バガヴァッド・ギーター: 完訳 (中公文庫 よ 29-1)

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122031197

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  • 聡き人は死も生も嘆かず
    聡き人は魂はこの身を離れて後、他への肉体に到達することを知っている
    肉体には限りがあるが、魂は滅びることはない
    であれば戦え(天命を全うする)
    苦も楽も同じ現象、
    生者は死に、死は出生からなる。であれば全ての生きとし生けるものを嘆くことはない。
    万物は太初あらわならず、中間のみあらわにして、末尾あらわならず
    武士にとって、法の定むる合戦は本務(天命)、本務を果たせないことこそ嘆くこと
    以上がサーンキヤ哲学的思弁的な方法

    物質から離れよ。関心を行為のみに注ぎ、功果・動機に囚われない。
    心をフラットに、自分の真ん中(バランス)にいる
    →出生の縛より解き放たれる
    心中に存する一才の欲愛を放火し、みずから自己にのみ満ち足りるとき、ひとは真智定まれるひとといわる
    p55一切の欲愛流入するも、かかるひとは寂静を得。内に欲愛を抱くものは然らず。
    一切の欲愛を放下し、愛執なく、我欲なく、我執なく身を処するひと、そは寂静にいたる。
    これ、聖なるものの境地なり。これを得て、ひと、ふたたび迷郷にただようことなし。いまわの際にてもあれ、この境地に立てるに、ひと凡涅槃に入る
    知〉行為、知は行為によって成される?
    59.ひたすら自己にのみ悦びを見出し、自己に満ち足り、自己にのみ安んぜんひと、かれにとり、もはや、なすべきことなし。
    62.心を最高の自己に置き、すべての行為をわれにむけ捨離し、期待なく、我欲なく、患悩の心を去り、戦え。
    ひと、知識ありとも、己の本性にしたがい四肢を動かす。万物、その本性に帰す。
    欠くるところかりとも、己の本務をの遂行は、見事完遂せる他者の責務にまさる。己れの本務に死するはすぐれ、他者の責務の遂行は危難をもたらす。

  • 借りたもの。
    ヨーガを実践する事で、平常心を保つ事を説く。
    クリシュナ(ヴィシュヌ)が繰り返し語る「心を調伏し」という言葉。
    心の平穏と物事を公平に見ようとする精神は、現代を生きる私達にも必要なものだ。
    読み進めると同調し、次第に鼓舞される。それは第11章でアルジュナの求めに応じて顕現するクリシュナ、という形で表現される。
    永き時を経ているため、一貫性がないとも思う行もあるが、そこはケース・バイ・ケースと解釈。

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著者プロフィール

1930年 会津若松市に生まれる1958年 東京大学文学部宗教学宗教史学科卒1968年 Lit.D.(ウトレヒト大学)現在 金沢大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

「1995年 『サンスクリット叙事詩・プラーナ読本』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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