バレエの世界史-美を追求する舞踊の600年 (中公新書 2745)

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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121027450

作品紹介・あらすじ

バレエはルネサンス期イタリアで誕生し、現代まで伝わるダンスの一種だ。当初、王侯貴族が自ら踊り楽しんだが、舞台芸術へと転換。観客も貴族からブルジョワジー、市民へと拡大する。十九世紀の西欧とロシアで成熟し、世界へ広がった。ダ・ヴィンチ制作の舞台装置、ルイ十四世が舞った「太陽」役、チャイコフスキーの三大バレエ、シャネルやピカソが参加したバレエ・リュス、そして日本へ…六百年の歴史を通観する。

感想・レビュー・書評

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  • ◆時代の変化受け進化[評]長谷部浩(評論家)
    <書評>『バレエの世界史 美を追求する舞踊の600年』海野敏(うみの・びん)著:東京新聞 TOKYO Web
    https://www.tokyo-np.co.jp/article/264728?rct=shohyo

    "海野 敏 " 記事一覧 | バレエチャンネル | 公演、ダンサー、バレエ団、レッスン、悩みや疑問―初心者からプロまで楽しめるバレエ総合メディア
    https://balletchannel.jp/author/bin-umino

    海野 敏 初心者でも大丈夫、バレエの楽しみ方【著者に聞く】|文化|中央公論.jp
    https://chuokoron.jp/culture/123199.html

    バレエの世界史 -海野敏 著|新書|中央公論新社
    https://www.chuko.co.jp/shinsho/2023/03/102745.html

  • バレエの歴史600年。
    宮廷貴族から一般大衆への道筋と、技術の進歩、
    芸術への発展を、世界史の流れに沿って説明する。
    序章 バレエとは何か
    第1章 都市貴族の余興として芽生えたバッロ
    第2章 フランス宮廷の祝典から誕生したバレエ
    第3章 宮廷儀式・儀礼から劇場芸術へ
    第4章 オペラと一体化したバレエの流行
    第5章 オペラからの独立と演劇的改革
    第6章 ロマンティック・バレエの隆盛
    第7章 クラシック・バレエの確立
    第8章 総合芸術となったバレエ
    第9章 二十世紀バレエの飛躍
    第10章 バレエ界の最前線
    終章 バレエの美を支えるもの
    参考文献、関連年表有り。

    15世紀ルネサンス期のイタリアで都市貴族の余興であった
    舞踏のバッロが、フランス宮廷に渡りバレエとなり、
    宮廷舞踏から劇場舞踏へ。宮廷貴族から職業としてのダンサーへ。
    そして世界へと広まり、貴族から新興ブルジョワジー、
    庶民へと観客も変化してゆく。
    19世紀後半のヨーロッパでの衰退とロシアでの隆盛。
    総合舞台芸術バレエ・リュスの衝撃とその後。
    世界各地に誕生するバレエ団。そして日本にも。
    技術や技法の発展、舞台美術や衣装の変化、芸術性の向上へ。
    更に、デジタルテクノロジーの導入やSNSの浸透にも言及。
    新書で文字多めとモノクロ画像での体裁は難いかなと思ったら、
    これが実に読み易く、興味深い内容でした。
    世界史とリンクし、当時の国情と社会情勢等の
    バレエの歴史的背景や、その時代の音楽や美術との関連、
    思想や文学等についても分かり易く説明されています。
    また、ロマンティック・バレエ以前が詳しいのも良かったです。
    15世紀には既に振付の記譜があったことには、驚き。

  • バレエが政治経済文化と関わり、時に政治に利用されながら、空間的、社会的、芸術的に広がって行ったのかがよく整理されていて読みやすかった。
    歴史に名を刻むダンサーや振付家や支援者のエピソードや、彼らへの当時の評価の言葉も興味深い。
    ロマンチック•バレエのダンサーでポワント技法を完成させたマリー•タリオーニへの賛辞「天上の花の上を花びらをたわめることなく薔薇色の爪先で歩く幸福な魂」。

    観ることが絶対に叶わない昔の演目、美しかっただろうダンサー、踊りや衣装に思いを馳せて、寂しくなる気持ちはありつつも、今なお残る美しいそれらに強く感謝をした。

  • まさにバレエの世界史。誕生から進化を遂げ、世界に広がる600年の歴史が良くわかる。
    大人バレエを20年続けているので、とても興味深かった。

  • ルネサンス期のイタリアで始まった「バレエ」と呼ばれる舞踊形式のおよそ600年に渡るその発展と継承の歴史を時系列にまとめた本。多くのバレエ史の本は、ルイ太陽王の舞踊アカデミー創設から始まるので、それ以前のアンリ2世時代からフランス宮廷でバレエが上演されていたという事実に驚いたり。バレエアカデミー以後は比較的親しんだバレエ史ではあるが、ダンサーだけでなく、技術を継承していった教師の方にスポットが当たっているのが良い。現代の振付家の中に、クリスタル・パイトやオハッド・ナハリンも入れてほしかったけど、現代部分はまだ評価が定まってないところもあると言えばあるので、仕方がないのかも。しかし総じて面白かった。

  • 「バレエってレオタードを着てトゥシューズ履いて踊るやつでロシアが有名なんだっけな」程度の知識しかなかった私でも、丁寧に書かれているため、世界史と共にバレエがどのように広がりをみせたのかを知ることができました。

  • バレエの成り立ちから現在までのことがよくわかった

  • ふむ

  • 600年間を要領よく整理したタイトな記述で、著者のいう通り、「一気に」読める見事な教科書。初学者はここに書かれていて理解できない部分がなくなるように勉強を広げれば良く、また全て理解できる頃には何が不足しているかも自分で気付けるだろう。

  • 769-U
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著者プロフィール

海野敏1961年,東京都生まれ.東京大学教育学部卒業,同大学大学院教育学研究科博士課程満期退学.東京大学教育学部助手,東洋大学社会学部助教授などを経て,2004年より東洋大学社会学部教授.専門は,情報学・図書館情報学.1992年より舞踊評論家として,批評記事,解説記事を新聞・雑誌等に執筆.著書に『新版バレエって,何?』(共著,新書館,1999)『鑑賞者のためのバレエ・ガイド』(共著,音楽之友社,2003)『バレエとダンスの歴史』(共著,平凡社,2012)『バレエ・ヴァリエーションPerfectブック』(新書館,2022)などがある

「2023年 『バレエの世界史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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