化石に眠るDNA-絶滅動物は復活するか (中公新書 2793)

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121027931

感想・レビュー・書評

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  • いやあ、最初から最後までおもしろい話題満載であった。マイクル・クライトンのジュラシックパークがいかに恐竜のDNA研究に影響をもたらしたのか、それは想像以上だったようだ。しかしまた、その研究がいかに難しいのかもよく分かった。それは当たり前と言えば当たり前だ。何億年、何万年も経てばDNAは壊れるし、環境DNAが紛れ込みもするのだ。それをいかにうまく調べ上げるか、そこが腕の見せ所ということだろう。オーストラリアに棲んでいて絶滅してしまったというカモノハシガエル。メスは卵を食べてしまう。食べると言っても卵はちゃんと胃の中で孵化し生体にまでなって母親の口から出て来ると言う。その間数週間ほど母親はエサもとらない。胃袋が子宮のようなはたらきをしているのか。子どものエサはどうなっているのか。まだまだ知らない不思議な生き物がいるわけだ。この話、6年生の授業でしゃべったら知っている生徒がいた。カビのせいで絶滅したということまで。テレビででもやっていたのだろうなあ。マンモスを復活させるという話は何かで読んだことがあった。でもそれが地球温暖化の防止になるとは知らなかった。永久凍土の下の炭素が外に出てこないように、凍った状態を維持するためには大型の哺乳類が必要なのだとか。そのための壮大な計画があるわけだ。中でも人工子宮という話は、もう安部公房の「第四間氷期」を思わせる。それはSFではなく実際にやろうとしているわけだ。試験管ベービーどころではないわけだな。そして、リョコウバトを復活させようという話。人間の身勝手さを思い知らされる。ところで、野菜泥棒の話は必要だったのか? お金に名前を書いていいものか???

  • 【本学OPACへのリンク☟】
    https://opac123.tsuda.ac.jp/opac/volume/713649

  • 東2法経図・6F開架:B1/5/2793/K

  • DNAは、生物の細胞の中だけでなくて、そこらじゅうにあるそうです。もちろん、それは生物の汗や死骸などが由来ですが。それを環境DNAというそうです。
    なので、化石や昔の生き物の剥製などからDNAを複製して分析する際は、それらのDNAが混入しないように、したとしても判別できるようにすることが大切だそうです。
    現状では恐竜の化石の中のDNAからジュラシック・パークのように恐竜を甦らせることはできなさそうです。
    古代のDNAの研究のストーリーはとてもワクワクして面白かったです。

  • ジュラシックパークが実現可能性低い話であること、その理由、そのアイデアが生まれた背景。

    次に現代科学で実現できることを理論的に解説。

    現実は淡々としている。

    読了45分

  • 457-S
    新着図書コーナー

  • 恐竜、マンモスなど絶滅種を復活させるという見果てぬ夢――。科学者たちが織りなしたドラマとともに古代DNA研究の軌跡をたどる。

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著者プロフィール

更科功
1961 年、東京都生まれ。東京大学教養学部基礎科学科卒業。民間企業を経て大学に戻り、東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。博士(理学)。専門は分子古生物学。現在、武蔵野美術大学教授、東京大学非常勤講師。『化石の分子生物学――生命進化の謎を解く』で、第 29 回講談社科学出版賞を受賞。著書に『若い読者に贈る美しい生物学講義』、『ヒトはなぜ死ぬ運命にあるのか―生物の死 4つの仮説』、『理系の文章術』、『絶滅の人類史―なぜ「わたしたち」が生き延びたのか』など。

「2022年 『人類の進化大百科』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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