reinouさんの感想
2017年1月9日
1998年刊行。 慶応義塾創始者福沢諭吉の知られざるグルメぶりを、自伝や当時の資料など多方面から読み解き、幕末維新期の食のありようを示した書である。 福沢の伝記としての側面と、幕末維新期の食文化のありようが、併せ絵のように展開する。牛肉・酒・麦酒等が主として書かれているが、牛乳への諭吉の傾倒ぶりには驚かされた。 また、適塾内での生活や、海外渡航、ここにおける諭吉の生活ぶりも活写され、それもまた幕末維新期の学者?の生活の一端を開示し、興味深いところ。
1933-2005。東京都生まれ。昭和女子大学短期大学部国文学科卒業後、國學院大学文学部卒業。くらしき作陽大学食文化学部教授を務めた。専門は食文化史。主な著書に『水戸黄門の食卓』(中公新書)、『グルマン福沢諭吉の食卓』(中公文庫)、『近代日本食文化年表』(雄山閣)、『カレーライスの誕生』(講談社学術文庫)などがある。 「2017年 『にっぽん洋食物語大全』 で使われていた紹介文から引用しています。」