文部科学省 - 「三流官庁」の知られざる素顔 (中公新書ラクレ 476)
- 中央公論新社 (2013年11月8日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121504760
感想・レビュー・書評
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積ん読解消シリーズ
自らの職の上の上に位置する文部科学省について学ぶのもいいかなぁと思い手に取ってずっと積ん読していた一冊。
文部省から続く文部科学省が担ってきた日本の教育行政の在り方を俯瞰することで、今までの教育に起きてきた変化や今後の教育に向けた展望を垣間見られる内容だった。
面白い!っていう内容ではないけど、学校教育に関わる人なら読んでおいていいかも。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「ミスター文部省」と言われた元文部官僚の著者による、文部科学省の紹介本。
文部科学省の沿革(現業官庁から政策官庁への歩み)、文部科学省と政治との関わり、キャリアとノンキャリアの関係など、多角的に文部科学省について解説されており、普段あまり知らない世界を知れたという点で勉強になった。国立大学と文部科学省の関係、文部科学省の家族的一体感、大臣への忠実さなどのエピソードが面白かった。ただ、著者もあとがきで言っているが、内輪だからゆえに文部科学省が美化されすぎているような側面は否定できない気がした。 -
教育と医学では著者の舌鋒は鋭く感じるが,この本では出身官庁へのノスタルジーもあるのか文科省の特徴を温かく書いているような気がする。副題が「三流官庁」の知られざる素顔となっているので,対象のネガティブな内容を予想するが,実際は文科省が政策官庁への変化をなしとげ,着実に成果を上げていること,そして外的環境内的環境の変化に応じてうまくいったケースとうまくいっていないケースの紹介が中心である。続編として教育再生実行会議・中央教育審議会を期待したい。
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元文部科学省職員による文部科学省論。文科省の沿革や省内の組織論などについて詳細に論じられている。文科省を知りたい方にとっては必読の書。
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教育行政の仕組みが著者の視点でわかりやすく解説されていました。特に「国家教育委員会」と中教審を重ねた視点は秀逸だと思います。
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著者の文科省の風土に対する愛情が滲み出ている本といえる。当然ともいえる文部科学省と国立大学の関係を痛いほど知ることができた。国立大は「『家族的』」に様々な施策でかわいがられている。国立大学はいくつものゲタを履かせられているので、家族が痛い目に会うことは絶対に放置しない。
他方、私立大学が同じ土俵でまとも勝負してもかなわないことは歴然となる。しかしここからが頭の使いどころなのだなと思う次第。
ただ著者のいう「夜の酒」(p.153)や、カラオケとタンバリンの時代はいつまで続くのだろうか。また、休憩時間や終業後の行事(p.184)もたいへんそうだ。終業後の残業は残業手当頭打ち(いくら残業しても予算の範囲内しか支給されない)でサービス残業なのに、皆遅くまで働いていた(p.184)という状況も過酷さが伝わってくる。 -
28年奉職した古巣ということで,かなり贔屓目に書かれてる。戦前からの歴史に簡単に触れた後,在職中に経験した改革が詳しい。日教組や教育委員会との関係や,臨教審に基づく事業メンテナンス官庁から政策官庁への脱皮,2001年1月の科技庁との統合による変化などが現場の雰囲気を交えて描かれる。
後半は,ちょっと鼻につく。あまり読者の共感を得られそうにない文科省の「吏道」とか伝統とかキャリアとノンキャリの連帯とかの記述が続く。「三流官庁」,「御殿女中」と言われてきた僻みからなのか,文部省絶賛といった感じ。統合による職場文化の変容を寂しく思っているようだ。著者くらいの年代だと,そんなものかもしれないが,いくらなんでも,というのもあった。ノンキャリが定時に帰る他省庁とは違い,文部省ではノンキャリもキャリアと一体となって残業し,プライベートでも一緒に遊び,一緒に飲んでいたとか自慢されてもね…。いい思い出がいっぱいあったのかもしれないけど,ちょっと不見識でしょう。 -
“文部省のスポークスマン”、“ミスター文部省”と呼ばれた寺脇氏が予想以上に穏やかに文科省を説明してる本。
「ガラパゴス官庁」
「マルブン一家の家風」
「キャリアとノンキャリ」
など、昔3年間旧庁舎で働かせてもらった者として興味深く読めた。
「穏やかに」と書いたのは、随所で寺脇氏がホントに文部省・文科省のことが好きだったんだなぁと感じたから。
そして、今の文科省は決して「三流官庁」ではないと思った。