人間の集団について 改版: ベトナムから考える (中公文庫 し 6-47)

著者 :
  • 中央公論新社
3.68
  • (16)
  • (20)
  • (28)
  • (2)
  • (2)
本棚登録 : 271
感想 : 23
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (309ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122026841

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 戦争中のベトナムで書いた評論、随想の本。
    いつもながらの見事な司馬遼節でベトナム人の性格、傾向、その歴史などを分析している。

    一つ気をつけたいのが、良くも悪くも共産主義の実態やその終焉がまだ見えなかった時に書かれているということ。
    時代の空気というものが臨場感を持って伝わってくる良書だと思いました。

  • 現在のメコンデルタってどうなってるんでしょうか

  • 米軍が去った後のベトナムを司馬遼太郎が訪ね、ベトナムという国家、民族を題材にし、人間の集団というものについて思索している。司馬遼太郎の視野の広さや洞察の深さを今まで以上に知らされる本でした。もっと歴史を勉強しようと気にさせられます。

  • もう何十年前になるだろう。
    ベトナムのハノイ。
    駅前のドンロイホテル。
    私はおなかをこわして、ベッドでこの本(中古)を読んでいた。私の中のアジアがそのとき目覚めた気がする。
    その後帰国してからアジア関連の本を400冊以上読んだ。

    結果、いま韓国関連の本にいきつき、韓国語を学ぶまでになっている。
    そのきっかけになった本です。

  • 南ベトナム寄りの内容で、微妙に違和感あるが、ベトナム人評は未だに有効。

  • 著書が40年程前にベトナムに赴いた旅行記。人間性は国名や思想が変化しても変わらない、その時々に思わぬ形で特徴がクローズアップされるだけ。

  • 1973年に南ベトナムのサイゴンからメコンデルタ方面を旅した著者の「紀行文」。サンケイ新聞で3ヶ月間連載されていたそうです。75年にサイゴンが陥落して南ベトナムという国は消滅するわけですから内戦終了の直前にあたります。
    紀行文といいましたが著者はなかなか移動していきません。ただつらつらとベトナムと昔の日本の類似性からベトナム人を文化的・民族的に分析していいきます。私が特に面白いと思ったのは当時(70年代前半)のベトナムを大正時代以前の日本とを対比しており、そこから見ると近代日本(70年代)はすこし変になってきているようだと述べていることです。私は2010年にベトナムを旅行する機会がありましたが、そこで感じたベトナムは私が子供の頃の日本(70年代から80年代前半)のようでした。ずいぶん早く発展してきているようでこのまま日本を追い越していく勢いさえ感じましたが、今後はどうなっていくんでしょうね。
    本書ではベトナムに限らず、アジア、人類、戦争といった幅広い問題について自論を展開していきます。さすがに昭和40年代の記述でちょっと古い感じもするけれど今読んでも面白いです。末尾の解説文では本書を知的刺激力に満ちた「第一級の思想書」だと言っていますが、まあそんな感じです。

  • 【本文より】
    集団の持つ正義が強烈であればあるほど、人間は「食べて 寝て 愛する」という素朴な幸福から遠ざかるものであるらしい。

全23件中 11 - 20件を表示

著者プロフィール

司馬遼太郎(1923-1996)小説家。作家。評論家。大阪市生れ。大阪外語学校蒙古語科卒。産経新聞文化部に勤めていた1960(昭和35)年、『梟の城』で直木賞受賞。以後、歴史小説を次々に発表。1966年に『竜馬がゆく』『国盗り物語』で菊池寛賞受賞。ほかの受賞作も多数。1993(平成5)年に文化勲章受章。“司馬史観”とよばれ独自の歴史の見方が大きな影響を及ぼした。『街道をゆく』の連載半ばで急逝。享年72。『司馬遼太郎全集』(全68巻)がある。

「2020年 『シベリア記 遙かなる旅の原点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

司馬遼太郎の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×