校長の力-学校が変わらない理由、変わる秘訣 (中公新書ラクレ 812)

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121508126

感想・レビュー・書評

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  • ■校長として一番大事なことを促す。それは原点に立ち戻るということ。
     最上位の目標とは何だったのか。それをみんなで確認する。
    ■校長は感情に訴えかけるな。
     組織を成長させるためには「感情に呼びかけてはいけない」。
     組織が成長していくためには、参加者一人一人が当事者となってトライアンドエラーを繰り返すことが必要になる。逆に失敗させることこそが大切。小さい失敗ができる組織こそ、大きな失敗を起こさない。
     大きなリスクにならない失敗は、体験を通して課題を理解し、解決力を伸ばすチャンスになる。トップがいつも答えを示してしまうようでは、人材も組織も育たない。
    ■国をあげて労働生産性を向上させる取組を行っているが、なかなか改善が進まない最大の理由が、日本の学校の宿題の多さにある。つまり、一向に労働生産性を上げることができない大人の姿は、すでに小学校時代にできあがってしまっている。

  • 【本学OPACへのリンク☟】
    https://opac123.tsuda.ac.jp/opac/volume/713659

  • 私の母校の先生が書いた本。
    民主主義とは何か、社会とは何か、法とは何か、そういった色んな疑問について深く考えた上で発された言葉が、子どもたちを現実に変えていて、そこがすごいなと思った。
    工藤先生の時代を経験できる今の学生さんはいいな。羨ましい。

    民主主義についてよく考え、考え抜いた上で、対立しながらも止揚(という言い方はしていないが)する概念を探す。そういう訓練が、すごくよくできた人なんだなという感じをもった。自由は押し付けられてしまうと意外と大変とか、色んな示唆に富む内容が書いてある。

    単純に民主主義はなんでも決められて、自由でいいと思いがちなんだけど、決めたことには責任というか、自由を押し付けられたことで色んなことを逆に決めないとならなくなり、自由が単純にいいと思えなくなる。自由服がいいからと自由服の期間を設けると、逆に自由がない方がいいと思ってしまうことも。

    そういう考える機会を与えられて振り返りつつ、自分で考えて決めていく、そういう行動ができる学生を育てているんだなぁというのが、言葉からも、色んなところの学校の評判からも伝わってくる。とても良かった。

  • 東2法経図・6F開架:B1/5A/812/K

  • 2024/05/04
    何かと先進的な取り組みをしている横浜創英中学・高校の校長である工藤勇一さんの本。
    元々は麹町中での色々な革新的な取り組みから話題になってずっとこの人の本を読んでいたこともあってまた新しい本が出たとのことで読んでみました。
    新しいことを始めた、というよりもこれまでの教育のあり方を根本から見直して「どうすることが本当に子どもたちのためになるのか」という原点に立ち返ったとき、学校として「存続させるもの」「変えた方がいいもの」「やめた方がいいもの」に分かれると思うのですが、そのうち、「変えた方がいいもの」を大胆に変えて、今まで常識、当たり前と思われてきたことに真っ向から向き合って取り組んでいることが周りからはとても印象的に写るのではないかと思います。
    ただ時代が変わったから変える、のではなく、どうして変えるのか、本当に今やっていることに意味はあるのかということを改めて根本から考え直すモチベーションをこの本から得たような気がします。

  • 新米校長として、校長の役割を自分の中で固めるために読んだ本。総監督でありマネージャーであり、演出家であるという自分の感覚を後押しする内容だった。変革前提ではなく、何を目指すかの上位理解か必要ということに得心。

  • 金髪も個性。やりたいことをやれる人が強い。

  • 「壇上のエラい人」は何をする人? その気になれば校長はここまでできる! 有名校長が知られざる実態を明かす永久保存版テキスト。

  • 著者の「学校の「当たり前」をやめた。」を拝読した時、自分と同じベクトルの人がいる、いやとんでもなく遥か先を行っている人がいると、非常に感銘を受けたことを覚えている。それ以来彼の著作は全て読み、勤めている学校で実践しているところである。
    今作は、「校長」とタイトルにある通り、校長目線で教育を捉えている。これまでの作品とは異なり、工藤氏が経験し、考え、実行してきたことが細かく書かれているので、いつも以上に奥が深く、彼の凄さが際立っている。少しでも工藤勇一先生に近づけるよう、インプットとアウトプットを続けたい。

  • 校長の役割や公立校の組織の仕組み(教育委員会、昇進プロセス)など、一般には翌知られていないことが、わかりやすく書かれていて、大変勉強になった。工藤校長の人柄がでていて、元気が出る本だ。

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著者プロフィール

【工藤 勇一】(くどう・ゆういち)
 横浜創英中学・高等学校長・堀井学園理事/前東京都千代田区立麹町中学校長 1960年山形県生まれ。東京理科大学理学部応用数学科卒。山形県中学校教諭、東京都中学校教諭、目黒区教委、新宿区教委等を経て2014年4月より2020年3月末まで千代田区立麹町中学校長。2020年4月より現職。麹町中での教育改革を加速させ、横浜創英中で2022年4月より中高一貫6年制の「サイエンスコース」を立ち上げる。社会で活躍するさまざまな人を学校とつなぎ、「社会に貢献する科学」を創出する新しい時代の学びを構築する。内閣府の教育再生実行会議(2021年9月に第12次提言を出し終了。後継会議が設置予定)委員。

「2023年 『社会を変える学校、学校を変える社会』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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