青い絵具の匂い: 松本竣介と私 (中公文庫 な 44-1)

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122034815

作品紹介・あらすじ

人物や建物が重層する構図、さまざまな都会風景をモンタージュした画面、静謐な空間に時代の不安定な様相をも描出した夭折の画家松本竣介。「運河風景」に魅せられた画学生の著者が知的好奇心を通わす竣介との出会いからその死まで、さらには没後の竣介絵画の揺ぎない評価と日本画壇事情を歴史的に記す貴重な証言。

感想・レビュー・書評

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  • (2000.05.25読了)(拝借)
    松本竣介と私
    (「BOOK」データベースより)amazon
    人物や建物が重層する構図、さまざまな都会風景をモンタージュした画面、静謐な空間に時代の不安定な様相をも描出した夭折の画家松本竣介。「運河風景」に魅せられた画学生の著者が知的好奇心を通わす竣介との出会いからその死まで、さらには没後の竣介絵画の揺ぎない評価と日本画壇事情を歴史的に記す貴重な証言。

    ☆関連図書(既読)
    「求道の画家 松本竣介」宇佐美承著、中公新書、1992.12.20

  • 親しくしていた後輩画家による松本竣介の評伝。戦争中の出会い、短かかった戦後の活躍、死とその後の評価まで身近なひとでしか知り得ないエピソードをまじえて俊介の肖像を描いている。画家ならではの絵の実技上の話等を含め、著者の誠実な性格と俊介への尊敬が素直に伝わってくる素晴らしい評伝である。

  • 画家がどのようにこの世を観て、心の中にどんな風景があって絵を描いていたのか。心境の変化、社会の変化と画家の生き方、作品の模索の過程を知るのが面白い。

    戦時中、明日死ぬかもしれないという時に絵を描くこと、
    戦争画を描かなければならない状況下で自分を保ち、制作していくって、どんな気持ちだったんだろうと思う。

  • 小田急百貨店の松本竣介展をみにいつた.ほんたうは,オヤジがその展覧会を見にゆけないので小生が画集を買ふといふことになつたのだが,画集は売切れで,小生がせめてもとみてきた次第.このため授業に遅れたが,非常に良い展だつた.」(<a href="http://blogs.dion.ne.jp/calimero/archives/1063193.html#comments " target="_blank">1977年11月16日の日記</a>より)
    191頁の「昭和五十二年の新宿・小田急百貨店では」「竣介絵画の全貌が明らかになりました」という竣介展を私は観ていたんですねぇ、私の「竣介歴」もなかなか古い...
    Blog"蚕の桑"<a href="http://blogs.dion.ne.jp/calimero/archives/1845553.html#comments " target="_blank">2005-09-09(蚕)</a>より

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著者プロフィール

一九二五(大正十四)年東京生まれ。洋画家。武蔵野美術大学名誉教授。川端画学校に学ぶ太平洋戦争中の四三(昭和十八)年、新人画会展で松本竣介の絵と出会い、その画室を訪う。戦後は自由美術会員、主体美術創立会員を経て九四年、同志と新作家美術会を結成し毎回出品。八六年、七〇点の自選回顧展。東京、関西の美術館・画廊・百貨店で個展。日本秀作美術展、戦後日本のレアリズム展に招待出品。五七年国際美術展(モスクワ)で受賞。九三年小山敬三美術賞受賞。著書に『風景を描く』(美術出版社)、『中野淳画集』(アートよみうり)、『青い絵具の匂い――松本竣介と私』(中公文庫)など。二〇一七(平成二十九)年没。

「2018年 『画家たちの昭和 私の画壇交流記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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