- Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121101105
作品紹介・あらすじ
文明開化期から村上春樹まで、日本の近代小説を一冊で案内する。珍しい写真図版を多数収録し、目で見て分かる面も充実。最新研究に基づく入門書の決定版。改版にあたり、近代日本文学へのアプローチの仕方を説く「「近代日本文学」の成立」を付した。
感想・レビュー・書評
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明治以降の近代小説の歴史を、コンパクトにまとめた概説書。元が放送大学の1,2年生中心の教養科目向けの教科書だけあって、分かりやすく小説史の流れが整理されていて素晴らしいですね。とりあえずコレ読めばバッチリって感じ。
注意としては、詩歌俳句と児童文学系は含まれてないので、そこらへんの文学史はまた別の本を探して勉強しないとダメですね。
今回、新装版刊行にあたって巻末に追加された、「近代日本文学」の成り立ち がこれまた良い。「文壇」の形成の経緯がわかりやすく纏められてて、我々が派閥的に理解している「文壇地図」がどういう要請によって形作られたものなのかが分かりやすく整理されてます。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
近代日本小説の歴史をこれ以上なくコンパクトかつ鮮明にまとめた良書。日本の近代文学史に興味のある人なら、まず1冊目にこの本を選んで間違いということはないはず。
類書を読み比べたわけではないので比較はできないが、相当に読みやすくかつ面白い本だった。
小説の引用も豊富で、この類の概説書にありがちな退屈さは皆無といえる。ただ唯一の懸念としては、文学研究者らしく難しい語彙がしばしば出てくるので、気になる人は気になるかも。
内容面では、まず大正文壇の成立までは文句なく面白かった。
教科書や国語便覧で名前だけ知っていた文豪の系譜や問題意識が体系的に描かれていて、各時代の文学に見出せる大きな潮流や対立構造を簡易に把握したいという欲望を的確に叶えてくれる。
一方で、大正文壇をピークにそれ以降はやや尻すぼみという印象も受けた(この本が、というよりは文学史それ自体への感想になってしまっているだろうが…)
後に続くプロレタリア文学や文芸復興は戦争により半ばで挫折するムーブメントだし、また、この手の本ではありがちかつ不可避の問題だが、戦後の記述は各論的な向きが強くてなかなか全体像が頭に入ってこない。
ただ一方で、近い時代についてはブックガイドとしての使い方をお勧めしたい。
それぞれの作家や作品の紹介は簡潔でありながら大変魅力的で、誰もが知る文豪以外にも知っておきたい作家や読みたくなる作品を次々に摘示してくれる。
そして明治の小説よりは実際に手を出しやすいだろうから、気になった小説のタイトルをメモしながら読むのがおすすめ。
近代文学史入門と現代小説のブックガイドとして一粒で二度おいしい本であり、日本文学に興味のある人にはぜひ読んでもらいたい一冊。 -
文明開化期から村上春樹まで、日本の近代小説を一冊で案内。珍しい写真図版を多数収録し、目で見て分かる面も充実。
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めっちゃ面白かった〜 勉強になりました。
こういうのの詩版ってないのかな…近代文学のながれで詩がどう絡んでくるのか全然わかってない… -
ベニスの商人の邦題が人肉質入裁判だというのが的確すぎて個人的にツボだった
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文明開化期から村上春樹まで、日本の近代小説史を案内する。写真図版を多数収録し、著名な作品の本文紹介も充実。入門書の決定版。