山本元帥!阿川大尉が参りました (中公文庫 A 47)

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (179ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122001633

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  • 表題の、山本元帥機が墜落した地点を探してソロモン群島へと旅立つ話と、キスカ島無血撤収作戦についての話が納められています。

    山本五十六は知っているけど阿川弘之著「山本五十六」は未読、キスカ島についてはまったく知らなかったという不届き者ですが、ずっと前から表題が気になっていました。

    ソロモン群島への旅は困難の一言に尽きるだろうに、なぜか読んでいて、大変そうだと思うものの悲壮感が漂わないのは、著者の客観的な洞察力と、淡々とした筆遣いのためでしょうか。
    現地での苦労話を詳細に語れば分厚い本にもなったでしょうに、軽く受け流したように書いてあるところにかえってすごみを感じました。
    キスカ島については恥ずかしながら島の名前さえこの本で初めて知った始末。
    アッツ島玉砕は有名なのでよく見聞きしますが、アッツ島の直ぐそばにこのような島があり、このようなことが起こっていたのですね。
    こちらも、淡々と書き綴られており、短くまとめられたゆえに、行間を読んでしまう。
    読んでよかった、と久々にしみじみと思った一冊でした。

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著者プロフィール

阿川弘之
一九二〇年(大正九)広島市に生まれる。四二年(昭和一七)九月、東京帝国大学文学部国文科を繰り上げ卒業。兵科予備学生として海軍に入隊し、海軍大尉として中国の漢口にて終戦を迎えた。四六年復員。小説家、評論家。主な作品に『春の城』(読売文学賞)、『雲の墓標』、『山本五十六』(新潮社文学賞)、『米内光政』、『井上成美』(日本文学大賞)、『志賀直哉』(毎日出版文化賞、野間文芸賞)、『食味風々録』(読売文学賞)、『南蛮阿房列車』など。九五年(平成七)『高松宮日記』(全八巻)の編纂校訂に携わる。七八年、第三五回日本芸術院賞恩賜賞受賞。九三年、文化功労者に顕彰される。九九年、文化勲章受章。二〇〇七年、菊池寛賞受賞。日本芸術院会員。二〇一五年(平成二七)没。

「2023年 『海軍こぼれ話』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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