- Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121027054
作品紹介・あらすじ
「平氏」と聞いてイメージするのは、平安時代末に活躍した平清盛ら桓武平氏(のなかの伊勢平氏)の武士だろう。だが、清盛の一家以外にも歴史に名をとどめる平氏は数多い。例えば、源平合戦で功績を挙げ鎌倉幕府を支えた御家人(北条氏、梶原氏、三浦氏など)の多くは平氏出身とされる。著名な歌人や、貴重な家記を残した公家も少なくない。本書は、それら公家・武家にわたる平氏の全貌を明らかにする試みである。
感想・レビュー・書評
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武家だけでなく、公家や桓武平氏以外までも丁寧に解説する。
公家平氏は堂上平氏として貴族の地位を維持した家があったはものの、多くは代が進むごとに天皇のミウチとしての縁が薄くなっていき総じて没落するというのは興味深かった。
本書全体としては、事実羅列系で読みにくかった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
【請求記号:288 ク】
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平氏というと、どうしても平清盛一族を思い出しますが、この本では平氏を体系的に整理されていて、俯瞰しやすかった。
縦の繋がりは分かりやすいが、横の繋がりが今ひとつ分からないので、改めて読み直しが必要かも知れません。
なかなか、興味が尽きにくい1冊です。 -
源氏を理解するには、平氏を理解するべき。
政治機構を作った一族は、本来なら滅びる必要は無いはず。
時代の流れは怖いものだ。
中世を勉強しよう。 -
著名な武門の桓武平氏のみならず、庶流も含めた全賜姓平氏を対象に、その起こりから平家政権滅亡までの歩みをたどる内容。網羅的に紹介される平安末にいたるまでの公家平氏の盛衰や、残された数々の日記に関する解説は興味深いものがあった。
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<目次>
第1章 桓武平氏の誕生
第2章 その他の平氏
第3章 公家平氏の人びと
第4章 武家平氏の葛藤
第5章 公家平氏と武家平氏の邂逅
<内容>
『尊卑文脈』などを元に、平氏について語っていく。新しい解釈というより、文献から確実な史料を紹介し、裏付けていくやり方。古代日本史の資料集としての使い方がいいかもしれない。 -
高棟王からはじまる堂上(公家)平氏の血脈と、高望王からはじまる武家平氏の血脈。
二つの平氏の血統が、清盛と時子(二位の尼)の代で一つになって、一門の最盛期を迎えるのは、歴史の凄みを感じる。
武家平氏の政権は、短い期間で終わってしまった。
けど、公家の平氏は、中下級の貴族として、平安から幕末まで、長きにわたって朝廷を支えていたというのも、なかなかに面白い。
頼朝の蜂起を支えた、坂東武者たちのほとんどが平氏の流れを汲むというのも、歴史の皮肉というべきか。
北条、千葉、上総、大庭、梶原、三浦、畠山、土肥、和田、みんなルーツは平氏を自称してるんだよね。