- Amazon.co.jp ・本 (268ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122000797
感想・レビュー・書評
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表題作を含む7つの短編集。ただし、「結婚式」という短編は、同じ中公文庫の他の短編集にも所収されていた。この単行本は、文字が他の文庫に比べて小さいのが難。
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おもろいよ
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初期短編集。
「金庫」「突風」「黒い血の女」「理由」「結婚式」
「「静雲閣」覚書」「穴の中の護符」収録。
推理小説らしいのは「金庫」
他は、男女間、日常生活に潜む落とし穴を描いた小説。夫の浮気相手の恋人ところへ乗り込む「突風」における妻の大胆さ、幼さが面白かった。 -
松本清張作品としては少々異質な短編集です。
「清雲閣の覚書」は、
ちょっとじ〜んとくる話でした。 -
詐欺師が隠した財宝を暴こうとする「金庫」
夫の浮気相手のヒモのところへ乗り込む「突風」
妹が継いだ財産を妬んだ姉が殺人を犯す「黒い血の女」
よくできた妻が不倫を悔いて自殺する「理由」
よくできた妻が夫の不倫を黙認する「結婚式」
ある過去を持つ男が屋敷を買い取る「「静雲閣」覚書」
囲われ者の暮らす一帯に伏見稲荷の護符が撒かれる「穴の中の護符」
こうして見ると不倫かお金の話ばかりだなぁ。
一番インパクトがあったのは黒い血の女。 -
「金庫」
「突風」
「黒い血の女」
「理由」
「結婚式」
「「静雲閣」覚書」
「穴の中の護符」
解説にも書かれてあったのだが、推理小説というよりはノンジャンルの短編集という印象。
つい、栗本氏の短編を思い出してしまった。栗本氏は松本氏の小説を読んだことがあったのだろうか。
「結婚式」が一番印象に残ったのだが、解説に書かれていたように「突風」と「結婚式」は確かに対照的な逸話。夫の浮気を題材に、それを解決する妻の立場を書いている。愚かな妻と賢い妻、どちらがいいのか、考えさせられる逸話だと思う。
それから「理由」は後味の悪い内容だった。夫の悪知恵のせいで死んでしまった妻の復讐をしようとした妻の弟も姉のためにとはいえ考えなしだし、夫も自分勝手過ぎるし、一番かわいそうなのは死んだ妻だ。