日本史を暴く-戦国の怪物から幕末の闇まで (中公新書 2729)
- 中央公論新社 (2022年11月21日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121027290
作品紹介・あらすじ
知っているつもりの日本史も史料をもとに読みなおせば、新たな面が見えてくる。松永久秀が大悪人とされたのはなぜか、鼠小僧は義賊ではなかった?、最後の女性天皇はいかに譲位したか、孝明天皇の病床記録はなぜ漏れたのか――。戦国、江戸、幕末の驚きの真相が満載。忍者や忠臣蔵など馴染みあるテーマの実像や、疫病と日本人の闘いの歴史も明らかにした。大人気歴史エッセイの最新作。
感想・レビュー・書評
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テレビやメディアでよく見かける歴史学者の磯田道史先生の著作を初めて読みました。映画「武士の家計簿」の原作者ですね。
読んでみて思いましたが歴史学者というより超絶歴史オタクという印象です。好きで好きでたまらない趣味を仕事にしている羨ましいパターンです。
それにしても著者は、古文書を読むのが今の日本語を読むのと同じスピードで読めるということです。驚愕しました。
古文を完璧にマスターしたとしても、何が書いてるかわからないような字体はどうやって学ぶのか興味深いです。
本書は新聞記事の連載コラムを新書にしています。基本的に一つのネタで完結しており読みやすく暇つぶしには良いかと思います。ちゃんとオチもあります。
面白かったネタを紹介しておきます。
・当時の日本で世界か球体だと認識していた人はほぼいなかったのに信長は地球は球体であることを理解していただけでなく、広めようとしていた!配下に授業までしてたらしいです。
・本能寺の変で信長が炎をバックに自害するシーンは大河ドラマで見かけますが、実際は自害後に配下が寺に火をつけた。信長が自身の遺体を敵に取られないために自害直前に火をつけるように命じていた!
・日本最古のマスクは江戸後期に御鼻袋という名称で広告が出されていた。悪臭防止目的で口は覆わず鼻だけマスクだった!
などなど…
歴史、特に日本史が好きな人は娯楽感覚で読めるライトな本です。
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新聞連載のエッセイ。当然一話が短く読みやすい。磯田さんは現役の研究者だけあって全て一次史料をネタにしている。実はこれってすごいこと。なにしろ"古文書を新聞と同じ程度の速さで読める"からこそ出来る技だ。古書店や骨董市で古文書を探す様子が嬉々として楽しそう。いいなぁ。
…私は、頭が疲れた時にこういう本を読むとリフレッシュできるので好きです。 -
2022年年末に購入したのに寝かせてしまっていた本書。
こういうナマモノはわりと直ぐ新情報で上書きされることもあるから、熱いうちに読むのが一番なのに。
が、本書内の磯田先生は変わらず熱かった!
テレビでお見掛けする回数も多いので、
古文書が読めるとんでもない方でいらっしゃることは存じ上げていた。
またお見掛けする度に、歴史研究が大好きで大好きでたまらないという熱が伝わり、
少年のようなお姿が眩しく、解説も楽しい先生だ。
本書もまた然り。
前書きの終盤で先生は、
「最近、歴史について、インターネット上に、雑多な情報が"コピペ"すなわちコピー&ペーストされて流れている。どこかで聞いたような話が多い。本書は、毎日、私が古文書のホコリと戦いながら、まことにアナログな手法で、自分で一つずつ集め、日本史のある面を暴いていったものである。ミミズがのたくったような古文書を解読しながら、自分で探した歴史だから、現場の一次情報である。こういうリアルな話が好きな方々に読んで頂きたい。」
とお話されている。
お気持ちが伝わってくる。
ただ本書は、歴史好き、歴史に詳しい、そんな読者しか楽しめないものではない。
帯の項目どれか1つでも気になったら、
本当に気軽に、手にして良いものだと思う。
テレビで見たままの磯田先生が、熱く、とても解りやすく読者を楽しませてくれる。
ただ、暴く!とタイトルにはあるが、やはり謎は謎のままと結ばれるものもある。
魅力的なキャラクターだが、歴史学者なのだ。
はっきり判明していないものについては書けない。
勿論、そこに至る経緯には、先生ご自身が調査した新しい内容が加えられている。
難しい文章はない。
というか、解りにくい文章は一切ない。
少しでも解りにくいところは、先生が括弧書きで注釈をつけてくれている。
様々な文献を引用していれば、同じく括弧書きされている。
また、「信長の遺体の行方」冒頭。
遺体焼失の謎を探るテレビ番組をご自身で企画提案し、出演もされて作ったが、
テレビ番組というものは編集がある。
カットされてしまう。
だから言えなかったことを書いておく。
とあった。
ニヤニヤしてしまう。
磯田先生らしいというか、なんと言うか。
けれど読者としては、これは嬉しいかぎり。
番組ではカットされてしまったらしい部分を、先生の言葉で読めるのだから。
他にも、歴史とは関係がない部分で、あらあらこんな言い方しちゃって大丈夫ですか?と思うような部分も 笑
ヒヤヒヤする。
やっぱり磯田先生だ。
(と思えば引き際も実にあっさりだ。
自書の○○で既に書いたのでここでは繰り返さないとか、
○○というサイトに関係する別件について記してあるので興味があれば、等々。)
とにかくここに書かれている歴史が面白い。
磯田先生が面白い。
そして様々な古文書からの情報、歴史上の人々、ご自身の見解を、
スッキリ解りやすく楽しく纏めた先生の頭脳とバイタリティーが凄いし、読者への優しさもある。
それから磯田先生を囲む優秀な先生方や、磯田先生ご本人の地元への呼び掛けや足を使った調査が実を結んでいる。
磯田先生のお人柄と、日々の地道な調査の賜物であることが良く分かる。
更に、立ち寄った先で「これは!」という資料を見つけても、お金を払って買って帰らねばならない。
本物かどうか調べるのはその後だ。
面白かったのは「比類なき戦国美少年と淀殿」と、続く「秀頼の実父に新候補」。
秀吉が朝鮮出兵の為の留守中、淀殿と密通したのではないかとされる人物について。
とても興味深く、
「私は新聞と同じ速度で古文書が読める」
「私は、この中村という男を追っている。情報があれば欲しい」
との言葉に、
磯田先生カッコイイ!是非頑張って頂いて続報を!
と思ってしまった 笑
他にも、忍者の報酬や失敗した時の対処法、赤穂浪士の最終目的。。。
そうそう、ドラマやコミックで男女入れ違いの大奥なんてあったけれど、「女性の力で出来た藩」も興味深かった。
その後もちょこっと読めて、楽しい話が盛り沢山。
江戸マスク、とか。
ネタバレすると磯田先生が怒りそうなので(笑)、ここまでにします。
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傍らに珈琲をさ〜ん、おはようございます\(*ˊᗜˋ*)/
なんか面白そうな本ですね〜!!
歴史物って書く人によって同じ人物でも全然違ったりで...傍らに珈琲をさ〜ん、おはようございます\(*ˊᗜˋ*)/
なんか面白そうな本ですね〜!!
歴史物って書く人によって同じ人物でも全然違ったりでほんとの所は分からないけど、こちらは結構真相に近そうですね(*º ロ º *)!!
信長の遺体、実は死んでない説とか結構ありますよね〜笑 淀君の事も気になる〜
新書、あんまり読まないので全く知りませんでしたが、興味が湧きました〜\♡︎/2023/08/17 -
mihiroさん、こんにちは~
コメント有難う御座います。
レビューから興味を持ってくださったこと、嬉しいです♪
歴史に詳しい方は分かり...mihiroさん、こんにちは~
コメント有難う御座います。
レビューから興味を持ってくださったこと、嬉しいです♪
歴史に詳しい方は分かりませんが、私のような初心者にはとても面白く読めました。
磯田先生が括弧書きで補ってくださっているのも助かりましたし、
1つ1つの話題が丁度良い短さでした。
隙間時間に1章ずつをサラリ系です。
新書、私も殆ど読まないです。
本棚にあるのも養老孟司先生くらいでしょうか。
自己啓発本や時事ネタ本が苦手なのです。
特に自己啓発本!笑
社内の自己啓発研修などは好きなのですが、何故なんでしょうねー???
時事ネタ…と括ってていいのかな?
成田悠輔さん、古市憲寿さん、森岡毅さんは毎回気になります。
が、未だに1冊も手に取ったことはなく…汗2023/08/17
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すごくさらっと読めるので、各項目が短いので、日本史が苦手な人でも、そういうこともあるんだって思いながら読めるかな。
専門知識のある方からすると物足りないのかなあ。
そんなに詳しくないので、私には分かりやすかったです。 -
新聞連載みたいで突っ込み不足で今一つ。本●先生の方が個人的には面白い。
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日本史の裏側を書いた本らしい。確かに信長の遺体のナゾや感染症の防ぎ方など知る術はないからよかった。でも半分は耳慣れない方のお話だったしサラッと流しちゃうとこもあった。
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軽い読み物として楽しめた。家康のくだりなど磯田さんらしい独自の目線もよい。
ただ、もともと新聞のコラムであり、暴く、とわざわざ大袈裟なタイトルにしなくてもよいのにね、と感じた。 -
磯田さんらしい観点で、どのテーマも描かれていて、面白い一冊。
講演会があればぜひ聞きにいきたい。 -
磯田氏の著作はいつ読んでも面白い。今回は小噺集のような短いものの寄せ集めだが、それに似合う猫の話が一番面白かった。文献を読み解いた情報なので精度が高く誠に興味深い。政治や権威の話より経済や市井の話の方が数倍面白い。疾病の話も面白かったので「感染症の日本史」も読んでみたい。
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笑ってしまう程の小ネタびっしり。真面目にページをめくった人の怒りの顔が思い浮かぶ。チョコチョコと歴史の隙間のあれこれが書かれてるが怪物とか闇とかをわざわざ掲げる程ではない。これで新書を出した作家も出版社もポリシーを疑う。今までが素晴らしかったから