていることを一生懸命伝えようとしているのが伝わってくるが、伝えよう感が強すぎるきらいもある。しかし、逆に、着飾らずに知っていること、今わかっていることを伝えようという氏の情熱は文章から強く伝わってくる。 知識を得ると同時に、氏の人柄を感じさせる書だと思う。

  • 多民族が入り乱れ、様々な王朝が興亡を繰り返す古代メソポタミア。国名やら王名やら一読しただけでは把握しきれない量だが、淡々とした記述の中に歴史のうねりを感じ、非情に刺激的だった。地図が多いのもありがたい。個人的には新バビロニアあたりまでが読んでいて特におもしろい部分だった。

  • 高野秀行「イラク水滸伝」の参考文献。シュメルの文化を残すイラクの湿地帯アフワールが舞台だったので。目には目をとはちがって、「シュメル社会ではちがう法原理つまり「やられても、やりかえさない」考え方があったことが「ウルナンム法典からわかる」(p.67)んだそうな。また「「武力で拡大した広大な版図は有能な王ならば運営可能だが、凡庸な王には治められない。絶頂期の後に急速に衰退していく例は、この後のメソポタミアの歴史で繰り返される」(p.62)とありほんとに何度も繰り返されるんだけど、それを防ぐ方策は取られなかったんだなあと思ったり。他に、ハンムラビ王も宗主として仰いでいたシャムシですアダド王の隆盛。人口調査ができたことは、支配が安定していたという説明、など。しかし、登場王朝、人物多数で、頭に入りづらいこと甚だしかった。

  • メソポタミアの文明興亡。

    いかに"紀元前"というくくりが主観的な整理学か、認識できると思います。

  • はじめに、に記載されている内容が興味深い。

    古代メソポタミア史から得られることは何か、と問われ
    日本は日本人の人口減少に伴い外国人の数が増えている。将来、旧日本人と新日本人(外国人)と呼ばれるようになるかもしれない。そのような国の移り変わりはメソポタミア史ですでに何度も起きている。そこから学べることがある、
    とのこと。

    実際、
    日本の統治の形は変わらざるを得ないだろう。その運営方法は古代の知恵を借りることができるかもしれない。

  • 合唱曲『ロータスの園の中』を歌うために読んだ。

  • 本文もわかりやすくて明快な文章が素晴らしいが、あとがきを読んで更に著者が好きになってしまった。

    よくあとがきの締めくくりは「〜年 春」などと書かれるが、本書の場合は「無敗のコントレイルがダービー馬になった年(二◯二◯年)」である。これ上手すぎて笑っちゃった。古代メソポタミアの風習と、あとがきの慣習をどっちもメタったジョーク。アツい。とはいえ、2020年の1番良かったできごとがコントレイルっていうのは、やっぱりちょっと悲しいね。東京オリンピックがあった年、にはならなかったわけで。

    高校世界史でもよく取り上げられる王朝や王の流れをわかりやすく書いているから、スマホのメモ帳に適宜メモを取りながら読んだ。

    写真や地図も豊富に掲載されているから、飽きずに読める。古代メソポタミア、さいこ〜!!!

  • 3☆コンパクトな通史

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著者プロフィール

小林登志子
1949年、千葉県生まれ。中央大学文学部史学科卒業、同大学大学院修士課程修了。古代オリエント博物館非常勤研究員、立正大学文学部講師等をへて、現在、中近東文化センター評議員。日本オリエント学会奨励賞受賞。専攻・シュメル学。
主著『シュメル―人類最古の文明』(中公新書、2005)、『シュメル神話の世界』(共著、中公新書、2008)、『文明の誕生』(中公新書、2015)、『人物世界史4 東洋編』(共著、山川出版社、1995)、『古代メソポタミアの神々』(共著、集英社、2000)、『5000年前の日常―シュメル人たちの物語』(新潮選書、2007)、『楔形文字がむすぶ古代オリエント都市の旅』(日本放送出版協会、2009)ほか

「2022年 『古代オリエント全史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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