本能―遺伝子に刻まれた驚異の知恵 (中公新書 2656)

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  • 中央公論新社
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121026569

作品紹介・あらすじ

鳥のヒナは親に教わらなくても飛ぶことができる。人間の赤ちゃんも、口を密閉し、内部を陰圧にしたうえで乳を吸うという、複雑な行動を誰にも習わずに行う。これらは全て本能のおかげである。簡単な行動だけでなく、あちこちの筋肉や感覚器を総動員する、まるでオーケストラが演奏するような行動も、実は本能が指揮しているのだ。本能に基づく驚くべき行動の数々を紹介し、その本能がどうなりたっているのかを解説する。

感想・レビュー・書評

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  • 母性と夫性の違いから男女平等を考えると面白いと思う。

  •  本能=生得的行動、学習=習得的行動、だとして、動物の様々な行動がいずれに当たるのか、ある種の誤解や混乱がある、と著者は言う。
     一つには、特に練習をしなくても組織や器官の発生に伴って行動が発達する"行動の成熟"と、行動の習得的発達とが見分け難いため。
     もう一つには、行動は異なる複数の組織や器官がかかわって構成される複合形質であるとの事実が見落とされているため。例えば、鳥のヒナの防衛行動は、鳥の種類を識別する視覚器官系と、うずくまり行動を引き起こす運動器官系の協働活動によって引き起こされるが、これをどう捉えるかが問題となる。

     本書のハイライトは、こうした組織や器官の発生について、モンシロチョウの羽ばたきの電気生理学的研究を紹介した「第7章 行動の司令塔」だと思われるが、残念ながら良く理解できなかった。

     本書では、実にいろいろな「採餌行動」と「子を遺すための生殖行動」が紹介される。本当に奇跡、不思議、驚異としか言いようのない行動の数々に、科学の眼からの説明がなされる。そうした具体例を読むだけでも楽しいし、現時点でもこんなに解き明かされているのかと驚くこと間違いなし。

  • 女子栄養大学図書館OPAC▼ https://opac.eiyo.ac.jp/detail?bbid=2000053704

  • 虫とかの話おもしろいのがある。最後は人間だけど、まあいつものやつ。でもスキージャンプは習得が非常に困難な競技だ、みたいな話はおもしろい。「本能」は学習によらない生得的行動、という定義かな。

  • 東2法経図・6F開架:B1/5/2656/K

  • 動物の行動はすべて本能のおかげ!渡り鳥から人間の赤ちゃんまで、驚くべき能力が本能によって緻密に組み立てられていることを紹介。

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著者プロフィール

小原嘉明

1942年福島県生まれ.東京農工大学農学部卒業.同大学教授等を経て,東京農工大学名誉教授.現在,尚絅学院大学客員研究員.この間,1997~2005年の9年間,ケンブリッジ大学にてMajerus M. E. N.教授と共同研究.理学博士.専攻・動物行動学

「2021年 『本能―遺伝子に刻まれた驚異の知恵』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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