- Amazon.co.jp ・本 (601ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122000100
感想・レビュー・書評
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実存主義を代表する思想家フリードリヒ・W・ニーチェ(ドイツ、1844~1900年)の、後期の思想を表す最も重要な作品である。
全4部で構成され、1883年から1885年に断続的に執筆・出版されたが、当時はほとんど売れず、第4部に至っては自家出版で親戚や友人に配られただけであったという。
本作品は、全体としてツァラトゥストラを主人公とする物語の体裁をとっているが、大半はツァラトゥストラが、「神の死」、「超人」、「永劫回帰」という自らの思想を語ったもので、アフォリズム集に近いものとして読むことができる。
ストーリー自体はシンプルで、山に籠っていたツァラトゥストラは、神が死んだことを知って、人々に超人について教えようとするが、世俗の人々は聞く耳を持たず、ツァラトゥストラは諦めて山に戻る。その後、ツァラトゥストラは、山の中で何人かの優れた人々と出会い歓びを得て、再び山を降り、物語は終わる。
その中で、ツァラトゥストラが語る台詞には、
「人はおのれみずからを愛することを学ばなければならない、すこやかな全き愛をもって。― そうわたしは教える。おのれがおのれ自身であることに堪え、よその場所をさまよい歩くことがないためにである」、「まことにわたしは、すべてのことをよしと言い、さらにはこの世界を最善のものと言う者たちをも好まない、この種の人間をわたしは、総体満足家と呼ぶ。あらゆるものの美味がわかる総体満足、それは最善の味覚ではない。わたしは、強情で、気むずかしい舌と胃をたっとぶ。それらの舌と胃は、「わたし」と「然り」と「否」ということばを言うことを習得しているのである」(第3部・重さの霊)
「おまえたちがかつて「一度」を二度欲したことがあるなら、かつて「おまえはわたしの気に入った。幸福よ、刹那よ、瞬間よ」と言ったことがあるなら、それならおまえたちはいっさいのことの回帰を欲したのだ。」、「おまえたち、永遠な者たちよ、世界を愛せよ、永遠に、また不断に。痛みに向かっても「去れ、しかし帰ってこい」と言え。すべての悦楽は ― 永遠を欲するからだ」(第4部・驢馬祭り)
のように多くの示唆が含まれているが、全体を通して、「自分の運命を自ら進んで抱きしめること」を説いている。
本文だけで530ページあり、かつ1973年初版でやや翻訳が古く感じられる本中公文庫版(他に岩波文庫、光文社古典新訳文庫などもある)は、読み通すには少々気合いがいることも事実であり、ニーチェの箴言集や本作品の解説本をガイドに読む方法もあるだろう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2016.4.25
長い。が、その思想はすごいと思う。欲望について考えることの多い私にとっては、とても身近というか。彼は神を、道徳を、人間の生の意志=欲望を否定する禁欲的な在り方を否定した。欲望を抑えて、天上の徳に憧れ、それで生きてると言えるのかと。神を信じる、また造ったのは、生きることの苦しみからであり、苦しみの原因は欲望である。確かに欲望を抑えれば苦しみはなくなるだろう、しかし、同時に生きているという実感もなくなる。そんな人生がなんだというのだ。もっとも生きるものはもっとも大きな欲望を持つものだ。しかしその欲望は苦悩の源泉でもある。しかしそれでも、上に伸びるほどに根を闇に伸ばせ、そう彼は言う。偉人と狂人は欲望の大きさ、理性や道徳で欲望を殺さず、という点においては同じであり、ただその欲望の充し方が違ったのである。犯罪者が人に害悪を与える代わりに、偉人は世に貢献したのだ。我々が学ぶべきは、また教えるべきは、欲望を殺す意味での道徳ではない、欲望を活かす、自らの生のため、他者の生のために、そういう方法である。今回長くて断念したのはやはり古典で長く読みにくいことと、私の目的は知ることではなく考えることであり、そのためには古典のエッセンスが知れればいいからである。ということでニーチェのツゥラトゥストラ、及び彼の思想は別の解説書から学ぼうと思う。 -
原書名:Also sprach Zarathustra
ツァラトゥストラの序説―超人と末人
ツァラトゥストラの言説
著者:フリードリヒ・ニーチェ(Nietzsche, Friedrich Wilhelm, 1844-1900、ドイツ、哲学者)
訳者:手塚富雄(1908-1983、宇都宮市、ドイツ文学) -
2015/02/21
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斉藤孝推薦。
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超人とは何か、少しわかった気がする。
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引用
君たちが一つの神を考えきわめることができるだろうか。答えは否である。――だが、真理への君たちの意志とは、一切を、人間が考えきわめることができ、見ることができ、感知することができるものへと変えようとする意志である。君たちは君たちの感覚でつかんだものを究極まで考え抜くべきだ。
170512
手放し -
元祖ストイックボッチ
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配架 : 2F 閲覧室1 134.9 / 1973